懸垂
フィットネス
2025年8月13日

細マッチョを目指すなら、懸垂だけで十分?本当なのか、スポーツ整形外科医に聞いた (1/2)

筋トレ上級者が「上半身のスクワット」とまで評価するほど、上半身を効果的に鍛えられる「懸垂」。

やれば「腕や背中が大きく変わる」「細マッチョになれる」という声もあるけど、果たして本当に「懸垂だけで細マッチョの体をつくれるのか?」。スポーツ整形外科医・樋口 直彦先生に聞きました。

懸垂だけで細マッチョになれますか?

答えてくれたのは…なか整形外科京都西院リハビリテーションクリニックのスポーツ整形外科医・樋口 直彦先生。プロスポーツのチームドクターを務め、骨折治療をはじめ関節外科、スポーツ整形外科を専門に治療。

樋口先生「細マッチョ体型というのは、広がった背中、引き締まった腕、メリハリのある上半身をイメージされることが多いと思います。その点では懸垂だけでも『近づける』ことは可能です。特に今まで運動をしていなかった方にとっては、明確な変化が出やすいでしょう」

「ただし、長期的に見れば『懸垂だけ』ではどうしても刺激が偏ってきます。下半身を含めた全身のバランスや、より細かい筋肉の発達を考えると、いずれは他の種目との組み合わせも必要になります」

懸垂は広背筋+上腕+体幹に効く、効率的なトレーニング

懸垂は、筋トレの中でも非常に効率のいい種目。特に広背筋、上腕二頭筋、僧帽筋、三角筋後部など、上半身を構成する大きな筋肉が同時に鍛えられます。さらに、正しいフォームで行えば体幹の安定性も求められるので、腹筋や腰回りにも刺激が入るのが特徴です。

そして、自分の体重を使って鍛える自重トレーニングの中でも、懸垂は強度が高め。その分、1セット5〜10回でも十分に効果を感じられる種目です。筋トレ初心者でも『筋肉痛』というわかりやすい体の反応が出やすいため、継続のモチベーションにもつながりやすいです。

継続とフォーム次第で身体は変わる

懸垂の効果をしっかり出すには、フォームが重要です。特に初心者に多いのが、反動を使って勢いで引き上げてしまうケース。肩甲骨をしっかり下げて、背中の筋肉で体を引く意識が持てるようになると、見た目にも変化が現れてきます。

週2〜3回でも継続できれば、3ヶ月もすれば『背中の厚み』や『腕の張り』に変化を感じられるはずです。

懸垂(チンニング)の効果と正しいやり方、できない人の練習方法

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