
ブロッコリースプラウトの栄養素と、効果的な食べ方[薬剤師監修] (1/3)
- 健康
- 2023年11月2日
スーパーでよく見かける「ブロッコリースプラウト」。体にいいイメージはあるものの、含まれている栄養素やその効果をご存知でしょうか。
栄養豊富な野菜ですが、なかでもスルフォラファンという成分が豊富に含まれており、美容やデトックスに役立ちます。
本記事では、ブロッコリースプラウトの栄養素や効果、おすすめの食べ方などをご紹介します。
ブロッコリースプラウトとは
ブロッコリースプラウトとは、ブロッコリーの種を発芽させた新芽(しんめ)の野菜です。日本では、1999年に広島県に本社を構える村上農園が初めて発売しました。
ブロッコリースプラウトには、ビタミンやミネラルなどの栄養素が豊富に含まれています。また、味にクセがなく、シャキシャキとした食感が特徴で、生で食べられます。
1パック100円程度とお手頃価格のため、今では家庭で広く食べられているのです。
カイワレ大根とは違うの?
カイワレ大根とブロッコリースプラウトは、野菜の種類が違います。カイワレ大根は大根の新芽であり、ブロッコリースプラウトはブロッコリーの新芽です。
また、ブロッコリースプラウトはクセのない味が特徴ですが、カイワレ大根はピリっとした辛さがあります。
カイワレ大根
ブロッコリーとブロッコリースプラウトの違い
ブロッコリーは、ブロッコリースプラウトが育ち、成熟したものです。
可食部も異なり、ブロッコリースプラウトは茎と葉を食べますが、ブロッコリーは花蕾(からい)と呼ばれる蕾の部分を食べます。
栄養素にも違いがあります。
可食部100gあたりのカルシウムやβ-カロテンの量は、ブロッコリースプラウトの方がブロッコリーより約3倍多く含まれています。
また、ブロッコリースプラウトの特徴的な栄養素である「スルフォラファン」(後述)については、ブロッコリースプラウトの方がブロッコリーより約10倍も多いのです。
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ブロッコリースプラウトのカロリーと栄養素
ブロッコリースプラウトのカロリーと栄養成分は以下の通りです。
ブロッコリースプラウト(可食部100gあたり)
エネルギー 18kcal
たんぱく質 1.9g
脂質 0.6g
炭水化物 2.6g
食塩相当量 0g
参考:日本食品標準成分表2020年版(八訂)
気になるスルフォラファン量ですが、村上農園のサイトによると、可食部100gあたり200mgとされています。
[お詫びと訂正:2023年10月25日]初出時、食塩相当量の数値に誤りがございました。訂正してお詫び申し上げます。
(誤)0.5g
(正)0g
ブロッコリースプラウトに含まれる栄養素「スルフォラファン」とは
ブロッコリースプラウトの最大の特徴は、スルフォラファンという栄養素を豊富に含んでいることです。
スルフォラファンは、ブロッコリーやキャベツといったアブラナ科の野菜に含まれており、抗酸化や解毒といった、体の防御機能を高める働きが知られています。
ブロッコリースプラウトを食べると、どんなメリットがある?
栄養豊富なブロッコリースプラウトを食べるとたくさんのメリットがあります。健康面や美容面、その他の面、それぞれについてご紹介します。
エネルギー消費の増加
ブロッコリースプラウトは、肥満を抑制する効果が報告されています。
脂肪細胞には、エネルギーをため込む白色細胞と、エネルギーを燃焼させる褐色細胞があり、褐色細胞の量が少ないと脂肪が燃焼されず体内に蓄積しやすくなります。
スルフォラファンは、脂肪細胞の褐色細胞化を促進し、エネルギー消費を増やす効果があることが報告されています。
メラニン色素の生成を抑える働き
ブロッコリースプラウトには、シミやそばかすを予防する効果が報告されています。スルフォラファンには、シミやそばかすの原因であるメラニン色素の生成を抑える働きがあるためです。
メラニンはチロシナーゼと呼ばれる酵素によって生成されますが、スルフォラファンはこのチロシナーゼの働きを抑制してシミやそばかすを防いでくれます。
ピロリ菌の感染予防
ブロッコリースプラウトは、ピロリ菌の感染を予防する効果があることも報告されています。スルフォラファンには抗菌作用があり、ピロリ菌の濃度が高いほどより大きな効果を発揮します。