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ビタミンの効果的な摂取方法とは:管理栄養士監修

 アスリートやトレーニング愛好家にとって、筋肉づくりや疲労回復に必要な栄養素の摂取は重要事項です。カラダの維持に必要不可欠な「5大栄養素」のひとつが、ご存知「ビタミン」です。

 前編で栄養素としてのビタミンの基本を理解したところで、後半はいよいよ実践編です。管理栄養士の佐藤樹里さんに効果的な摂取法やおすすめ食事メニューなどを教えていただきます。

ビタミンを摂るにはこれを食べよう!

 ビタミンのほとんどはカラダのなかではつくれないため、基本的に食物から摂らないとなりません。食品によって含まれるビタミンの種類と量は異なるので、上手に組み合わせて過不足がないよう心がけましょう。

●ビタミンを多く含む代表的な食品

(2019年における日本食品標準成分表2015年度版(七訂)のデータ更新 より作成)

ビタミン 食 品
脂溶性     ビタミン ビタミンA 豚レバー、鳥レバー、卵黄、ウナギの蒲焼、ニンジン
ビタミンD アンコウ肝、鮭、サンマ、鶏卵、白キクラゲ
ビタミンE ウナギ、ひまわり油、カボチャ、アーモンド、アボカド
ビタミンK 納豆、アシタバ、豆苗、ホウレンソウ
水溶性     ビタミン ビタミンB1 豚肉、ウナギの蒲焼、大豆、玄米 
ビタミンB2 豚レバー、牛レバー、鶏レバー、ウナギ、牛乳、納豆
ビタミンB6 牛レバー、カツオ、マグロ、鮭、バナナ、サツマイモ
ビタミンB12 牛レバー、鶏レバー、牡蠣、サンマ、アサリ、シジミ
葉酸 牛レバー、菜の花、ホウレンソウ、枝豆、ブロッコリー
ナイアシン タラコ、カツオ、マグロ赤身、サバ、豚レバー、落花生
ビオチン 魚、肉、卵、豆類、野菜など幅広く含まれている
パントテン酸 鶏レバー、豚レバー、子持ちガレイ、タラコ、納豆
ビタミンC 菜の花、赤ピーマン、ブロッコリー、柿、キウイ

 多種多様な食品から上手にビタミンを摂るコツは、

1)献立に最低でも5種類の野菜を用いる
2)1日300gの野菜を摂る。そのうち100gは緑黄色野菜を摂る

 これで1日に必要なビタミンが摂取できるといわれています。

 ただし、食品成分表の含有量は「新鮮なものに含まれる値」を示したものであり、実際の食品のビタミン含有量とは大きな開きがあります。また、水洗いや加熱などの調理によっても損失し、ビタミンCは約5割、ビタミンB1やB2は6~7割ぐらいに減ってしまうので、実際にはその差を考慮しなければなりません。

 忙しい生活を送る現代人にとって、栄養素をすべてまかなえる理想的な献立を毎日実行することはとても大変です。「今日の献立は少し◯◯が欠けるかな」と思ったら、薬やサプリメントで補給していくことも考えましょう。

アスリートに必要なビタミンはこれだ!

 ビタミンはたんぱく質とともに、筋肉や臓器などカラダの材料となります。体調を整えたり、疲労回復、免疫力を高めるためにも必要量の摂取が必要であり、運動の種類や目的によって不足しがちな種類も異なります。自分がきちんと摂るべきビタミンを確認しておきましょう。

 もちろん、基本的にはすべてのビタミンを摂取するのがベストですが、特に水溶性ビタミンは不足しがちなので、意識して適宜摂取する必要があります。水溶性ビタミンは水に出てしまうため、野菜は茹でるより生で食べると量を摂取しやすくなります。または野菜スープなどにすれば、溶出した水溶性ビタミンも美味しくいただくことができます。

 一方、脂溶性ビタミンは油で炒めたりすることで効率よく摂取できます。脂溶性のビタミンAの豊富なニンジンは野菜炒めに、水溶性のビタミンCが豊富なパプリカなどは生で食べるなど、ビタミンの特徴を考慮しながら調理すればより効率的に摂取できるはずです。

 ちなみに、ニンジンにはビタミンAそのものはほとんどありません。黄緑色野菜のなかに含まれるカルテノイドの一種、β-カロテン(プロビタミン)が消化吸収されると、小腸でビタミンAヘと変化します。そのため、β-カロテンは「ビタミンA前駆体」とも呼ばれます。このときカラダに必要な量だけ変化するので、ニンジンを大量に食べてもビタミンAの過剰症は起こりません(β-カロテンを摂りすぎると黄疸が出る場合があります)。

