野球の技術よりも、おもしろさを伝えるスクールにしたい。King Effect増渕竜義氏(後編)【元プロアスリートに学ぶ、ビジネスの決断力 #2】 (1/2)
27歳の若さでプロ野球界から引退し、起業した増渕竜義氏。数ある野球関連業の中から、なぜ野球スクール運営を選んだのか? 後編では、増渕氏が立ち上げたKing Effectのこれからの展望や、野球スクールにかける想いについて紹介していきます。
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20代で現役を引退し、野球スクールを運営。King Effect増渕竜義氏(前編)【元プロアスリートに学ぶ、ビジネスの決断力 #2】 | ビジネス×スポーツ『MELOS』
―― 会社を立ち上げて、まず着手したのが野球スクールの運営ですが、なぜスクールだったのでしょう。
野球人口は年々減っているわけですが、それは単純に子どもの数が少ないからではなく、子どもが自由に野球を楽しめる環境がなくなったからだと思っています。我々が子どもの頃は、学校が終わると公園に集まって野球するのが当たり前でしたが、今は公園内でバットを振ってはいけないとか、ボールを使った遊びをしてはいけないといったように、野球ができる環境自体がなくなってしまっています。そこで私は、スクールを通して多くの子どもたちに野球のおもしろさや素晴らしさを伝えたいという気持ちから開校を決めました。
―― 高い技術を身につけたい方限定の、本格野球指導みたいな感じではないと。
確かに、元プロが教えるというとことで、本格的なレッスンを期待される方も多いと思いますが、私はスパルタ的な指導はしたくありません。野球を好きになってもらうために始めたのに、キツいだけでおもしろくないからもう辞めたいと思わせてしまったら、開校した意味がありませんからね。
とはいえ、上手くなりたいと思って練習している子には、ちゃんとした技術トレーニングを施しています。でも、嫌いな練習を無理矢理やらせるようなことは絶対にしません。まず子どもたちに、どんな選手になりたいか、どんなプレイができるようになりたいのかを聞き、その上で理想を叶えるためにはどんな練習をすればいいのかについても考えさせるということから始めています。
勉強もそうですよね。嫌いな科目を無理矢理勉強させられたところで、頭に入るわけがありません。好きな科目を自主的に勉強する方が伸びますよね。つまりそういった原理です。
―― 子どもたちの反応はいかがですか?