【カサンドラ症候群】発達障害の家族がしんどい…ストレスが限界になる前に!専門家が教える対処法 (2/3)
カサンドラ症候群になりやすい人の傾向とは
カサンドラ症候群は、置かれた状況や関係性によって誰にでも起こり得るものです。性格のせいで「なる」「ならない」が決まるわけではありません。
ただ、長くつらさを抱え込みやすい傾向として、次のような特徴を持つ人は注意が必要です。
■共感力が高く、相手の気持ちを優先しがち
相手の事情を察するのが得意な分、自分の気持ちは後回しになりやすい人です。「相手も悪気はないのだから」と気持ちを飲み込み続けるうちに、心のなかに小さなあきらめが積もっていきます。
■責任感が強く、家庭を支えようとする
「家族のことは私が何とかしないと」「うまくいかないのは私の頑張りが足りないから」と、家庭を一人で背負い込んでしまうタイプです。問題を抱えても、外に助けを求めることがなかなかできません。
■我慢強く、感情を表に出すのが苦手
弱音を吐くことや人に頼ることをためらいがちな人は、ストレスが限界を超えても気づきにくいものです。気がついたときには、心も体も大きなダメージを受けてしまっています。
■「努力すれば変えられる」と信じやすい
何ごとにも誠実に取り組むタイプの人は、相手のことも「自分が頑張れば変えられる」と信じてしまいがちです。しかし発達障害の特性は、本人の努力や周囲の働きかけで簡単に変わるものではありません。変えようと頑張っても手応えが返ってこない状態が続くため、空回りした努力が深い疲労につながってしまうのです。
■周囲に「ちゃんとした人」と思われたい気持ちが強い
「家庭はうまくいっている」と思われたい気持ちが強いと、つらさを外に漏らせず、ますます孤立してしまいます。
ここに挙げた特徴は、いずれも本来は美点と言えるものばかりです。「自分の性格が悪いからカサンドラ症候群になった」のではなく、「優しさや誠実さが強く出すぎている状態」と捉えてみてください。
大事な存在なのに……発達障害の家族・パートナーに“うんざり”してしまう理由
大切な存在に対して「うんざりする」「もう疲れた」と感じてしまう自分を、責めていませんか。
その感情は、愛情が薄れたから生まれるのではありません。長年にわたって積み重なってきた、次のような小さなすれ違いが影響しています。
気持ちが伝わらない、返ってこない
「嬉しい」「悲しい」を共有したいのに、相手の反応がそっけなかったり、まったくずれたものだったりする。感情のキャッチボールが成り立たないと、人は強い孤独を感じます。
こちらの不調や努力に気づいてもらえない
熱を出して寝込んでいても、家事を抱え込んでいても、相手が“いつもどおり”のままだと、「自分のことは家族のなかで見えていないのかもしれない」と感じやすくなります。
こだわりや段取りに合わせて生活が回ってしまう
決まった順序や手順を強く好む特性があると、家のルールや予定が相手中心に回りがちです。「こちらの都合は二の次」という感覚が、じわじわとフラストレーションにつながります。
説明や謝罪が“想定外”な形で返ってくる
「そんなつもりはなかった」「悪気はない」と言われ続けると、責めたいわけではないのに、こちらが悪者になっているような気持ちになります。
周囲に話しても理解されない
「優しい人じゃない」「贅沢な悩み」と片づけられ、本当のつらさが伝わらない。話せば話すほど傷つく経験を重ねると、誰にも相談できなくなっていきます。
これらの積み重ねが、「大事だと思っているのに、もう一緒にいると苦しい」という矛盾した気持ちを生み出します。それは心が壊れているからではなく、ずっと支え続けてきた心が、悲鳴をあげているあらわれなのです。
もう限界! 心がギリギリのときに出やすい兆候
その悲鳴を聞き流したまま無理を重ねると、心と体の両方にさまざまな変化が現れます。「もう少し頑張れる」と感じていても、次のような状態が続いているなら、すでに限界に近づいているのかもしれません。
心の変化
- 涙が突然出てくる、または逆にまったく出なくなる
- 何をしても楽しくない、感情が鈍くなった
- 些細なことでイライラし、家族に強く当たってしまう
- 朝起きるのがつらく、一日中気分が沈んでいる
体の変化
- 寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚める
- 頭痛、めまい、動悸、胃の不調が続く
- 食欲がなくなる、または過食気味になる
- 疲れがとれず、体が常に重い
生活の変化
- 家事や仕事のミスが増えた
- 人と会う気力が湧かず、誘いを断り続けている
- 楽しみだった趣味に手がつかなくなった
- 同じことで何度も泣いたり、考え込んだりしている
ひとつ知っておいてほしいことがあります。こうした心や体の変化は、長く続くうちに、うつ状態や不安の症状と重なってくることがあるのです。
「一日中気分が沈む」「眠れない」「食欲がわかない」「動悸がする」といった状態は、うつ病や不安障害で実際にみられる症状と共通しています。だからこそ、関係の疲れからくるものだと思っていても、体のほうが先に音を上げている合図であることも珍しくありません。
ですから、「ただ疲れているだけ」と一人で抱え込まず、つらさが長引くようなら、精神科や心療内科で一度みてもらうのも選択肢の一つです。
「消えてしまいたい」という気持ちがふと浮かぶようなときは、なおさら、信頼できる人や専門の窓口を頼ってください。
弱いから限界がくるのではなく、それだけ重い荷物を長く背負ってきたということなのです。
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