
毎日飲んでるけど意味ある?野菜ジュースで“期待できる効果”と“落とし穴” (1/3)
野菜不足だからと、野菜ジュースを毎日飲んでいる人もいるかと思います。完全に野菜の代わりにはならないのは理解していても、どれくらい栄養や効果はあるのか知りたいですよね。
実は、野菜ジュースには摂りやすい栄養素や摂りづらい栄養素があります。野菜ジュースを活用するメリットについて、管理栄養士の神原李奈先生に聞きました。
野菜ジュースで野菜不足は補える? 野菜ジュースで摂取しやすい栄養素・しにくい栄養素
──もっとも気になるのが「野菜ジュースで野菜不足は補えるのか」という点。これに対して、神原先生は一定のメリットはあるものの補いきれないとしていますね。
神原先生:野菜不足を補うことはできます。しかし、ジュースからの摂取が難しい栄養素も含まれているため、野菜を食べることの代用にはなりません。
食物繊維を丸ごとジュースにするスムージーとは異なり、野菜ジュースには食物繊維が少ないのが特徴です。また、ビタミンCも製造過程で失われる可能性が高く、加工後に添加されている製品もあります。
逆に、「リコピン」や「βカロテン」は、生野菜を食べるよりも加工品の方が体内での吸収が良いので、野菜ジュースから摂ると良いでしょう。
また、鉄分やカルシウム、カリウムなども、製造過程で変化しにくい栄養素なので、野菜ジュースから手軽に摂取することも可能と言えます。
──最近は機能性表示食品などさまざまなメリットを記載した野菜ジュースが多いですが、本当にパッケージどおりの効果はあるのでしょうか?
神原先生:農林水産省や消費者庁によって、商品の表示内容に関する基準が細かく定められています。そのため、基本的には各メーカーはその表示基準に則ってパッケージに表記しています。
製品に含まれる栄養素が記載されている「栄養成分表示」ですが、栄養素によっては時間の経過とともに減ってしまうものもあるため、賞味期限内に保証できるものとなっています。
また、メーカーによっては厚生労働省が設定している一日の野菜摂取量である350gから摂れる栄養素の量を調べ、それを基準に野菜ジュースを製造しています。そのため一日分と表示していても単純に350gの野菜を使ったジュースではないものもあります。
ビタミンCなどは、製造過程や保管状況によって失われることがあるため、ゼロと表示している製品もあります。
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