2022年7月21日

【水泳ダイエット】水泳・プールはなぜ痩せる?消費カロリーが多いメニュー、脂肪燃焼のポイント (1/2)

 ダイエットしたいけれど、陸上の運動は苦手。そういう人は、水泳や水中ウォーキングなど、プールでの水中運動(アクアサイズ)をとり入れてみましょう。陸上での運動では得ることができないメリットがたくさんあるのです。

 今回は、プールでの水中運動によってもたらされるカラダへの影響、トレーニングメニュー、効果的に行うためのポイントなどをご紹介していきます。

水中運動のメリット

 プールなどで行う水中運動では、運動中に水の影響を受けます。水には4つの特性があり、それによって陸上とは違う効果を得ることができるのです。まずは、水の効果について確認してみましょう。

1.水温による消費カロリーアップ

 空気よりも熱伝導率が高い水中では、体温を維持するために代謝が活発になります。体温よりも低い温度に設定されているプールでは、体温を上げるためにエネルギーが必要です。そのため、陸上の運動と比べて消費カロリーが多くなります。

2.水圧による血流促進

 水圧がかかることで末梢(まっしょう)部が圧迫され、全身の血液循環がよくなります。血流量や心拍の変化により、呼吸・循環器系の強化へと繋がります。

3.浮力による体への負担軽減

 水中では、普段の6~10分の1の体重負荷で運動を行うことができ、関節への加重負担を軽減することが可能です。そのため、関節に痛みがある人や体重が重すぎる人などにとって、カラダにかかる負担を減らせる点はメリットでしょう。

 また、陸上では動かせない範囲で関節を動かすことが可能になります。

4.抵抗の強さによる筋トレ効果

 陸上よりも抵抗が強い水の中では、簡単な動きで筋力トレーニングの効果を得ることができます。また、動作スピードを速めると抵抗が強くなるなど、個人の体力に合わせて強度を調節しながら筋肉に刺激を与えることが可能です。

どんな水中運動がおすすめ?

 水中運動には、水泳(競泳)をはじめとする、さまざまな種目・エクササイズメニューがあります。はたして、どのようなものを選べばよいのでしょうか。

泳げる場合は「クロール」「平泳ぎ」などがおすすめ

 水中運動の代表的なものといえば、水泳です。泳ぐことができる場合は、好きな泳法で泳ぐといいでしょう。消費カロリーのみで考えれば、「バタフライ」がもっとも多くカロリーを消費します。

 しかし長時間泳ぎ続けるのに適している泳法ではないので、有酸素運動を目的として行うのであればクロールか平泳ぎが効果的。消費カロリーはクロールの方が若干高めですが、自分が泳ぎやすく、長時間続けやすい泳法を選択してください。

水泳の消費カロリーは?(体重70.3kg、運動時間30分の場合)

  • 水泳(バタフライ):409カロリー
  • 水泳(クロール) :409カロリー
  • 水泳(平泳ぎ)  :372カロリー
  • 水泳(背泳ぎ)  :298カロリー

 これらの消費カロリーと同等の運動として、ランニング(時速8km)と自転車(時速19.3~22.4km)もそれに当たります。

 なお、身長体重、そしてどれだけ速く(激しく)動くかによって消費カロリーの数値は大きく異なります。

泳げない場合は「水中ウォーキング」や「アクアビクス」などがおすすめ

 泳げない場合は、水中ウォーキングを最適。最近ではスポーツジムなどでもウォーキング専用のコースが設けられていることが多く、気軽に行うことができます。また、プールによっては、多様なアクアビクス(アクサエクササイズ)のプログラムが組まれていることがあるでしょう。

 有酸素運動を重点にしたプログラムから、リラックス、シェイプアップなど目的別に構成されています。そのため、「楽しみながら水中運動を行いたい!」という人は、積極的にプログラムを活用してみてください。

水中ウォーキングするだけでも痩せる?

 プールを水中ウォーキングするだけでもダイエット効果はあるのでしょうか。水泳マスターズ世界記録保持者の前田康輔さんは、インタビュー記事にて以下のように語っています。

水中にいると代謝が上がりやすいので、朝の代謝が下がっているタイミングで入水するとすぐに代謝が上がってきますよ。ダイエットをしたいという方や、スラッとした体をつくりたいという方には、とても良いですね。

水は、空気よりも熱伝導が良く、人の体温をすぐに奪います。一方、人には、体温調節機能というものが備わっており、エネルギーを消費して体温を上げようとします。これによって、代謝が上がっていくのです。また、水中では、常に水圧で抵抗を受けているので、エネルギーを消費するほか、全身の血流が良くなり、体内の有害物質をデトックスすることができるのです。なので、代謝を上げるという意味では、水中に浸かっているだけでもいいかもしれません(笑)。

朝の水泳トレーニングにはどんなメリットがある?ダイエット効果は?専門家に聞いてみた より

また、陸上よりも水中の方が消費カロリーは高いですし、ジョギングなどは水中でやった方が安全ですよね。水泳は生涯スポーツなので、安全性という意味でも非常に優れたスポーツだと思います。関節が緩むので、柔軟性が上がり、しなやかな体をつくることができます。また、水泳は有酸素運動なので、呼吸をたくさんします。呼吸をすると肺を使うため、呼吸筋が鍛えられ、疲れを感じづらくなったり、免疫力が高まったりと、健康的なカラダをつくることができます。

朝の水泳トレーニングにはどんなメリットがある?ダイエット効果は?専門家に聞いてみた より

水泳マスターズ世界記録保持者の前田康輔さん

 次に、水中運動でダイエットを行う場合のポイントを解説します。

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