ウェルネスフード
2023年12月14日

「白米は栄養がない」ウソ?ホント?管理栄養士の回答まとめ

日本人の主食・お米。白いごはんはおいしいですが、気になるウワサも。いわく、カロリーや糖質が高い、栄養価が低いなど。これって本当でしょうか? 管理栄養士の意見をまとめつつ、白米をダイエットに活かす方法もお届けします。

白米は栄養価が低いってホント?

たしかに玄米や雑穀米のほうが栄養価は高い! しかし白米にもメリットはたくさんある

白米は玄米を精米したもの。もっともやわらかく炊きあがりますが、そのぶん栄養価は低く、糖質の割合が高くなります。

白米と玄米を比べると、エネルギーはほぼ変わりませんが、玄米は白米に比べて食物繊維が約6倍、ビタミン・ミネラル類も数倍多く含まれています。

1日3杯のごはんを玄米に置き換えるだけで、1日に必要な食物繊維の約2分の1がとれます。玄米は硬いので、よく噛んで食べるため満足感も得やすく、消化吸収も緩やかです。

便通にもとてもよいので、結果的にダイエットにも繋がりやすいでしょう。

白米と玄米、栄養素の差を生むのは、除去されずに残っているぬかや胚芽の部分。白米には含まれない抗酸化作用成分や、抗ストレス作用で有名なGABAなどカラダにうれしい栄養素を多く含みます。

表面が硬く、長めに水につけて炊いた方がおいしいため炊飯は少し面倒ですが、白米を玄米に変えただけでこれだけの栄養補給ができるので、メリットも多いです。

また、雑穀にも多種多様な栄養素が含まれています。

糖質の吸収を緩やかにする大麦や、ポリフェノールたっぷりの赤米など、いつものお米に混ぜて炊くだけでプチプチ食感が楽しいご飯に仕上がります。

白米に含まれるカロリーと栄養

ここで、お茶碗1杯(150g)に含まれる栄養とその働きをチェックしてみましょう。

  • エネルギー(234kcal)
  • 炭水化物(55.7g):体を動かすためのエネルギー源
  • たんぱく質(3.8g):筋肉や骨、血液などあらゆる体の材料
  • 食物繊維(2.3g):便のカサを増し便の量を増やす、腸内環境を整える
  • 脂質(0.5g):体のエネルギー源。ホルモンの材料や細胞膜を構成
  • マグネシウム(11mg):リンやカルシウムとともに骨を形成。体内のさまざまな代謝を助ける
  • カルシウム(5mg):丈夫な骨や歯を作る。筋肉が正常に収縮するのを保つ
  • 亜鉛(0.9mg):体内の代謝に関わる。新しい細胞を作るのにも必須。細胞や味を感じる味蕾細胞形成を助け、各酵素を活性化させる
  • 鉄(0.2mg):赤血球に含まれるヘモグロビンの材料。体の隅々まで酸素を運び二酸化炭素を回収する
  • ビタミンB1(0.03mg):糖質の代謝に欠かせない。疲れた体を元気にする

    ※文部科学省「八訂日本食品標準成分表」をもとに作成

じゃあ、白米を食べるメリットとは

栄養面では玄米や雑穀米のほうが有利ですが、決して白米を悪者にするつもりはありません。

注目は、精白米の脂質の低さ!

「白米は主食の中でも脂質が少ないので、パンやパスタなどを選ぶなら白米を選んだほうが脂質を低く抑えることができます」と語るのは、MELOSでもおなじみの管理栄養士・深野さん。

また、白米は繊維が少ないぶん消化がよく、吸収にも優れているという特徴もあります。胃腸に負担がかからずにエネルギー補給できる点がメリットなので、「とくに食後1時間程度で運動する際や運動前のエネルギー補給、またハードなトレーニング後など胃腸が疲れていたり、しっかりリカバリーしたいときにおすすめです」とも。

ただし、食後2時間以内に運動の予定がないときは、トレーニーやランナーも白米よりも食物繊維を多くとれる玄米や分つき米、発芽玄米、雑穀米、麦ごはんなどを主食としたほうが、腸内環境を整えたり、不足しがちなビタミン・ミネラルを補うことができるとのことです。

運動(トレーニング)の1時間~2時間前には

梅おにぎり、塩おにぎりがおすすめ。胃腸の負担にならずすばやくエネルギー補給ができる

ハードなトレーニング後のすばやいリカバリーには

白米(糖質)+たんぱく質(肉や魚、たまご、大豆・大豆食品など)

白米には栄養が含まれており、メリットもある

というわけで、「白米は栄養がない」はウソ! 玄米などに比べれば低いものの、きちんと栄養素は含まれていますし、消化吸収のよさや脂質の低さといったメリットもあります。

不足分の栄養素を補うため、おかずを工夫したり雑穀米などを混ぜるのもひとつの方法です。対象者や目的に応じて楽しんでみるのはいかがでしょうか。

※本記事は「白米は糖質が高く栄養価が低いってホント?│管理栄養士の食トレ学」と「お米ダイエットのやり方|白米は太る?痩せる?カロリーオーバーを防ぐご飯の食べ方[栄養士監修]」の一部を再編集したものです。

<Edit:編集部>