インタビュー
2022年9月16日

中性脂肪、減らすには?“中性脂肪を下げる卵”を開発したアキタフーズに聞いてみた (2/2)

中性脂肪を減らすためのポイント

 中性脂肪はエネルギーになりますが、摂取と消費のバランスが大事です。バランスを崩して高くなってしまった中性脂肪の数値は、どのように落とすとよいのでしょうか。

「まず、有酸素運動を毎日続けることです。そして規則正しい生活をするために、食事は3回、偏食せず、バランスよく食べること。あとは睡眠をよくとること。睡眠が短くなると満腹中枢が充足せず、食欲を刺激してしまう。それによって中性脂肪が余計に増えるということはあります」(本薗さん)

 1番大事なのは運動、消費することであると語る本薗さん。やはり、長時間のデスクワークやテレワークによる運動不足は大敵ですね。

「歩くのが1番よいのではないでしょうか。大股でしっかり歩く」(本薗さん)

 ちなみに食生活で注意したいポイントとしては、糖と脂肪を控えめにすることと、それらの吸収を抑えることだそう。

「1番は炭水化物と脂質を少し控える。あとは腸管から吸収されるアブラを抑えたいわけですから、食物繊維でそれらの吸収を抑えるのもいいですね。海藻類やキノコ、ゴボウ、野菜類といった食材を先に食べて、肉類や糖質はあとから食べるとよいでしょう」(本薗さん)

 見落としがちなのが飲み物です。砂糖入りの缶コーヒーや果汁100%ジュースも、糖が多いため要注意と本薗さん。お茶やポリフェノールを含むものにチェンジするのがよさそうです。

「若い男性でもお腹がポッコリしている人が増えたような気がします。リモートワークだとついスナック菓子などを食べる機会が増えてきているのでは」(本薗さん)

 おっしゃる通り。在宅勤務だとつい食べ物に手が伸びてしまう人も多いのでは。通勤による運動の機会も減ったいま、摂取と消費のバランスが崩れやすい状況と言えます。

「バランスよく食べ、適度な運動をし、よく寝る」が最強

 ダイエットと同じく「規則正しい食生活」、そして「毎日の適度な運動」。王道パターンは最強であると繰り返し聞いているにもかかわらず、裏ルートを探してしまうのは人間の業ですね。

「魚介類もいいですよ。DHA・EPA(高度不飽和脂肪酸)が入っている魚類を食べると、中性脂肪を下げる方向に働きます。あとは大豆製品も血中の中性脂肪を下げると言われていますので、豆腐とか納豆、豆乳、おからなどはおすすめです」(本薗さん)

 サポートとして、中性脂肪を下げる食品や飲み物、サプリも併用したほうがいいのでしょうか?

「サプリメントはいろいろ調べました。血中の中性脂肪を下げる機能性表示食品659品を分類した結果、魚や卵のDHA・EPAや、難消化デキストリン、イヌリンといった食物繊維、それから大豆ベータコングリシニンなどのタンパク質、飲み物ではポリフェノールも血中の中性脂肪を下げると言われています。しかしこれらを飲むだけでは効果は期待できず、先ほど述べた食事コントロールと運動と併用することが重要です」(本薗さん)

 アキタフーズから展開されている『からだのたまご』は中性脂肪を下げる効果が期待できるとしていますが、どういった仕組みでしょうか?

「『からだのたまご』は、DHA・EPAを含むタラ油(魚油)をニワトリに与えて作った卵です。DHA・EPAは肝臓での中性脂肪の合成を抑制します。肝臓で中性脂肪を作ろうとする酵素を阻害するのです。そして肝臓での中性脂肪の原料を消費させるように働きます。これらによって肝臓で中性脂肪が作られるのを抑制します。それと、血中でぐるぐる回っているリポタンパクという物質の中に中性脂肪が入り込んで体内を移動しているのですが、この中にあるリポタンパクリパーゼという脂肪を分解させる酵素を促進させることによって、血中の中性脂肪を下げます」(本薗さん)

 肝臓での中性脂肪の合成を抑える、血中の中性脂肪の分解を高める。これらの仕組みを卵に移行させて作った商品が『からだのたまご』とのことです。

 ちなみに『からだのたまご』は、1日2個ほどを3週間。続けていくうちに約10~20%ほど中性脂肪の数値を下げることができるのだそう。これならハードルも低そうですね。

「消費者庁に届けている内容としては、1日2個とるということ。文献からすると、毎日2個食べると、3週間ほどで10~20%の血中中性脂肪が下がっていくとしています」(本薗さん)

 卵は1日1個までという話を聞いた人もいるかもしれませんが、1日2個程度の卵を摂取しても血中総コレステロール値に影響はないとされています。ただし総コレステロール含量の上昇しやすい人や、遺伝的にコレステロール摂取の影響を受けやすい人は、卵の摂取量に注意が必要です。

 ちなみに魚でもDHA・EPAはとれるのですが、卵は毎日食べる人も多く、調理法も幅広いため、食べ続けるハードルが魚より低いというメリットがあります。

「卵は洋風・和風・スイーツなどいろいろな料理に使えますし、調理してもDHA・EPAは分解されません。また、卵に含まれるレシチンという物質が脂質の吸収率を高めてくれるため、たとえばサプリメントなどでとるより卵のほうが消化吸収の効率が高いと考えています」(本薗さん)

 中性脂肪を下げる機能性表示食品『からだのたまご』。もちろんこれを食べれば解決! ということではなく、先述した通り、規則正しい生活と食事内容、そして運動を行いつつこうした食品をとり入れることで、中性脂肪を下げる強力な助っ人となってくれそうです。

<Text& Photo:編集部>

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