深呼吸にはどんな効果がある?毎日1分続ける変化、メリット・デメリット (1/4)
「深呼吸すると落ち着くよ」とよく言われますよね。
緊張したときやイライラしたとき、思わず大きく息を吸って吐く――そんな何気ない深呼吸ですが、実は心と体の仕組みに基づいたセルフケアのひとつです。
精神科医・心療内科医の飯島 慶郎先生によると、深呼吸は「吸う」ことよりも「吐く」ことが大切なのだそう。
毎日1分ほど続けることでどのような変化が期待できるのか、1週間・2週間・1ヶ月の目安や、効果を高めるやり方を紹介します。
<このページの内容>
なぜ深呼吸は心と体にいい?
カギは、自律神経にあります。私たちの体には、活動するときに働く「交感神経(アクセル)」と、休息するときに働く「副交感神経(ブレーキ)」があり、この2つが状況に応じてバランスを取りながら、心拍や呼吸などを調整しています。
しかし、自律神経そのものを自分の意思で動かすことはできません。たとえば、「心臓よ、もっとゆっくり動いて」と思っても、心拍数を自由にコントロールすることはできないでしょう。

ところが、呼吸だけは例外です。呼吸は無意識でも続きますが、自分の意思で速さや深さを変えることができます。つまり呼吸は、自律神経に意識的に働きかけられる数少ない入り口なのです。
実際、これまでの研究をまとめて分析した「系統的レビュー」[1]では、1分間に10回を下回るようなゆっくりした呼吸は、副交感神経の働きを高めるだけでなく、心地よさや落ち着き、活力を高め、不安や緊張、いらだちを和らげる可能性があると報告されています。
深呼吸の効果とメリット
呼吸は、自律神経に意識的に働きかけられる数少ない方法のひとつです。深呼吸によりどんな効果やメリットがあるのか、見ていきましょう。
1. リラックスしやすくなる
深呼吸をすると「ホッとする」と感じるのは、気分の問題だけではありません。ゆっくり息を吐くことで、副交感神経が働きやすくなり、心拍数や体の緊張がゆるみやすくなります。
近年の「系統的レビュー」でも、ゆっくりした呼吸は副交感神経の働きを高め、不安やストレスを和らげる可能性があると報告されています。
2. 集中しやすい状態をつくる
ゆっくりとした深呼吸は、リラックスするだけでなく、頭の中を整理し、集中しやすい状態をつくることにも役立ちます。
ある研究[3]では、8週間にわたり腹式呼吸を続けたグループは、ストレスホルモンであるコルチゾールの値が低下し、集中力を必要とする課題の成績が向上したほか、後ろ向きな気分も減少しました。
気持ちを落ち着かせるだけでなく、集中したい場面でのコンディションづくりにも役立つ可能性があります。
3. ネガティブな気分を切り替えやすくなる
ストレスや不安を感じると、呼吸は浅く速くなりがちです。そんなときにゆっくり深呼吸をすると、一度呼吸へ意識を向けることで、気持ちを切り替えるきっかけになります。
実際に、ゆっくりした呼吸について複数の研究をまとめたレビューでは、不安や緊張、いらだちなどのネガティブな気分が和らぎ、心地よさや活力が高まる可能性が示されています。
4. 自分の心の状態に気づきやすくなる
ストレスや不安を感じているときは、呼吸が浅く速くなっていることが少なくありません。
深呼吸を習慣にすると、呼吸へ意識を向ける時間が生まれ、「今、自分は緊張しているな」「少し疲れているな」と、自分の心や体の状態に気づきやすくなります。
こうした小さな気づきは、無理をしすぎる前に休息を取るきっかけにもなるでしょう。
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