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2017年9月5日

かけっこが速くなりたい小学生が集合!新豊洲で「かけっこ教室」が開催

 どうしたら、もっと速く走れるようになるのかな―――。全国の小学生が抱く、そんな疑問にズバリ答える「夏休み親子スポーツ教室」(EPARKスポーツ主催)が31日、新豊洲Brilliaランニングスタジアムで開催されました。「お子さんのかけっこが速くなるコツを教えます!」と題された本イベント。どんなコツが披露されたのでしょうか。

▲かけっこ教室が開催された、新豊洲Brilliaランニングスタジアム

走ることは弾むこと

 前夜から降り続く雨の影響もあり、前日に比べて気温がグンと下がったこの日。生憎の空模様にはなりましたが、朝早くから傘をさした多くの親子連れが会場を訪れました。今回のかけっこ教室は、元400mハードルの選手である為末大さんが創設したTRACチームが監修しています。当日は大西正裕氏らコーチ3名により、かけっこの秘訣が明かされました。

▲まずは準備体操、そこでやったことは?

 まずは準備体操。伸脚、前屈、わき腹の伸ばしなどは、すべて「8844221111体操」で行われました。これは片方をイチ、ニ、サン、シ、ゴ...と8呼間で伸ばしたら、もう片方を同じ8呼間だけ伸ばし、以後は交互に4、4、2、2、1、1、1、1と短くしていくもの。最後のイチ、イチ、イチ、イチで毎回、子どもたちの笑顔が弾けます。ちなみにTRACには三原則が定められているそうで、そのひとつは「“夢中”はずっと続く」。彼らは、子どもの夢中を引き出す術も心得ているようでした。

▲体操で、みんなが笑顔に。冒頭から子どもの夢中を引き出します

 準備体操が終わると2人1組に。そこで子どもたちに課せられたのは、じゃんけんをして負けた方が、勝った方の指しだす手の高さまでジャンプするというトレーニングでした。TRAC三原則のひとつには「走ることは弾むこと」とあり、この日の教室でもジャンプにメソッドの重きが置かれているようでした。

▲じゃんけんをして負けた方が、勝った方の指しだす手の高さまでジャンプするトレーニング

 ここでコーチから「着地するときに足の裏をベタっと全部着けないように」とアドバイスがありました。つま先で飛んで、つま先で着地するのが大事とのこと。ところで、飛ぶことと速く走ることは関係があるのでしょうか。コーチはジャマイカのウサイン・ボルト選手を例に出して「彼は短距離走のストライド(1歩の幅)で3m近くも飛びます」と説明。参加者のお子さん2人に寝そべってもらい、みんなでその長さを確認します。「こんなに飛ぶの?」と不思議がる子どもたち。速く走るためにはジャンプ力が必要なんだ、といった気付きにつなげました。

▲2人に寝そべってもらい、ウサイン・ボルト選手が短距離走の1歩で飛ぶ長さを確認

 ここで「走るときに一番大事にしたいのは姿勢です」とコーチの言葉。その理由として、姿勢を良くすればジャンプのバネが利用できるようになり、速く走れるようになると説明しました。

速く、高く!

 では、どのようなイメージで正しい姿勢を保てば良いのでしょうか。それには、気をつけの姿勢から拳の2個分だけつま先を開き、頭から焼き鳥の串を挿したところを想像すると良いそうです。

▲コーチと一緒に、頭から焼き鳥の串を挿したところを想像する子どもたち

 正しい姿勢で走ることを最終目標に、まずは正しい姿勢で速く歩くことから始めました。速く歩こうとすると、どうしても頭が前に出てくるので要注意とのこと。姿勢を崩さないように、頭の位置がブレないように気を付けながら、トラックを往復しました。

▲まずは、正しい姿勢で速歩きすることから始めました

 続いて行ったのはスキップ走。ここで気を付けたのは、足と腕を大きく動かすことでした。やはり、頭の位置がグラグラしないように注意します。そして「目線が地面に行かないように、常に真正面を向いて姿勢正しく。笑顔も忘れないで!」とコーチ。その後で、今度は高くジャンプすることを心がけてスキップ走を行いました。「空中で止まるくらい高く!マリオがジャンプするときのように腕を使って」とアドバイスが飛び交います。

▲高くジャンプすることを心がけてスキップ。腕を使うのがポイントとのことでした

 スキップ走の仕上げとして、2つのパイロンの間をどれだけ少ない歩数でスキップできるかが課せられました。スタートラインを下げ、助走をつけることが許されます。コーチからは「スキップしたときに、地面を蹴った足で地上のサッカーボールを蹴る想像をしてみてください」とヒントが出ます。これでスキップ走によるトレーニングも終了しました。

スタートも練習

 走力を上げるためには良いスタートを切る必要がある、ということでスタートの仕方についてもレクチャーがありました。片膝をついたときに、膝ともう片方の足の内くるぶしが同じ位置にくるようにします。このとき拳が入るくらいのスペースをつくるのが理想。そのまま立ち上がり、前傾姿勢でつま先に体重をかけるわけですが、お尻が出ないように注意して、足から背中までが一直線になるようなイメージを抱くと良いようです。

▲スタートの仕方についてもレクチャー。この段階になると、子どもたちの表情も真剣そのもの

ウサイン・ボルトに挑戦!

 総仕上げとして、これまで教わったことを思い出しながらの全力走が課せられます。ウサイン・ボルト選手が1秒で駆け抜ける距離がトラック上に赤いコーンで示されると、この間を2秒で駆け抜けるという目標が示されました。コーチのアドバイスの甲斐もあり、何往復かの後に1秒90で駆け抜ける組が出てきたところで終了。最後に「1日練習しただけでは、足は速くなりません。今日習ったことを忘れずに毎日練習してください。運動会に向けて頑張ってくださいね」と労いの言葉があり、イベントは無事に終了しました。

<Text & Photo:近藤謙太郎>

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