仕事中寝てしまう、異常な眠気…ASDの大人は睡眠が乱れやすい? (4/4)
日中の眠気を減らすためにできること
眠気を軽くするために、日常生活の中で取り入れやすい工夫をご紹介します。
起きる時間を一定にする
まず意識したいのが、起きる時間をできるだけ一定にすることです。就寝時間がずれても、起床時間を揃えることで、体内時計が整いやすくなります。
朝、太陽の光を浴びることも、体内時計をリセットする助けになります。
日中の刺激を減らす
日中の刺激を減らす工夫も効果的です。
職場でイヤーマフやノイズキャンセリングイヤホンを使う、まぶしさが気になる場合はサングラスや帽子を活用するなど、感覚的な負担を減らすことで、疲労の蓄積を抑えられます。
こまめに休憩を挟む
意識的に休憩を挟むことも大切です。マスキングによる疲れは気づきにくいため、時間を決めて一人になれる時間を作り、意図的に力を抜く時間を持つとよいでしょう。
寝るときは光や音を遮り、睡眠環境を整える
寝室の環境を整えることも役立ちます。遮光カーテンで光を遮る、耳栓や睡眠用のイヤホンで音を軽減する、肌触りの良い寝具を選ぶなど、自分にとって心地よい環境を用意してみてください。
カフェインの摂取は、午後以降控えめにすることをおすすめします。就寝前のスマートフォンの使用も、脳を興奮させやすいため、就寝の1時間ほど前には控えると眠りに入りやすくなります。
こんな眠気は受診を考えよう
セルフケアを試しても改善が見られない場合や、次のような症状がある場合は、医療機関への相談を検討してください。
たとえば、会議中や運転中など、本来眠ってはいけない場面で突然強い眠気に襲われて眠り込んでしまう場合です。これはナルコレプシーなど、専門的な治療が必要な睡眠の病気の可能性があります。
大きないびきをかいている、睡眠中に呼吸が止まっていると指摘されたことがある場合も、注意が必要です。睡眠時無呼吸症候群が疑われます。
十分な睡眠時間を取っているはずなのに、日中の眠気が改善しない場合や、気分の落ち込み、意欲の低下をともなう場合も、専門家に相談したほうがよいサインです。
眠気によって仕事や日常生活に支障が出ている場合、一人で抱え込まず、睡眠外来や心療内科、かかりつけ医などに相談してみましょう。原因に応じた適切な対処法が見つかることで、日中の過ごしやすさは大きく改善する可能性があります。
参考文献
和田真孝.神経発達症における睡眠障害の特徴と治療.精神神経学雑誌.2025;127(3):175-181.
https://doi.org/10.57369/pnj.25-028
監修者プロフィール
神谷町カリスメンタルクリニック院長
松澤 美愛先生
東京都出身。慶應義塾大学病院初期研修後、同病院精神・神経科に入局。精神科専門病院での外来・入院や救急、総合病院での外来やリエゾンなどを担当。国立病院、クリニック、障害者施設、企業なども含め形態も地域も様々なところで幅広く研修を積む。2024年東京都港区虎ノ門に「神谷町カリスメンタルクリニック」を開業、院長。精神保健指定医/日本精神神経学会/日本ポジティブサイコロジー医学会
URL https://charis-mental.com/
InstagramURL https://www.instagram.com/charismentalclinic
<Text:外薗 拓 Edit:編集部>







