2022年9月8日

アルギニンの効果・働きとは。サプリメントのとり方、多く含まれる食材[管理栄養士監修] (1/2)

 サプリメントや栄養ドリンクにも配合されている「アルギニン」。筋肉増強や疲労回復、免疫機能向上などの効果が期待でき、筋トレを行う人たちにも注目の栄養素です。

 アルギニンは何から、どのようなタイミングで摂るのがベストなのでしょうか。アルギニンを多く含む食材やサプリメントを摂取するタイミングなどを管理栄養士の那須由紀子さんに解説してもらいました。

アルギニンがワークアウトに役立つ理由

 アルギニンは20種類あるアミノ酸の1種です。アミノ酸には体内で作ることができない必須アミノ酸と体内で作ることができる非必須アミノ酸がありますが、アルギニンは後者。ただし、アルギニンは体内で合成できるものの、大量に作ることができず、食材などから補うことが不可欠で、準必須アミノ酸や条件付きアミノ酸と呼ばれます。

 ではアルギニンはどのような働きがあるのでしょうか。管理栄養士の那須さんによると、「アルギニンは細胞を増殖させ、傷の修復を早くさせる働きがある、その上で、成長ホルモンの分泌をよくし、筋肉を作る上でも一役買います。血糖のコントロールも良くします」と説明します。

 アルギニンは脳下垂体を刺激し、成長ホルモンを分泌する役割があることがわかっています。そのことからアメリカではトレーニングに欠かせないアミノ酸として注目されており、研究も進んでいます。また、アルギニンは体内の一酸化窒素(NO)生産を高める働きがあり、NOが体内で増えると、血管が拡張され、血流促進につながります。

 アミノ酸は疲労回復に良いとされるものが多いですが、特にきついトレーニングをしても、効果が感じられず疲れるだけという人には特におすすめ。激しい運動をした時に発生する疲労原因物質、血中アンモニアを抑制する働きがあることもわかっており、ハードワークの後の疲労回復にも大いに役立つのです。

 また肉体の強化のほか、男性機能の向上もうたわれるアルギニン。男性のための強壮剤にも配合されていることが多いですが、これは血流促進と成長ホルモン分泌に関わることから。それ以外は年齢、男女差はなく、スポーツをする人なら全般的に摂取が進められる栄養素の1つです。

 他にも食欲を抑える働きがあることから、食べ過ぎを防ぎ、ダイエット効果も期待できます。その他、角質層を保湿する働きもあり、肌に潤いを与えるので、化粧品にも使われています。

筋肉に負荷をかけるトレーニングをする人に特におすすめ

 ウエイトトレーニングは筋肉に負荷をかけることにより、筋繊維が壊れ、それを修復する際に必要な栄養素を摂ることで、さらに強い筋肉が作られることは知られています。アルギニンは成長ホルモンを促す働きがあるため、トレーニングによって壊れた筋繊維を修復する機能が高まり、より強い筋肉を作ることができるのです。

 そのため、ウエイトトレーニングのほか、長距離ランニングをする人にもおすすめ。また、NOが活発になるので、血流が良くなり、筋肉強化だけでなく、疲労回復にもなります。日々のトレーニングの際にはなるべく摂るようにしましょう。

 では、摂取するのにベストなタイミングは?

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