
初心者必見!ラットプルダウンの落とし穴と背中に効かせるコツをプロが伝授
背中を鍛えられるマシン「ラットプルダウン」。トレーニングジムでよく見かけるマシンのひとつですが、正しいフォームで行わないと背中に効かせられません。
背中に効かせるコツについて、プロアスリートのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当する、和田拓巳トレーナーが解説します。
「あーやっちゃてた…」と最初は誰しもがやってしまう勘違いフォームも…初心者必見です。
ラットプルダウンを効果的に行うためのポイント
肩甲骨を下げ、胸を張る姿勢を保つ
意識したいのが、「肩甲骨を下げる」こと。背中で引く意識を持ち、広背筋に効かせることがとても重要です。
肩甲骨が上がったままバーを引っ張っても、広背筋には効きづらくなります。動作中は常に肩甲骨を下げ、胸を張るような姿勢を保つようにしましょう。
肘を脇腹につける意識で引く
バーを下げるという意識が強すぎると、どうしても腕で引っ張ってしまう傾向があります。
よく「肩甲骨を寄せるように」という動作のコツを目にしますが、肩甲骨を寄せることを意識してしまうと、肩がすくんで肩甲骨が上がってしまう人は多いかもしれません。
そんなときは、「肘」を意識してみましょう。肘を脇腹につける意識で肩甲骨を寄せてみてください。バーはあくまでも肘を曲げた結果、下に降りてきているというようなイメージで動作を行います。
そうすると腕に余計な力が入らず、背中を使った動作を行うことができるはずです。
グリップは小指側を強く握る
腕を使わないようにするためには、グリップの握り方がポイントです。
手のひら全体で力強く握るのではなく、小指側で強く握り、親指・人差し指側はあまり力を入れずひっかける程度の意識でグリップを握って動作してみてください。親指を外すサムレスグリップでもいいでしょう。
そうすることで腕への刺激が少なくなり、より背中を意識できるようになるはずです。
上体を大きく後ろに倒すのは、上級者向け
初心者に限らずよく見るのが、上体を大きく後ろに倒したり、反動を使って後ろにカラダを倒しながらバーを引く動作です。間違いではありませんが、あくまでもラストスパートで追い込むときのやり方です。
このような動作を行う場合、正しいフォームでは持ち上がらない高重量を使っていることがほとんどです。反動を使って重い重量を持ち上げたところで、背中にかかる負荷はそれほど多くありません。
逆に、セットの最後で正しいフォームで続けられなくなったときに、チーティング(本来負荷をかけて鍛えるべき筋肉以外の筋肉を使う)として、2~3回行うのならそれもいいでしょう。
著者プロフィール
和田拓巳(わだ・たくみ)
プロスポーツトレーナー歴16年。プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療院での治療サポートの経験もあり、ケガの知識も豊富でリハビリ指導も行っている。スポーツ系専門学校での講師や健康・スポーツ・トレーニングに関する講演会・講習会の講師経験も多数。そのほか、テレビや雑誌でも出演・トレーニング監修を行う。日本トレーニング指導者協会JATI-ATI。
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<Text:和田拓巳>