【トレーナー直伝!体を柔らかくする方法】体が硬い原因と、柔軟性を高めるポイント (1/2)
「年をとるとカラダが硬くなる」という話は本当でしょうか? 大人と違って赤ちゃんは体が柔らかい、年齢とともに筋肉が硬くなっていく、お酢を飲むと体が柔らかくなる……さまざまな説が広まっています。
なぜカラダは硬くなるのでしょうか。その原因とメカニズム、対策をご紹介します。
カラダが硬い=筋肉によって関節の可動域が狭くなっている
「カラダが硬くなる」というのは、正確にいうと「関節の可動域が狭くなる」ということ。筋肉、骨、関節、靭帯などの関節周囲にある組織などさまざまな部位の要因が考えられますが、可動域が低下してしまう原因の多くは筋肉によるものです。
原因1 筋肉の萎縮
筋肉は使わなければ衰え、筋肉を構成する筋線維も短く細くなっていきます。骨折などでギプス固定をした人は経験があるかもしれませんが、長期間動かさなければ筋肉は委縮し、関節はほとんど動かなくなってしまうのです。
程度の差こそあれ、運動不足などによって動かさない筋肉は同じように硬くなっていきます。
原因2 筋肉の緊張
可動域は一時的に低下してしまう場合もあります。それは、筋肉の緊張によるものです。たとえば草むしりなどでしゃがんだ状態を長時間続けた後、立ち上がったときに腰が伸びないなど。同じような作業を長時間行った場合、筋肉の疲労によって緊張が高まり、柔軟性を著しく低下させます。
この場合、ある程度の時間が経てば改善することが多いでしょう。ただし、同じような状況を繰り返すことで筋緊張が取れず、だんだん硬くなってしまうということも起こり得ます。
原因3 ケガや病気の影響
ケガなどによって関節自体や靭帯、関節包などの組織が損傷してしまうと、後遺症で組織が硬く動きにくくなってしまう場合があります。ケガの痛みはなくなっても、完全に元の状態に戻るということはありません。組織同士の癒着や組織の肥厚など、少なからず何かしら変化は起きているのです。
また、加齢とともに起こる変形性関節症のような疾患も、可動域に大きく関わります。痛みが出ていなくても変形が進んでいることもあり、それらの変形によって可動域が制限されているということもあるでしょう。
カラダが硬いと感じる人の特徴
このような原因の多くは、日常生活での行動にあります。以下は、カラダが硬いと感じる人によくある生活スタイルです。
同じ姿勢でいることが多い
デスクワークなど仕事や勉強で同じ姿勢を続けることが多い人は、筋肉を動かす機会が少なく、肩甲骨や背中といった上半身をはじめ、股関節や太ももなど下半身の柔軟性が低くなりがちです。普段から運動を心がけている人なら問題ありませんが、まったく運動しないといった人はカラダが硬くなる一方です。
たとえ仕事でカラダを動かしている人でも、いつも同じ動きだと、使っていない筋肉は硬くなってしまうので要注意です。
トレーニング前後のケアが不足している
日頃からトレーニングをしている人でも、トレーニング前後のカラダのケアが不十分であることで柔軟性が低下している人が多いようです。特にトレーニング後はケアが重要。ストレッチなどを行うことは、筋肉の疲労を改善することともに柔軟性の向上にも繋がります。
寒さなどの環境による要因
寒さや湿気など血行に影響する外的要因は、柔軟性に大きく関わります。ただしこれらの外的要因は、自分でコントロールすることができません。そのため、血行が悪くならないよう着るものに気をつけたり、保温を心がけるといった対策を行うようにしましょう。
関連記事:「寒い日の運動」はカラダに悪い? 寒さによるトレーニングへのメリット・デメリット