ローテーターカフ(回旋筋腱板)のトレーニング&ストレッチ【プロ監修】 (1/3)
肩まわりの小さな筋肉、そして肩関節の動きに関わる重要な筋肉である「ローテーターカフ(回旋筋腱板)」。腕を使う球技やラケットスポーツなどにおいて、とても重要な筋肉です。
ここではローテーターカフの役割と効果的なケア方法、そしてストレッチについて解説します。
ローテーターカフ(回旋筋腱板)とは
ローテーターカフは、肩甲骨と腕の骨である上腕骨をつないでいる筋肉の総称です。「回旋筋腱板(かいせんきんけんばん)」とも呼ばれます。
ローテーターカフの筋肉は以下の4つに分類されます。
- 棘上筋(きょくじょうきん)
- 棘下筋(きょくかきん)
- 肩甲下筋(けんこうかきん)
- 小円筋(しょうえんきん)
深層にあるため、肩のインナーマッスルとして紹介されることが多い筋肉となります。この筋肉は細く弱いですが、スポーツ動作はもちろん、日常生活でも大きな役割を果たしています。
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ローテーターカフはどんな働きをする?
ローテーターカフにはどのような役割があるのでしょうか。
肩甲骨と上腕骨をつないでいる関節「肩甲上腕関節(けんこうじょうわんかんせつ)」の形状は球関節に分類され、さまざまな方向に動くことができます。そのため、腕を自由自在に動かすことができるのです。
さまざまな方向に動く一方、問題点もあります。それは、安定性が悪く関節が外れやすいこと。おそらく「脱臼」と聞くと、肩の関節が抜けたというイメージが多いかと思います。
ローテーターカフは、そんな安定性の悪い肩甲上腕関節をスムーズに動くよう安定させる役割を持ちます。
ローテーターカフが弱いとどんなデメリットがある?
ローテーターカフを鍛えないと、ケガのリスクが高まる
ローテーターカフも筋肉ですから、鍛えなければ衰えます。ローテーターカフが弱くなれば、その分だけ肩関節の安定性が悪くなるということです。
日常生活程度であれば心配はありませんが、スポーツ競技となれば話は別。ケガのリスクが高くなり、パフォーマンスの低下をもたらします。
また、日常生活においてもローテーターカフの筋力低下はデメリットがあります。肩の動きが悪くなり、肩こりのような痛みの原因に繋がります。
そのため、ローテーターカフのトレーニングは欠かすことなく取り組んだほうがよいでしょう。ここからは、ローテーターカフの筋トレをくわしく解説します。
ローテーターカフを鍛えるトレーニング
棘上筋(きょくじょうきん)を鍛える筋トレ
- 足を肩幅に広げて立ち、両手に逆手でダンベルを持つ
- 肘を曲げず、ダンベルをやや前横へ、肩の高さくらいまで持ち上げる
- ゆっくりと元の姿勢に戻る
ポイントはダンベルを持ち上げる角度。肩甲骨の延長線上にダンベルを持ち上げるのが効果的です。
ワンポイントアドバイス
肩甲骨はハの字になっているので、少し前側(30度~45度くらい)に持ち上げるようにしましょう。