フィットネス
2021年10月6日

骨盤の動きをよくするメリットとは?「お尻歩き」で腰まわりの筋肉をほぐす

 骨盤を上手に使えていますか? 体の中心にある骨盤と周辺の筋肉を上手に動かせると、体の歪みや疲労を防ぐだけでなく、スポーツパフォーマンスの向上にもつなげることができます。子どもの頃からそのような感覚を身につけると、後の運動能力にも繋がりやすくなります。

 骨盤を動かすメリットと「骨盤ウォーキング」のやり方を紹介します。

骨盤を動かすメリットとは

 100m走の日本記録は9秒台に突入し、世界の決勝争いに絡める期待が高まっています。そんな現在の日本ですが、かつては陸上短距離走の後進国でした。そのため、世界のトップを歩むアメリカ選手の足の動きの解析し、日本選手の参考にしていましたが、どうしても記録が伸びませんでした。

 その頃の解析は、大転子(だいてんし)という大腿骨の付け根の外に出っ張った部分を中心に動きを分析していたそうです。解析技術が発達し、大転子の動きを解析できるようになると、記録が向上してきました。この大転子の動きを引き出すのは骨盤の動きです。骨盤を上手に動かせることは、スポーツパフォーマンスの向上につながるのです。

 また、腰痛持ちの人は骨盤周辺の筋肉が硬く、骨盤を上手に動かせません。筋肉は動かさずにいると固くなり、動かしにくくなって痛みへとつながります。そのため、まずは“動かすこと”が大切です。どのようなトレーニングをしたらいいのか。ここで、具体的に3つご紹介しましょう。

骨盤ウォーキング(前進・後進)

1.長座で座ります。
2.片脚を前へずらします。骨盤から押すように動かしましょう。
3.次は反対の脚を前へずらし、それを続けて前に進んでいきます。
4.後ろ向きでも行い、元の位置に戻ります。

 動作はゆっくりでかまいませんので、骨盤をしっかり動かすのがポイントです。

脚上げ骨盤ウォーキング(前進・後進)

1.脚を上げてお尻だけでバランスをとります。
2.脚を上げたままお尻を動かして前へ進みます。
3.ある程度進んだら後ろ向きでも行い、元の位置に戻ります。

 慌てずに骨盤を動かすのがポイント。骨盤を片方ずつ浮かせるようにして、上下の動きを引き出せるとさらによいでしょう。

アリゲーターウォーク

1.大股で四つん這いをする姿勢になります。
2.右手と左足、左手と右足が同時に動くようにし、前にある手を後ろ足で越えるようにして四つん這いします。(斜対歩)

 慌てずにゆっくり行い、骨盤の動きを感じながら行ってください。

頑張りすぎず少しずつ行う

 骨盤が固まっている人は、最初からがんばりすぎると痛めてしまうかもしれません。そのため、少しずつ進めていくとよいでしょう。ここでご紹介したのは子どもから大人まで効果が期待できるトレーニング法ですので、ぜひ取り組んでみてください。

<プロフィール>
赤堀達也(あかほり・たつや)
1975年生まれ、静岡県出身。奇抜な理論ながらも論理的な指導で小学校・中学校・大学でバスケのヘッドコーチを行い、体力テストが市内低水準校で県大会優勝するなど選手育成を得意とする。最高戦績は全国準優勝。2019年度より旭川大学短期大学部准教授として、この理論を応用した幼児体育・健康の研究を行い北海道の子どもの体力向上を図る活動に取り組む。またパーソナルストレッチ・スポーツスタッキング・部活動改革にも取り組む。
[HP] https://mt-a.jimdo.com

<Text & Photo:赤堀達也>