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「亜鉛」とは?筋トレ民必須の栄養素、その効果や働き、亜鉛を多く含む食べ物を解説[管理栄養士監修]

 バルクアップを目指して毎日筋トレをしていても、プロテインを飲んでいても効果が上がらないなら、亜鉛が不足しているのかもしれません。

 では、亜鉛とはいったいどんな栄養素なのでしょう。

 筋肉にどんな影響を与え、亜鉛不足によるデメリットとはなにか。そもそも毎日の食事で筋トレ民に必要な摂取量を確保できるのか。亜鉛がなぜ筋トレ民にとって必須の栄養素なのかを、管理栄養士の深野裕子さんに伺いました。

筋肉を育てる必須栄養素「亜鉛」とは

 亜鉛は体内に2g存在するミネラルで骨、筋肉、肝臓、腎臓など全身に分布しており、細胞が新しく作り替えられるときに不可欠で、たんぱく質の合成にも欠かせない栄養素です。約200種類以上の酵素の構成成分となり、体内の重要なしくみに関わっています。

 筋肉合成に関わるミネラルである亜鉛は、筋肉を増やすための重要なテストステロンや成長ホルモン、インスリンを正常に分泌させるうえで大きな役割を果たします。傷ついた筋組織の修復や新陳代謝をスムーズに促進するので、体内に亜鉛が十分に蓄積された状態であれば、筋トレの効果を感じやすくなります。

「ただし、亜鉛は汗で排泄されやすく、代謝があがれば細胞の必須材料としての必要量もあがるため、運動強度が高くなるほど体内での消費量は増加する傾向があります」(深野さん)

 亜鉛はカラダの中で作り出すことができないため、食事で摂取することが必要ですが、通常の食事をしていれば不足する心配はありません。しかし、ハードなトレーニングを行なう筋トレ民や食事に偏りがある、加工食品をよく摂る傾向がある方は不足しやすい栄養素でもあります。

「亜鉛は、体内で不足のないように食事から摂取する必要があります。加工食品に含まれる食品添加物などで吸収が阻害されやすいため、加工食品の摂りすぎには注意が必要です」(深野さん)

 さらに亜鉛はアルコールを代謝する酵素の材料にもなり、アルコールが尿中への亜鉛の排出を促進するため飲酒習慣のある人は摂取量に注意が必要とも。また、亜鉛は腸管での吸収率が低い(腸管での吸収率は約30%前後)ので、食事では食べ合わせを工夫した摂取法が必要とのことです。

亜鉛が足りない状態で筋トレするとどうなる!?

 筋肥大に必須の栄養素・亜鉛。では不足状態で筋トレを続けたらどうなるのでしょう?

「筋トレの効果がなかなか感じられなかったり、トレーニング後や疲労の回復が遅くなります。ひいてはパフォーマンスだけでなく免疫力が低下して、風邪をひきやすくなったり、体調を崩しやすくなってしまいます」(深野さん)

 亜鉛は汗や尿から排出されやすく、ハードなトレーニングをしているアスリートやスポーツ選手は不足しやすい栄養素です。不足状態が続くと、スポーツ貧血のひとつ「亜鉛欠乏貧血」を引き起こす原因にもなります。

 また、筋トレだけでなく、味覚障害、爪や皮膚の異常、成長障害、男性の場合はED(男性機能障害)や前立腺肥大なども亜鉛不足によるデメリットです。

亜鉛を多く含む食材や亜鉛の1日の摂取量の目安は? 

 健康的なカラダに欠かせない亜鉛ですが、摂りすぎるとかえって不調をきたす場合があり、厚生労働省により年代別の摂取量が推奨されています。

●亜鉛の食事摂取基準(mg/日)

●亜鉛を多く含む食材

 牡蠣は大粒4個で1日の摂取量をクリアできてしまうほど大量の亜鉛が含まれています。そのほか魚介類、肉類、大豆製品、卵、種実類にも多く含まれています。

亜鉛はどのタイミングで摂る? 組み合わせて食べたい食材は?

「トレーニング前後の食事で亜鉛を補給し、カラダの中に常にある状態を作っておくことが重要」(深野さん)

 汗などで流出しやすい亜鉛。常に体内にある状態をキープするには、日常的に食事で補給しておくことが理想。亜鉛の効果をパワーアップする栄養素の組み合わせを教えていただきました。

・亜鉛×たんぱく質 … 肉類、魚介類、大豆製品、卵など
亜鉛はたんぱく質を多く含む肉類や魚介類、大豆製品に含まれていることが多いですが、たんぱく質とあわせて摂取することでたんぱく質合成が促進されます

・亜鉛×ビタミンA … レバー、にんじん、ほうれん草、小松菜、モロヘイヤなど
ビタミンAは亜鉛の吸収を高める効果がある一方、亜鉛がビタミンAの代謝に関わり、ビタミンAの抗酸化作用を促進します

・亜鉛×ビタミンC×クエン酸 … 梅干し、レモンなど
ビタミンCはクエン酸のキレート作用を強めて亜鉛の吸収率を高めます

 調理法については、亜鉛は水溶性なので汁ものや鍋ものなどゆで汁に溶けだした分まで摂れるようにするとより効果的に摂取することができます。

 亜鉛を含む食材とその作用を助ける食材を組み合わせて積極的に摂取することが大切。また、亜鉛だけでなく、食事全体のバランスも過不足のないように整えることもお忘れなく。筋トレ効果をアップさせるためにも、亜鉛を常にカラダの中にフルチャージしておきたいですね。

[監修者プロフィール]
深野祐子(ふかの・ゆうこ)
管理栄養士・ジョギングインストラクター。Japanマラソンクラブでインストラクター兼フードアドバイザーとして市民ランナーに向け走り方の指導や食事の指導を行なう。
【Japanマラソンクラブ公式サイト】https://www.jmcrun.com/

<Text:パンチ広沢+アート・サプライ/Photo:Getty Images>

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