2025年11月13日

高血圧の人が毎日コーヒーを飲む「意外なメリット」とは?

寒さが厳しくなるこれからの季節は、血管トラブルが急増する時期です。

気温の低下によって血管が収縮し、血圧が上がりやすくなるため、特に11月から4月にかけては「ヒートショック」と呼ばれる血圧変動による疾患が多く発生します。

高齢者や高血圧・糖尿病などの基礎疾患を持つ人は特に注意が必要です。

コーヒーに含まれる「コーヒーポリフェノール」に注目

近年の研究では、コーヒーに含まれる「クロロゲン酸」を中心とした「コーヒーポリフェノール」が、血管を守る働きを持つことが分かってきました。

高血圧と診断された人のうち、毎日コーヒーを飲む習慣がある人は、飲まない人に比べて血管機能が良好であるという調査結果もあります。

ポリフェノールは赤ワインや緑茶にも含まれますが、コーヒーからも同程度の量を摂取することが可能です。赤ワインよりも手軽に続けやすいことから、日常的な健康習慣としてコーヒーが注目されています。

「コーヒーポリフェノール」の2つの働き

●抗酸化作用
 代謝の過程で生じる活性酸素は、細胞を傷つけ、動脈硬化など生活習慣病の原因になることがあります。コーヒーポリフェノールはこの酸化を防ぎ、血管を若々しく保つ助けになります。

●コレステロール排出促進
 LDL(悪玉)とHDL(善玉)コレステロールのバランスが乱れると動脈硬化が進みます。コーヒーポリフェノールには、血管内に蓄積したコレステロールを排出しやすくする働きがあることも分かっています。

内科医・秋津先生が教える、血圧に良い飲み方のポイント

秋津医院院長で内科専門医の秋津壽男先生は、コーヒーの飲み方を次のように勧めています。

就寝3〜4時間前までに飲む
カフェインには覚醒作用があるため、寝る直前の摂取は控えるのが安心です。眠りに影響が出やすい人は、時間を調整して飲むとよいでしょう。

朝や仕事の合間にこまめに飲む
一度に多く飲むよりも、朝食時や仕事の休憩時間に少量ずつ飲むのがおすすめです。集中力の切り替えにも役立ちます。

お菓子と一緒に適度な糖分補給
クッキーやチョコレートなど、個包装のお菓子を添えると満足感が得られ、食べすぎ防止にもつながります。

プロフィール

秋津壽男先生

秋津医院院長、日本内科学会認定総合内科専門医、日本循環器学会認定循環器専門医、日本医師会公認スポーツドクター。1954年和歌山県生まれ、1986年に和歌山県立医科大学医学部を卒業後循環器内科に入局し、東京労災病院などで臨床経験を積み、1998年に東京都品川区・戸越銀座で秋津医院を開業。内科・循環器を中心に、地域の一次医療を担う総合内科医として幅広い症状に対応し、丁寧な説明と診療姿勢に定評がある。著書に「放っておくとこわい症状大全(ダイヤモンド社)」「病気にならない新常識(法研)」など。

<Edit:編集部>