2026年9月11日

アスリートは引退後どう生きる?TRFのSAMが語った「ダンサーのその先」と、D.LEAGUE新チーム『BREXA EDGE』の“新たな挑戦”

プロダンスチーム『BREXA EDGE(ブレクサ エッジ)』のお披露目と、プロアスリートのキャリア形成を支援する新制度の記者発表会が9月9日、東京・渋谷のPBOX STNDで開催された。

人材サービスを手がけるBREXA Holdingsが、D.LEAGUEへの参入にあわせて始動したこのチーム。会場では、公開オーディションを経て選ばれた16人のメンバーが初パフォーマンスを披露したほか、ダンス&ボーカルグループTRFのSAMさんを迎えたトークセッションも行われた。

新プロダンスチーム『BREXA EDGE』、全国から選ばれた16人が登場

全国オーディションから選ばれた16人

BREXAEDGE

BREXA EDGEは、「ダンサーの可能性をその先へ」を掲げるプロダンスチーム。今年3月から5月にかけて実施した全国オーディションには139人が応募し、その中から初代メンバー16人が選出された。

チーム名の『EDGE』には、ダンス業界にあるさまざまな境界をなくすこと、そして新たな領域を切り拓く刃のような存在になること、2つの思いが込められているという。

ダンスだけでなく、音楽・ファッションも横断するチームへ

チームディレクターには、30年以上にわたりダンスシーンで活躍するakihic☆彡さんが就任。ダンスに加え、音楽やファッションとも横断的に関わりながら、チームの世界観を発信していく。

akihic☆彡

この日、16人のメンバーは初のダンスパフォーマンスを披露。SAMさんは「メンバーがソロで踊る姿からも、これからD.LEAGUEで戦っていこうという気持ちが伝わってきた」とエールを送った。

BREXAEDGEダンスシーン

ダンスを続けながら、将来の選択肢も広げる。プロアスリートを対象とした育成制度とは

発表会では、プロアスリートを対象とした育成制度『BREXA アカデミー for Explorer』も発表された。

同制度では、競技活動と並行しながら、ITやグラフィックデザインなどの専門スキルをはじめ、AIリテラシー、ビジネスマナー、キャリアデザインなどを学ぶことができる。

ダンサーにはスタジオ講師や振付師、プロデューサーなどへ活動の幅を広げる道がある一方、現役引退後の働き方に不安を抱える人も少なくない。まずはBREXA EDGEの希望メンバーからスタートし、将来的にはプロアスリートやプロを目指す選手にも制度を広げていく予定だという。

「ダンサーのスキルアップはなかなか難しく、出口も少ない」SAMさんが語るダンサーのキャリア問題

SAMさんは、ダンサーが培ってきた力について、“壁を乗り越える力”や仲間と作品をつくる中で身につく“協調性”を挙げた。そのうえで「ダンサーのスキルアップはなかなか難しく、出口も少ない中で、自分はどこを目指していくかを若いダンサーたちには考えてほしい」と語った。

「ダンスだけやっていればいい」「どちらか一つのキャリアしか選べない」メンバーの葛藤

BREXA アカデミー for Explorer (2)

制度への参加を希望するメンバー2人も登壇した。16歳のメンバー柚乃さん(中央・写真右)は「今までダンスだけやっていればいいと思っていた」と明かし、「ダンスで培った行動力や粘り強さが、今後学ぶ上で最大の武器になると思った」とコメント。

雛さん(中央・写真左)は、ダンサーとしての夢を追うことと社会人として働くことは「どちらか一つしか選べないと思っていた」と語り、以前から興味のあったグラフィックデザインを学びたいと笑顔を見せた。

SAMさんは、若い段階から将来を見据えて学べる環境に「めちゃくちゃ恵まれた環境にいるってことを忘れずに。本当に羨ましいです」と笑顔。10年後、その先の自分を思い描きながら、さまざまなことを吸収してほしいとメンバーにメッセージを送った。

ダンスに打ち込みながら、次のキャリアに向けた学びも重ねていくBREXA EDGE。D.LEAGUEで魅せるパフォーマンスとともに、メンバーそれぞれの挑戦にも注目が集まりそうだ。

発表会終了後、BREXA Holdingsの山﨑高之社長に個別取材を実施。同制度を立ち上げた背景や、アスリートのセカンドキャリアに対する思いを聞いた。

プロダンサーのキャリア形成に着目した理由

アスリートのセカンドキャリアが課題となる中で、なぜ“プロダンサー”のキャリア形成に着目したのか。そこには、若い世代への認知を高めたいという狙いがある。山﨑社長は「10代・20代という、我々がターゲットにしている世代に届きやすい」と説明した。「D.LEAGUEはまだ生まれて間もないリーグで、これからリーグをつくっていく段階です。BREXAもこれからブランドをつくっていくフェーズなので、そこが同じだと感じました」。

ダンサーやアスリートが「社会に出るときに必要な力」とは

ダンサーやアスリートが社会に出るうえで必要な力として、山﨑社長はコンプライアンス意識とコミュニケーションスキルを挙げた。「チームで音楽や作品をつくっていくには、自分の考えを正しく伝えること、そして相手の意見を受け入れることが必要です。そのうえで、チームとして一つの結論を出していく。議論する力や、相手を説得する力も大切になります」。

こうした力は、ビジネスの世界だけで求められるものではない。チームで一つのパフォーマンスをつくり上げるダンサーや、周囲と連携しながら競技に取り組むアスリートにとっても、日々の活動の中で培われていく力だ。

採用側にも変化が必要。経験だけでなく、内面にも目を向ける

山﨑社長は、企業側の採用にも変化が必要だと指摘する。経験や専門スキルだけを重視するのではなく、努力を続ける姿勢や協調性といったソフトスキルにも目を向けるべきだと述べた。

「スキルや経験は、働き始めて1~2年経てば身につくこともあります。一方で、努力する力や協調性は簡単には身につかない。私の感覚では、採用は6〜7割をソフトスキル、3〜4割を知識や経験で見てもいいのではないかと思います」

将来はダンサー以外のアスリートにも本活動を広げたい

今後はダンサーに限らず、サッカーやバスケットボール、バレーボールなど、プロを目指すアスリートにも育成制度を広げていくことも視野に入れる。

競技を続けながら、その先のキャリアにも備える。BREXA EDGEのメンバーたちの挑戦が、「踊り続けること」と「将来に備えること」を両立する、新たなキャリアモデルとなるのか注目したい。

<Text & Photo:MELOS編集部、オフィシャル素材>