ウェルネスフード
2024年10月7日

「玄米茶」の効果と飲むメリット。なぜダイエットや健康に役立つと言われる? (1/2)

苦みが少なく飲みやすい玄米茶。ダイエットを始め、健康や美容にメリットがあると聞きます。薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーターの山形ゆかりさんに、玄米茶の効果やおすすめの飲み方などを聞きました。

玄米茶を飲むとどんな効果が期待できる?

玄米茶を飲むことで期待できる健康メリットは、以下の3つです。

リラックス効果、集中力を高める効果

玄米茶には「GABA(Gamma-Amino Butyric Acid)」というアミノ酸が含まれます。チョコレートやココア、トマト、発芽玄米などにも含まれるGABAには、ストレスを和らげ、リラックスさせる作用があります。

なぜ「GABA(ギャバ)」を摂ると睡眠の質向上が期待できるのか?

GABAは体内に含まれると小腸で吸収され、興奮作用を持つノルアドレナリンといった神経の分泌を抑制し、副交感神経を優位にする働きをする成分です。

仕事や勉強で疲れたときに玄米茶を飲むことで、GABAの効果によってリラックスし、再度集中力を高めることができるでしょう。

TIPS:「GABAは食べ物から摂取しても脳に入っていかない」説について

アミノ酸の一種であるGABAは、口から摂取しても脳まで届かずあまり意味がないのではという説もあります。

しかし、⼈間性脳科学研究所所⻑で武蔵野学院⼤学・⼤学院教授の澤⼝俊之先生によると、最近だとそうでもないという研究が出てきたと語っています。

「GABAは、アミノ酸の一種なので脳に入っていかないという研究が多かったのですが、最近では入っていくのではないかという説が出てきています。GABAが入っている飲料を飲むとよいのではないかという研究もありますね。なので、GABAはある程度摂れば脳に入っていく可能性があります」(澤⼝先生)

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便秘解消

玄米茶の原料である玄米には、便秘解消に必要な「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」がバランスよく含まれています。

  • 水溶性食物繊維:水に溶けてゲル状になり、便を柔らかくして排泄を促す効果を持つ
  • 不要性食物繊維:腸のなかで便のかさを増すことで腸を刺激し、排便を促す効果を持つ

どちらも便秘の解消には必須ですが、水溶性食物繊維を摂り過ぎると水分量が多くなって下痢になり、不要性食物繊維を摂り過ぎると腸がつまって便秘になるリスクも。

便秘解消には、どちらかの食物繊維だけではなく、両方の食物繊維をバランスよく摂取し、腸内環境を改善しなければなりません。

そのため、両方の食物繊維を含む玄米茶を飲むことで、効果的に便秘解消が期待できるでしょう。

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生活習慣病の予防

玄米には、γ-オリザノールという成分が含まれ、肥満や糖尿病を予防する効果があるといわれています。コレステロールの吸収も抑えるため、動脈硬化や高脂血症、脂質異常症を予防する効果が期待できるでしょう。

前述したGABAにも、中性脂肪やコレステロールの増加を抑制する働きがあります。

玄米茶と煎茶、番茶は何が違う? 違いは……

玄米茶=炒った玄米+煎茶&番茶

玄米茶は、炒った玄米に、ほぼ同量の煎茶と番茶を加えることで作られます。

お茶の使用量が少ないのでカフェインの含有量が少なく、苦みも控えめであるため飲みやすいと言われています。

煎茶(せんちゃ)=緑茶の一種

煎茶は、茶葉の若葉を摘んで作られる代表的な緑茶です。茶葉を摘み取るまでは日光を浴びて育っているのも特徴のひとつでしょう。

煎茶の代表的な健康効果は、ポリフェノールのコレステロール値や血圧、血糖値を下げることによる高血圧や糖尿病の予防です。また、カテキンを豊富に含むため、免疫機能を高めてインフルエンザや風邪を予防することもできるといわれています。

番茶=硬くなった茶葉や不揃いの茶葉

番茶は、摘み残ったことにより硬くなった茶葉や、その他のお茶の製造過程で使われなかった不ぞろいの茶葉で作られるお茶です。

さっぱりとした味わいで、カフェインの含有量が少ないという特徴があります。番茶の代表的な健康効果は、カテキンによる血中コレステロール量や体脂肪の低下作用です。

玄米茶を飲みすぎると、こんなデメリットも!

玄米茶は、飲むときに一応の注意点があります。

カフェインが含まれている

緑茶や紅茶、コーヒーなどと比較すると少ないとはいえ、玄米茶にも100gあたり10mg程度のカフェインが含まれています。

夜寝る前に飲んでも寝つきが悪くなることはめったにないと言われていますが、妊娠中や授乳中、子どもは摂取量に注意しましょう。

カフェインの1日あたりの摂取目安量は、健康な成人で400mg、妊娠中の女性で300mgほど。

玄米茶だけでカフェインの摂取目安量をオーバーすることはなくても、チョコやココア、烏龍茶、コーラなど案外いろいろな食材に含まれているため、うっかり摂り過ぎないように意識する必要があります。

スポーツ時には適さない

体にいい玄米茶ですが、スポーツ時の水分補給としてゴクゴク飲むには適していません。カフェインを含むお茶には利尿作用があるため、水分を効率的に吸収できず脱水状態に陥るおそれがあります。

玄米茶に含まれるカフェイン含有量は少ないとはいえ、麦茶など、ほかにも適した水分補給ドリンクはたくさんあります。

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