二の腕にもっとも効く「腕立て伏せフォーム」はどれ? 種類別に効果を比較 (1/2)
腕立て伏せ(プッシュアップ)は、自重を使って上半身を鍛える筋トレのひとつです。
腕や肩の筋肉を鍛えるイメージが強いかもしれませんが、体幹やインナーマッスルを鍛える効果もあります。さらには心血管の健康にもメリットがあるということが、いくつかの研究で明らかになりました(注1)。
大胸筋や二の腕を鍛えるだけじゃない! 腕立て伏せがもたらす健康効果
筋トレには心血管疾患リスクを低下させることが、いくつかの研究で証明されています。
そのひとつとして、腕立て伏せができる回数と心血間健康の関連について、ハーバード大学が中心となり大規模かつ長期的な研究が行われました(注1)。
合計1104人の健康な中年男性を被験者として、腕立て伏せが可能な回数と10年後の健康リスクを解析したものです。
研究によれば、40回以上の腕立て伏せを行うことができる男性は、10回以下しかできない男性に比べて心血間疾患リスクが96%低くなることがわかりました。
腕立て伏せは、毎日やっても効果は停滞する
心血間疾患リスクの低下を狙って、では毎日やってやろう! と意気込む人もいるかもしれません。
腕立て伏せは自宅で簡単にでき、筋力強化やボディメイクに効果的な自重トレーニングです。やろうと思えば毎日取り組むことができるでしょう。
しかしやり過ぎは禁物です。
筋肉への負荷は少なくなっていく
「○○日チャレンジ」と称して、腕立て伏せの回数を毎日増やしていくプログラムを目にすることもあります。
企画としてはおもしろいのですが、毎日腕立て伏せを続けていくと、必ず飽きてしまい、停滞期がやってくるものです。
こなせる回数とかかる時間だけが長くなっていき、肝心の筋肉への負荷は少なくなってしまいます。筋肥大どころか、手首や肘などの関節に慢性疲労が溜まり、身体の故障を招くおそれもあるでしょう。
他のエクササイズと組み合わせて行おう
腕立て伏せだけに限ったことではありませんが、ひとつの同じ動作を毎日繰り返すことは、あまりよい結果をもたらしません。
腕立て伏せを行うのは隔日程度に留めて、他のエクササイズと組み合わせることをおすすめします。
二の腕に効く腕立て伏せのフォームはどれ? 種類別に効果を比較
2015年に発表された研究(注2)では、8人の男性に以下の腕立て伏せを行ってもらい、それぞれのフォームがどの筋肉群に影響するか調べました。
ノーマルプッシュアップ
両手を肩幅の広さに置き、肘を伸ばした体勢のまま、まっすぐに上体を下ろします。これは、もっとも基本的な腕立て伏せの姿勢です。
頭・背中・お尻・つま先まで1本の棒になったような意識で、一直線にキープしましょう。
その後、胸が地面につくまで下げてください。腰を曲げないように注意しましょう。