お風呂上がりのストレッチ、どんな効果がある?おすすめストレッチ3選
お風呂上がりのストレッチは体にいいとよくいわれていますが本当なのでしょうか。結論からいうと、答えはイエスです。
凝り固まった筋肉をほぐしてくれるのがストレッチですが、最大限の効果を発揮するには行うタイミングが重要です。お風呂上がりにストレッチをするメリットと、具体的なストレッチ方法について、ヨガインストラクター高橋かなこさんが解説します。
お風呂上がりのストレッチに期待できる効果
お風呂上がりの体が温まった状態で行うストレッチには、さまざまなメリットがあります。
疲労回復効果
心地よい温度のお湯で体を温めると、副交感神経が優位になりリラックス効果が得られます。この状態で全身の凝りをほぐすことで、体が冷えた状態で行うストレッチよりも、疲労感を和らげる効果があるとされています。
また、寝る前に行うことでその日の疲れを軽減し、次の日に疲れが残りにくくなることが期待できるため、特に朝の目覚めが悪い人におすすめです。
むくみ改善
体がむくむと、見た目に影響を及ぼしたりだるさを感じたりすることがあります。むくみは体内に余分な水分がたまることが原因とされており、その一因として「血行不良」が挙げられています。
お風呂上がりのストレッチは、この血行を改善する手助けになる可能性があります。入浴によって体を温めることで血行が良くなり、その後にストレッチを行うことで血液の循環が促進されると考えられています。
また、リンパの流れも改善されることで、不要な水分や老廃物の排出が助けられるかもしれません。
代謝アップ効果
筋肉を刺激するストレッチは、血行を促進し、基礎代謝を高める効果が期待されます。
ダイエット中の方が体を温めた状態でストレッチを行うことは、効果的なアプローチの一つかもしれません。基礎代謝が低いと、運動をしても脂肪が燃焼されにくくなります。
そのため、基礎代謝を上げることはダイエットにおいて重要なポイントとなります。
筋肉の柔軟性向上
お風呂上がりのストレッチは、筋肉の柔軟性向上に寄与することが期待されます。筋肉は温めることで伸びやすくなり、冷えると伸びにくくなるとされています。お風呂などで体を温めてからストレッチを行うことで、凝り固まった筋肉を効率的に伸ばすことが可能です。
筋肉の柔軟性が向上することで、ケガの予防やトレーニングの効率アップ、疲れにくい体作り、腰痛などの不調軽減といったさまざまなメリットを享受できるでしょう。
お風呂上がりにおすすめのストレッチ3選
具体的なストレッチ方法をご紹介します。今回お伝えするのは、夜に行うことを想定し、1日の疲れをとってリラックスできる内容です。
お風呂を出てから時間が空いてしまうと体も冷めてしまうので、30分〜45分以内には行いましょう。
首・肩まわりのストレッチ
- あぐらで座り、左手を真横に伸ばして床に置き、右手は左耳の上あたりに添える
- 頭を右に倒す
- 頭の位置を正面に戻し、両手を後頭部に添えて頭を前に倒す
- 頭の位置を正面に戻し、鎖骨に手を添えて頭を後ろに倒す
- 頭の位置を正面に戻し、両手を胸の前で組む
- 組んだ手を正面に押し出し、目線はおへそを向ける。腕で大きな風船を抱えるようなイメージで肩甲骨を外に広げる
頭に添えた手の重みで首周りの筋肉を伸ばしていきましょう。
首と肩まわりの筋肉をほぐしてリンパの流れをよくすると、顔のむくみの解消や、肩こり解消の効果が期待できます。
脚のストレッチ
タオルを準備します。
- 仰向けになって、タオルの両端を両手で持つ
- 右ひざを曲げてつま先にタオルをかける
- ゆっくり脚を天井に向かって上げてひざを伸ばす
- 左右の脚を入れ替えて(2)(3)を行う
左右30秒×2セットを目標にする
タオルがない場合
- 仰向けになって、両手を体の横に置く
- 両脚を天井に向かって伸ばす
- かかとを押し出す
- 「30秒キープ×10秒休憩」を2セット行う
