ギア&アクセサリー
2020年5月21日

昭和レトロな筋トレ&健康グッズを調べたら、今のトレンドにも通じるものがあった (3/3)

ルームランナー(昭和51年)

 見た目は家庭用の体重計。足踏み方式で、1回踏むごとにカチャカチャと音がして歩数が刻まれ、走行距離に換算されるという代物。この頃の日本はマラソンの瀬古利彦選手や双子の宗茂・猛両選手が活躍し始め、市民の間でもジョギングが大ブームに。スポーツジムにあるようなベルト式のルームランナーを置くわけにはいかない日本の住宅事情にぴったりサイズ、しかも、天候を気にせず家の中でジョギングができることで、爆発的なヒットとなりました。

 何でも小さくするのが得意な日本人ですが、やはりその場で足踏みでは満足感が得られなかったのか、現在ではこのサイズのものは見られないようです。いまの家庭用ルームランナーはこちら。

▲家庭用 MATRIX トレッドミルTF30

 結局大きいものが定着したパターンです。やはり、1歩1歩踏み出す感覚を味わうには最低でもこの大きさに。でもこれ、折りたためるんですよ。

ぶら下がり健康器(昭和53年)

 ぶら下がるだけで健康になれるという手軽さが受け、空前の大ブームとなった健康器具。一般家庭だけでなく、企業がまとめ買いをして各部署に設置するなど、社会現象ともいえる動きでした。すぐに健康器具販売各社が、ぶら下がる以外の機能をつけた健康器の開発、販売競争を始め、大きな健康器をよっこらせと横倒しすると腹筋運動ができるものが売られていたりしました。

 しかし、人々が飽きるのは早かった…。どの家でもあっという間に物干し台やハンガーラックになってしまいました。30代以下ですと本来の使い方を知らず、元々家に古くからあるハンガーラックだと思っていたなんて人もいるのでは?

 現代でもぶら下がることは健康増進に効果的であるといわれています。こちらは最新のぶら下がり健康器です。

▲福発メタル ぶらさがり健康器 ブルワーカー ブラジョイ 

 昔のものとほぼ変わらない造りです。ブームの最中に付けられたぶら下がる以外の機能は再びなくなっています。前出の福発メタル三浦さんによると「時代が変わって、目的を一つにしぼったもののほうが人気になった」とのこと。今はシンプルなものに落ち着いているのだそうです。

 いつの時代もブームというものは瞬間的に火がつくもの。これまでにどれだけのグッズが生まれては消えていったのでしょうか。…とはいえ、過去のものがあってこそ現代の最先端グッズが開発されたのです。過去のものを振り返りながら、今後はどんなものが開発されるのか未来に思いを馳せるのも楽しいですね。

[写真協力]
福発メタル
http://fukuhatsu.co.jp/publics/index/14/
ショップジャパン
http://www.shopjapan.co.jp/
カタログハウス
https://www.cataloghouse.co.jp/
ジョンソンヘルステックジャパン
https://matrixfitness-home.jp/

<Text:アート・サプライ>

1 2 3