キウイ、冷凍しても栄養は変わらない?おいしい冷凍の仕方・解凍方法 (1/2)
スーパーなどで一年中販売されていて日持ちの良いキウイですが、食べきれなかったぶんを冷凍している人も少なくないようです。
フローズンキウイはそのまま食べても、スムージーなどにしてもおいしいですよね。と、ここでギモンが。キウイは皮つきで冷凍していいのか、もしかして丸ごと冷凍できるのか。
味を損なわない冷凍方法や解凍のやり方……そもそも、冷凍したら栄養素が落ちることはないのでしょうか。
キウイの冷凍について、駒沢女子大学・人間健康学部・健康栄養学科教授の西山一朗先生に聞いてみました。
そもそものギモン! キウイは冷凍しても栄養は変わらないの?
──キウイは冷凍しても大丈夫ですか? なんとなく栄養がなくなってしまうイメージがあります。
西山先生:キウイを凍らせても、栄養の大きな損失はありません。グルコースやフルクトースなどの糖、クエン酸やキナ酸などの有機酸は、凍らせても問題ありません。抗酸化作用をもつベータカロテンやルテイン、ポリフェノールなども保たれます。
ビタミンCは酸化されやすいので、冷凍・解凍によって一部失われる可能性があります。それでもキウイは、もともとビタミンCが非常に豊富なので、ビタミンCの優れた供給源であることに変わりはありません。
グリーンキウイに豊富に含まれているアクチニジンというタンパク質分解酵素は、冷凍・解凍してもその働きが保たれます。そのため、冷凍したグリーンキウイでも消化促進効果が期待できます。
栄養素とは直接関係ありませんが、グリーンキウイ果肉の鮮やかな緑色は、解凍後時間とともに失われてくすんだ色に変化します。これは果肉に含まれる緑色のクロロフィル(葉緑素)という色素が、フェオフィチンという暗オリーブ色の色素に化学変化するためです。
一方、サンゴールドキウイの黄色やルビーレッドキウイの赤色は、冷凍・解凍してもほとんど変化せず、きれいな色が保たれます。
家でキウイを冷凍する場合、おすすめの方法は
──簡単でおすすめの冷凍方法を教えてください。
西山先生:お肉などは急速凍結で組織が保たれますが、水分の多いフルーツは一般に、組織の形や硬さを保ったまま冷凍保存することが困難です。
薄くスライスして、冷えた金属面に接触させて急速凍結しても、解凍時に離水して果肉が軟らかくなってしまいます。残念ですが、簡単で優れた冷凍方法はないと考えてください。
冷凍するときのおすすめとしては、解凍後の利用法に応じて使いやすいように、スライスにするかピューレにするかなどを決めると良いと思います。
なお、一度解凍した果実を再び凍らせると品質が落ちますので、1回に使いきれる量ごとにまとめて凍らせるのがポイントです。
皮付きで冷凍していい?
──皮はむいたほうがいいでしょうか。それとも皮付きでも構いませんか?
西山先生:ひと手間かかりますが皮をむいてから凍らせた方が、解凍後の利用がスムーズで便利です。皮むきが面倒でしたら、ハーフカットにしてスプーンで果肉をすくい取り、フリージングバッグに入れて凍らすのも一手です。
そんな時間がない場合は、キウイ果実を皮付きで丸ごと凍らせても構いません。後述するように、上手に利用する方法があります。
キウイは1個丸ごと冷凍できるの?
──キウイ(皮付き)を切らずに丸ごと冷凍するのは問題ないでしょうか。
西山先生:問題ありません。果実の熟度によっては、膨張して表面に少し亀裂が入ることがありますが、利用する上で支障はありません。
問題はどうやって皮をむくかですが、うまい方法があります。
凍った果実を室温の水に1分間ほど漬けて、表面だけを少し溶かします。そうすると手で簡単に皮がむけます。このとき、溶かしすぎると皮がむきにくくなりますので、水に長時間漬けすぎないようにご注意ください。