「鶏むね⾁+ブロッコリー」は筋トレ民には“残念な⾷べ⽅”かも。その理由とは
「鶏むね⾁+ブロッコリー」は、筋トレやボディメイクに励む⼈の定番メニューです。鶏むね肉は⾼タンパクで低糖質ですし、ブロッコリーはビタミンやミネラルが豊富なため、筋トレ民のみならずボディビルダーも⼤会前に⾷べるという王道の組み合わせです。
しかし、⼀般的なブロッコリーの⾷べ⽅は、実は筋トレの効果を⾼める観点で⾒るとかなり“残念な⾷べ⽅” かもしれません。
ブロッコリーの栄養素を最⼤限効率よく摂取する⽅法を、ブロッコリースプラウトを国内で初めて発売した村上農園のニュースレターからピックアップしてお届けします。
なぜ人気? 鶏むね⾁×ブロッコリー
先述の通り、鶏むね⾁とブロッコリーの組み合わせが人気なのは、以下の理由が挙げられます。
鶏むね⾁
- ⽜⾁・豚⾁・鶏⾁の中でもっとも⾼タンパク&低糖質
ブロッコリー
- ビタミンB1、B6、Cが豊富
- 野菜の中ではタンパク質が多い
- 男性ホルモンのテストステロンが含まれる
- 有⽤成分スルフォラファンが含まれる
どれも筋トレ(ボディメイク)には欠かせない栄養成分です。これらとは反対に、筋トレ効果を下げてしまう物質も存在します。
「ミオスタチン」という物質です。
筋トレ⺠にはありがたくない物質「ミオスタチン」とは
「ミオスタチン」とは、 “筋⾁が増えすぎないように調整する物質” です。
トレーニングをすると筋⾁の細胞が成⻑しますが、同時にミオスタチンを放出します。筋⾁が付きすぎると、排⽔溝から⽔が抜けていくように、どんどん体内のエネルギーを浪費してしまいます。そこで筋⾁の細
胞は、ミオスタチンを放出することで適度な筋⾁量を保っているのです。
つまり筋⾁をムキムキに発達させるには、このミオスタチンによるブレーキに打ち勝つほどに強度なトレーニングをする必要があります。
とはいえ、高強度のトレーニングはやりきることが難しいうえ、怪我や故障の原因にも。そこで活用したいのが、ミオスタチンの発現量を減少させる「スルフォラファン」という成分です。
ブロッコリーに含まれる「スルフォラファン」がミオスタチンを減らす
冒頭にも出た「スルフォラファン」。ブロッコリーなどのアブラナ科野菜に含まれる有⽤成分です。
ファイトケミカル*の⼀種で、優れた抗酸化作⽤や解毒作⽤から、さまざまな健康作⽤の研究結果が報告されています。
*ファイトケミカル:植物に含まれる天然の化学成分の総称。トマトのリコピン、⼤⾖のイソフラボンなど。
このスルフォラファンには、ミオスタチンの発現量を減少させ、筋⾁の増加を促す作⽤を持つことが確認されています。
※ブタの筋⾁前駆細胞(筋⾁をつくる元になる細胞)の培養実験による
※グラフ出典:Zhang et al., Animals 2022;12:1365. および Epigenetics 2012; 7(12): 1379‒90. を元に村上農園が作成
ムキムキを阻害するミオスタチンを抑えることが、ボディメイク成功の鍵のひとつに繋がりそうです。
スルフォラファンを摂るには「ブロッコリーの新芽」がベスト
スルフォラファンはブロッコリーに含まれると言いましたが、残念ながらブロッコリーにはほんの少量しか含まれていません。
また、加熱すると吸収率が⼤幅に下がるため、茹でたり蒸したりするのが⼀般的なブロッコリーでは、スルフォラファンはほとんど摂取できていないのが現状です。
というわけで、スルフォラファンを摂るなら「ブロッコリーの新芽(ブロッコリースプラウト)」がおすすめです。
編集部コメント:ブロッコリースプラウトは洗わず、そのまま食べることができ、お値段も200円前後というところが気に入って毎日食べています。そのまま一掴み、ぱくっといただいています。
スルフォラファンはサプリメントじゃダメなの?
サプリメントでもスルフォラファンを摂取することはできますが、食品(ブロッコリースプラウト)で摂取した⽅が約5倍も吸収率が⾼いという調査が出ています。
市販のスルフォラファンサプリメントには、SGS(スルフォラファンの前駆体の状態)からスルフォラファンを⽣成するのに必要な酵素・ミロシナーゼが含まれていないからです。
※同量のSGSをサプリメント(ブロッコリースプラウト乾燥粉末)またはブロッコリースプラウトで摂取した時の尿中排泄量
グラフ出典:Clarke et al., J Agric Food Chem.2011; 59(20): 10955-10963. を元に村上農園が作成
ブロッコリースーパースプラウトの⾷べ⽅
⽣で⾷べる
スルフォラファンは植物細胞内で「SGS」という前駆体の状態で存在しており、このSGSからスルフォラファンを⽣成するのに必要なのが「ミロシナーゼ」という酵素です。
ミロシナーゼは熱に弱く加熱によって壊れてしまうため、⽣で⾷べることが重要です。
よく噛む
よく噛んで植物細胞を壊すことでSGSとミロシナーゼの反応が進み、スルフォラファンの吸収率が⾼まります。
⾷べる前に細かく刻んだり、他の野菜や果物と⼀緒にミキサーにかけてスムージーにするのもおすすめです。
編集部コメント:納豆に混ぜて食べることが多いです。また、サンドイッチに挟んだり、ハムで巻いたり、味の濃いお料理と一緒に食べています。
<Edit:編集部>