朝食抜きは痩せる?太る?脂肪と筋肉への影響を管理栄養士に聞いた
朝ごはんを食べることは一般的に健康に良いとされていますが、朝食は食べるべきか、抜くべきか。正解をご存じでしょうか?
結論からいうと、ダイエット目的であっても朝食は食べた方が有利です。朝食を抜くと脂肪と同時に筋肉も失われ、代謝が下がることで長期的には太りやすい体になってしまうからです。朝ごはんの健康効果を知ることで、よりダイエットやトレーニングの効果を高められるかもしれません。
また、近年では16時間ダイエットのような朝食を抜く方法もあり、朝食の習慣について迷う方も多いのではないでしょうか。
今回は管理栄養士が朝食について、ダイエットやトレーニングの観点からメリット・デメリットを解説します。
朝食の健康効果とは

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まずは朝食の健康効果について見ていきましょう。
よく知られている効果は、1つ目の「エネルギー補給」です。
就寝中はエネルギーの補給ができないため、起床したときにはエネルギー不足の状態です。日中は仕事や家事など忙しく動き回ることが多く、動くためのエネルギーが必要です。「朝ごはんを食べないと元気が出ないよ」と言われるのはこのためです。
2つ目は「セカンドミール効果」です。
空腹の時間が長いと、次の食事を摂取したときに血糖値が急上昇します。朝食で、特に食物繊維をとることで、1日を通じた血糖コントロールに役立ちます。血糖値の急上昇は体脂肪の蓄積や血管へのダメージ、食後の眠気などの原因になります。
3つ目は「筋肉への栄養補給」です。
筋肉の合成にはたんぱく質の摂取が大切ですが、摂取するタイミングも重要です。たんぱく質は一度に体内へ吸収できる量に限りがあります。
そのため3食の食事と間食でこまめに摂取することで、筋肉の合成を助けます。
4つ目は「体内時計のリセット」です。
人の体には一日周期でリズムを刻む「体内時計(概日リズム)」が備わっています。夜が来ると自然に眠くなるのはこの体内時計の働きです。体内時計の周期は平均すると24時間より長いため、毎日時刻の調整をしなければ徐々にリズムが遅れてしまいます。
朝食を食べることで体内時計がリセットされるので、睡眠の質向上の効果が期待できます。
朝食を食べないとどうなるの?
朝食の健康効果がわかったところで、次に、朝食を抜いた場合の体への影響を見ていきましょう。
まずはエネルギー不足です。朝食を食べないと日中の活動に使うエネルギーが不足します。不足すると脳へのエネルギー源のブドウ糖が不足して、頭がぼーっとすることもあります。
また、不足分のエネルギーを補うために体内の脂肪や筋肉を分解して、エネルギーとして使われます。そのため「朝食を抜く=脂肪燃焼」ではなく、「脂肪も燃えるが筋肉も失う」というのが本当のところです。
脂肪がエネルギー源として使われるため、一見するとダイエットにもよさそうですが、同時に筋肉も分解されてしまうので、筋肉量が落ちて代謝の低下につながってしまいます。
さらに、朝食を食べないと昼食時の空腹感が強くなり、ドカ食いの原因にもなります。1食の量が多いと、血糖値の急上昇による午後の眠気につながることが多いです。
16時間ダイエットはどうなの?
1日24時間のうち16時間は食事をとらず、残りの8時間で食事をするシンプルな食事法です。
メリットとしては、空腹時間が長くなることで、体脂肪の燃焼効果が高まることです。体内ではまずエネルギー源として、糖質が使われますが、糖質がなくなると、次は体脂肪を分解して、エネルギー源として使われるためです。
一見すると、体脂肪を減らす=ダイエット効果が高いように思えますが、ここには落とし穴がいくつかあります。
まず、1つ目は体内のエネルギー(糖質)が不足すると、先にも説明した通り、筋肉が分解されて、代謝の低下につながります。
2つ目は、空腹時間が増えることによって、ドカ食いによるエネルギー摂取量が増える可能性があることです。摂取エネルギー量が過剰になると、空腹の時間が長くても、体脂肪が蓄積しやすくなります。
シンプルな方法なので、細かい食事管理が面倒な方は、継続がしやすいかもしれません。しかし、筋肉をつけてメリハリのある体を目指したい人や、食べるのが好きで、空腹感によって食欲のコントロールができなくなる人は、逆効果になる可能性もあるため、注意が必要です。
筋肉を維持しつつ、健康的な体を保つには朝食を食べるのがおすすめ
MELOS読者の多くは、日常的にトレーニングを実施しているのではないでしょうか。トレーニングの効果を最大限に引き出すには、筋肉への栄養補給のため朝食を食べることをおすすめします。
何をどのくらい食べたらよい?
筋肉量維持のために朝食が大切なことはわかりましたが、実際にどのようなものをどれぐらい食べるとよいのか紹介していきます。
まずは、筋肉への栄養補給のためにたんぱく質、筋肉の分解を防ぐための糖質、そして血糖値を安定させる食物繊維の3つです。
そして、量は朝3:昼4:夜3の比率がおすすめです。そのため男性は700kcal程度、女性は600kcal程度※が目安となります。
※日本人の食事摂取基準、18〜29歳の推定エネルギー必要量を参照

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これらのポイントを押さえた朝ごはんになります。栄養バランスも整い、おいしそうな朝ごはんではありますが、準備も大変そうです。仕事にプライベートに忙しいMELOS読者には、毎日継続するには、負担になるかもしれません。

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その場合は丼にするのがおすすめです。包丁も使わず、簡単に朝食で摂取したい栄養素が補えます。

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朝から食欲がわかない場合や、お茶碗1杯洗う時間がない…そんな場合はまずは、たんぱく質だけでも摂取するように心がけると良いでしょう。
プロテインドリンク、ゆで卵、牛乳、ヨーグルト、豆乳など好みのもので大丈夫です。
わかってはいるけど継続するのが難しい…

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トレーニングの効果を最大限に引き出して、なりたい体を目指すためには朝食が大切なことがわかりましたが、これを実施して、継続することは大変だと思います。
また、今回紹介した食事の量は一般的な食事量の例であり、よりパフォーマンスを高めるためには、個々に合わせた適切な食事量を調整する必要があります。栄養のプロである専門家に相談を行えば、食事量だけでなく、個々の食事の嗜好や生活習慣に合わせた情報を教えてくれます。
トレーニングをがんばっているものの、成果がでない方や、一人だとなかなか良い生活習慣が定着しない方は、管理栄養士がライフスタイルに合わせて食事をトータルサポートするオンラインサービス CHONPS(チョンプス)の利用を検討してみるのもおすすめします。
【CHONPS(チョンプス)】食生活を変えたい、でもできない人へ。「食べちゃダメ」がない“食事版”パーソナルトレーニングならどうだろう?
参考文献
日本人の食事摂取基準 2025年版
食品成分表 第八訂
著者プロフィール
のはらななこ
病院、施設、保育園など10年以上現場の栄養士として活躍後、現在は栄養指導業務を中心にフリーランスの管理栄養士として活動しています。 料理が好きで、食べて健康になれるようにお野菜多めのレシピをSNS、レシピサイトでの投稿もしております。プライベートでは1児の母として毎日奮闘中です!
<Text & Photo:のはらななこ>
朝食にタンパク質を摂るべき理由とは?思った以上にメリットがあった