 アスリートが不足しがちなのが、運動を行うと消費されるビタミンB1。栄養ドリンク剤によく配合されているように疲労回復の効果があります。運動だけでなく、甘いもの(糖質)を食べすぎたりアルコールを飲みすぎても不足するので気をつけましょう。

 また、葉酸は妊活や妊娠中に必要な栄養素というイメージがありますが、実はアスリートにも大切なビタミンです。葉酸は赤血球の形成過程に大きく関わり、葉酸が不足すると巨赤芽球性貧血という貧血を起こします。アスリートはいわゆるスポーツ貧血を起こしやすい状態になるので、葉酸も意識して摂取することが必要です。今人気のプロテインバーにも含まれているものもあります。

 ビタミンB群のひとつ、ビタミンB12も赤血球をつくるのに欠かせないビタミンですが、植物性食品にはほとんど含まれていないので、動物性食品も適度に必要です。ビーガン(厳格な菜食主義)の人は注意しましょう。

アスリートにおすすめのビタミン摂取メニュー

 では管理栄養士の佐藤樹里さんに、アスリートにおすすめの食事メニューを教えてもらいましょう。

◎マラソンランナー、スイマー

[目的]持久力をつける、骨を強くする、疲労回復
[注目ビタミン]抗酸化ビタミンのビタミンA・C・E、ビタミンD
[献立例]ご飯+シチュー(鮭・ブロッコリー・ニンジン・タマネギ)+オレンジ
[ポイント]抗酸化ビタミンの豊富な緑黄色野菜をふんだんに使ったシチューに、ビタミンDが豊富な鮭を入れること。ビタミンDは日光のビタミンともいえるので、野外で走るランナーにはぜひ摂ってほしいビタミンです

◎筋トレ愛好家、ボディビルダー

[目的]筋肉を大きくする、脂肪を減らす
[注目ビタミン]ビタミンB群、ビタミンC
[献立例]ご飯+味噌汁(ネギ・アサリ)+ささみとホウレンソウのごま和え+ひじきの煮 物ミニトマト入
[ポイント]脂質を抑えて高たんぱく質、なおかつ緑黄色野菜も摂れるメニューです

◎ダイエットをしたい人

[目的]健康を維持する、老化を防ぐ、ストレスを減らす
[注目ビタミン]ビタミンB群、抗酸化ビタミンA・C・E
[献立例]ご飯+味噌汁(豆腐・ネギ)+豚肉のしょうが焼き&キャベツの千切り+アボカ ドとトマトのサラダ+キウイフルーツ
[ポイント]豚肉に含まれるビタミンB1は糖質を代謝する働きもあるので、おすすめの食材。アボカドには美容ビタミンであるビタミンEも豊富なので、ぜひ取り入れてください

サプリメントを上手に使おう

 日常の食事に気をつけていても、カラダを酷使するアスリートはどうしてもビタミンが欠乏しがち。食事で補えないものに関しては、サプリメントからも積極的にとり入れていきたいところです。

 ビタミンのサプリメントとしては錠剤のビタミン剤、滋養強壮保健薬、ドリンク剤など、さまざまな製品が販売されています。さらにビタミン剤にも「ビタミンE」や「ビタミンC」など単独のものと、数種類のビタミンを配合したマルチビタミン剤があります。

 単独のほうが1回に摂取できる量が多いので、自分が明確に足りないビタミンがわかっていて、なおかつ食事で摂り切れていないものであれば、単独ビタミンが有効です。一方、全体的にバランス良くビタミンを摂りたい場合はマルチビタミン剤をおすすめします。

 今はゼリー飲料、プロテインバーなど、さまざまなタイプの健康食品が増えてきました。製品によって配合されている成分の種類や含量が異なるので、服用前に成分表をしっかり確認しましょう。

[監修者プロフィール]
佐藤樹里(さとう・じゅり)
管理栄養士。フィットネスクラブにて水泳インストラクター兼管理栄養士として勤務後、フィリピン留学を経てカナダ・バンクーバーへ渡航。現地のブランチレストランでカナダ人のシェフと共にシェフアシスタントとして働く。帰国後はアスリート向けの食堂と老人ホーム厨房にてWワークを経てスポーツ栄養系健康会社に転職。その後、「アスドリファクトリー」代表として独立。好きな食べ物:チャーハン。趣味:チャーハンめぐり・筋トレ
【公式Twitter】https://twitter.com/jurijapan1

<Text:渡辺幸雄/Edit:京澤洋子(アート・サプライ)/Photo:Getty Images>

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