ヨガの瞑想効果とやり方。初心者は「1日5分の腹式呼吸」がおすすめ
大人の習い事として人気のヨガ。健康や美容に関心の高い女性だけでなく、男性からのニーズも高まっています。そんなヨガの気になるギモンや悩みをピックアップし、専門家にぶつける本企画。
今回は、ヨガにおける「瞑想(メディテーション)」について、ホットヨガスタジオLAVAが運営する、全米ヨガアライアンス認定アカデミーFIRSTSHIPの講師リーダー兼スタジオディレクターの藤井誠さんに聞いてみました。
マインドフルネスの人気の高まりでさらに注目を集めている「瞑想」は、どんな効果や変化が期待できるのでしょうか。ヨガ初心者でも家でできるやり方や呼吸法なども解説しています。
Q. ヨガでは「瞑想」が大事だと聞きますが、いまいちピンときません。ヨガにおける瞑想で期待できる効果と、初心者でも家でできる瞑想の練習方法を教えてください。
A.瞑想は、マインドを鎮め、神経系のバランスを整え、心にゆとりをもたらしてくれます。1日5分の腹式呼吸から始めてみましょう。
私たちが瞑想を行う意義とはなんでしょうか? 目的を達成するため、パフォーマンスを上げるためなどさまざまな動機があるようですが、最近、瞑想がヨガのポーズの練習と同じくらいポピュラーになりつつありますね。古くからあるヨガの伝統的な文献によると、ヨガの目的とは、“波のように揺れる、あるいは暴れ馬のように手に負えない心を鎮めるためである”と定義しています。
ヨガにおいては、心を鎮めるステップを8つの段階に分けています。最初に、ヨガ的なライフスタイルの基盤があり、その次にカラダに関する注意や意識を向ける方法としてアーサナ(ポーズ)が存在し、瞑想はさらにその先の7番目のステップです。
瞑想とは、“掴みどころのない心を、手の平に乗せて超然と眺めている状態”を指します。心は具体性に乏しく、抽象的であるために、多くの人にとってはカラダから心にアプローチする方法、つまりポーズの方が取り組みやすいようです。
私たち人間は、マインド(心)をフル活動させて生きています。良し悪しの判断や結果を迅速に求めて、頭では常に戦略を立て、戦闘準備OKの状態なわけですから、交感神経が過剰に優位になりやすいのです。結果に重きを置くようになると、すべての体験を勝ち負けや損得で判断してしまい、人生のプロセスを深く味わうという機会を、多くの人々が失っているように見えます。そんなときに役立つのが瞑想です。
瞑想は、マインドを鎮め、神経系のバランスを整え、心にゆとりをもたらしてくれます。私たちが自然体でくつろいでいられると、本当に必要な物事は浮き彫りとなり、不要な物事は容易に手放すことができるのです。この時点で、問題解決型や目標達成型でない、真の自己実現法を見出すことができます。
ただ、瞑想をしたくても、特に初心者の場合、じっと座ってしているのがつらく感じるかもしれませんね。そんな方には、1日5分程度の腹式呼吸をおすすめします。
座禅のように足を組んで床に座る必要がなく、椅子やソファーの上でもできます。慣れてきたら、自然な呼吸に意識を向けながら1分間座ってみてください。5分、10分と瞑想する時間を少しずつ増やしてみると、無理なくステップアップできますよ。
それでもうまくいかなければ、ぜひヨガのレッスンを受けて、まずは自分のカラダと呼吸を繋げて瞑想できる準備をしましょう。
[監修者プロフィール]
藤井誠(ふじい・まこと)
ヨガスクールFIRSTSHIPの講師リーダー兼スタジオディレクター。ヨガ哲学や解剖学に基づき、呼吸や瞑想に重きをおいたヨガの指導を得意とする。豊富な知識と経験に裏づけされた指導に定評があり、多数のイベント出演、メディア露出経験がある。全米ヨガアライアンス上位資格E-RYT500、継続教育指導資格YACEPを保持し、著作に、ヨガ専門書としては破格の3万部売れたヨガポーズ傑作集「ヨガポーズパーフェクトバイブル(ナツメ社)」他がある。
[記事協力]
株式会社LAVA International
公式サイト https://lava-intl.co.jp/
<Text:編集部>