もも裏とふくらはぎの筋肉を伸ばすことを目的としており、運動不足の人やデスクワークなどで長時間同じ姿勢が続きやすい人に、とくにおすすめしたいストレッチです。
「肉離れを起こしにくくなる」「下半身のだるさがなくなる」のはもちろん、「姿勢改善」「腰痛や膝痛予防」などの効果も期待できます。
また、ふくらはぎは「第二の心臓」とも呼ばれ、足の方に下がった血液を心臓へ送るための筋ポンプ作用の働きがあります。そのため、きちんとケアすることで冷えやむくみ予防にもつながるのです。
股関節のストレッチ
- 仰向けになってひざを立てる。足は腰幅程度に開く
- 右のくるぶしを左の太もも(ひざ上)に乗せる
脚は数字の4の字をイメージして組む - 両手を左のもも裏に添えて、息を吐きながら胸の方に引き寄せる
- 30秒ほどキープして、左右の脚を入れ替えて同じように行う
股関節の可動域を広げるには、股関節周りを動かして柔軟性を上げるだけでなく、お尻の筋肉を伸ばすのも大切なポイントです。
その点、このストレッチは一気に両方が叶うので、効率よく筋肉をほぐせます。
また、脚のむくみ解消にもおすすめのストレッチです。脚のつけ根には下半身のリンパが集合するリンパ節があり、この部分に老廃物がたまると下半身全体がむくみやすくなります。
つまり、ここをストレッチでほぐしてリンパの流れをよくすることで、リンパの流れがスムーズになってむくみの解消につながるのです。
股関節が硬い人は痛みを我慢して無理にストレッチするのは避けましょう。かえって体を痛めてしまう可能性があるので、ストレッチを行う際は「痛気持ちいい」ところでキープすることが大切です。
ストレッチの効果を高めるポイント
せっかくやるなら最大限に効果を発揮したいものですよね。さらに効果を高めるためのポイントをお伝えします。
湯船に浸かる
毎日時間に追われていると、ついついシャワーで済ませてしまう人も多いのではないでしょうか。
しかし、シャワーだけでは体を芯から温めるのは難しいでしょう。その点、湯船につかると全身を温めやすく、血管が拡がって血の巡りがよくなりやすいです。
また、お湯の中では浮力が働きます。これにより、常に体の重みを支えている筋肉や関節の負担が緩和され、リラックス効果が期待できます。
お湯の温度が上がり過ぎないように、40度前後を目安に保ちましょう。(温度が高いと交感神経が刺激されて、血圧が上がる可能性があるため)(※1)
入浴の前後に水分補給をする
入浴する(とくに湯船につかる)と、多くの水分が体外に排出されます。一般的には15分ほどの入浴で約800mlほどの水分は失われるといわれているため、入浴の前後にはしっかり水分補給を行いましょう。
しかし、アルコール飲料は避けてください。「お風呂上がりはキンキンに冷えたビールを飲みたい」と思う人もいるかもしれませんが、アルコールには利尿作用があるため、かえって脱水症状を後押ししてしまう可能性があります。
まずは、水や麦茶などで体内に水分を入れましょう。
お風呂上がりのストレッチで体を労わろう
今回はお風呂上がりにおすすめのストレッチについてご紹介しました。毎日入浴とストレッチに多くの時間を割くのは難しいかもしれませんが、無理のない範囲で日常に取り入れてみてください。
1回行うだけでも体が軽くなるかもしれませんが、継続することで、さらに健康的な体を目指せますよ。
監修者プロフィール
高橋かなこ(たかはしかなこ)
ヨガインストラクター
2021年よりRYT200(全米ヨガアライアンス認定)修了インストラクターとして幅広い年齢層へのクラスを開催。企業での事務経験から、デスクワークで疲れた部位や崩れた姿勢のためのレッスン組み立てを得意とする。自身のダイエット成功経験を経て、美しい体を作るためには、食と思考が大切だと痛感。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」などで、同じ悩みを持つ方に向け精力的に情報発信を行う。
<Edit:編集部>