2025年4月16日

なぜガムを嚙むと「自律神経が整う」のか?幸せホルモン“セロトニン”にも影響

慣れない環境で溜まった疲れ・ストレスに、「ガムを噛むこと」が有効である。以前「ガムを噛み続けると、どんなメリットがある?ロッテの研究から分かったこと」でお伝えしたように、嚙む動きがストレス対策になるのです。

環境の変化によるストレスにも「ガム」が有効である

セロトニン神経を活性化する

「噛む」というリズム運動によりセロトニン神経が刺激され、「幸せホルモン」と呼ばれる「セロトニン」分泌が増加し、自律神経の調節、覚醒作用などにつながります。

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ストレスを軽減する

日常生活や仕事、試験期間中などにガムを噛むと、ストレスや不安感、気分の落ち込みを低減する作用などが報告されています。

自律神経を整える

ガム咀嚼を2週間継続することで、自律神経バランス・気分状態を改善することが確認されました。

ロッテは、順天堂大学の小林弘幸教授、医療法人社団順幸会小林メディカルクリニック東京(理事長:小林暁子氏)と共同で、継続的なガム咀嚼に関する研究を実施。

研究結果によれば、ガム咀嚼を2週間継続することにより、自律神経や気分状態が改善。さらには、唾液中の免疫グロブリンA(IgA:様々な病原体に対する生体防御機構の最前線として役割を果たす免疫物質)濃度が増加することを確認したといいます。

<研究結果概要>
【掲載紙】薬理と治療(2022年50巻6号、1049-1054)
タイトル:ガム継続摂取による免疫および自律神経、ストレスへの影響 - オープンランダム化並行群間比較試験 -
著者:菅野範、松井美咲、大澤謙二、小林暁子、小林弘幸

「噛む」だけならグミでもいい?

ということは、スルメやグミも「繰り返し嚙む」行為を行うため、ガムでなくてもいいのでは?

ガムを噛むと、どんなメリットがある?飲み込むのはダメ?ロッテに聞いてみた」によると、1回5~10分ほど噛み続ける必要があるため、やはりガムが最適とのこと。

グミやスルメじゃダメということはありませんが、ガムの研究では、作業中に噛み続けたり、1回5~10分ほど噛んだりと、効果を得るのにある程度長い時間の咀嚼が必要となります。

ガムは噛み続けられることが特徴の食品ですが、他の食品ですと噛み続けるためには量を食べる必要がありますので、カロリー摂取が多くなってしまうことが考えられます。

また、ガムは無糖の製品もありますので、むし歯のリスクも下げられますが、糖を含む食品ですとむし歯の心配も出てくるかと思います。

さらに、ガムを噛むことで唾液がたくさん出てきます。唾液には口の中を清潔に保つ機能がありますので、日常からガムを噛んで唾液を出すことはおすすめです(株式会社ロッテ 中央研究所 噛むこと研究部 チーフスペシャリスト・菅野範さん)

たしかにグミやスルメは飲み込んでしまうので、味がなくなっても嚙み続けられるガムがよさそうですね。

<Edit:編集部>