スーパーにあるブロッコリーの選び方。つぼみが紫色のものは即買い!
ブロッコリーの旬は11月頃から春先の3月頃までですが、うれしいことに通年で流通しています。
スーパーでおいしいブロッコリーを選ぶ際の見分け方やチェックポイントを、東京慈恵会医科大学付属病院栄養部に所属し、健康・栄養本の監修をつとめる管理栄養士の赤石定典さんの回答をもとに振り返っていきましょう。
おいしいブロッコリーの選び方
「つぼみが密でまん中が盛り上がっているもの。それと、つぼみが紫色になっているブロッコリーを見つけたら即買い必須です。これはポリフェノールのひとつアントシアニンが含まれている証で、栄養、味ともにお得です」(赤石さん)
つぼみが紫色のものはポリフェノールだったのですね! アントシアニンについては脂肪の蓄積を防ぐ作用が期待されています。
「アントシアニン」はポリフェノールの一種です。ポリフェノールは自然界に数多く存在する化合物で、抗酸化作用があります。
アントシアニンに期待できる効果が、脂肪の蓄積を防ぐこと。研究ではアントシアニンを混ぜた餌を食べたマウスのほうが、混ぜていないマウスに比べて脂肪の合成量や内臓脂肪の蓄積、血中脂肪の蓄積などが抑えられたという結果が出ています。また、長期間アントシアニンを摂取していた人たちは体重の減少が見られたという研究もあり、数あるポリフェノールの中でもアントシアニンがもっとも効果が高かったという報告もあります。
アントシアニンの多く含まれる食品は、ブルーベリーやカシス、ナス、ぶどうといった紫色の食べ物。
最近の研究では、ポリフェノールが筋肉量を増やす効果が期待できるという発表もあります。
ブロッコリーの保存方法、コツは「ブランチング」
「日に日にビタミンCが失われるので、保存する場合は、ブランチングしてからの冷凍保存がお勧めです」(赤石さん)
ブランチングとは、野菜を冷凍保存する際に行なう加熱処理のこと。ポイントは固めに茹でることです。
なお、ブロッコリーに含まれるビタミンCは水に溶けやすい水溶性。茹でたり、流水で洗いすぎると損失しやすい栄養素です。できるだけ損ないたくない場合は、電子レンジでの加熱が手軽でオススメです。
600Wの電子レンジなら、100gにつき1分30秒〜2分でOK。また、普通サイズのブロッコリー1株(200g)なら3〜4分が目安です。
◎水溶性ビタミン
ビタミンB群(ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB6、葉酸、ビタミンB12、ビオチン、パントテン酸)、ビタミンC
水溶性ビタミンは水に溶けやすいのが特徴。調理の際に水で洗ったり、水に浸けるだけで流れ出ていってしまいます。摂りすぎても尿と一緒に排泄され、たとえば、ビタミンCの体内滞在時間は1~2時間、ビタミンB群は3時間です。
そのため、多めに摂っても、脂溶性ビタミンのように過剰症を必要以上に心配することはありません。しかし、熱に弱く加熱すると壊れてしまうので、不足がちになりやすいのが欠点です。
[監修者プロフィール]
赤石定典(あかいし・さだのり)
管理栄養士。1991年3月、学校法人華学園栄養専門学校を卒業後、4月より東京慈恵会医科大学附属病院栄養部に勤務。管理栄養士として栄養管理や栄養の重要性を広く伝えるために書籍監修、メディア出演にも関わる。
※本記事はMELOSで公開された記事「なぜブロッコリーは筋トレ民に人気?栄養素、効果的な食べ方、1日の摂取量、料理のコツを栄養士に聞いてみた」を再編集したものです。
<Edit:編集部/Text:京澤洋子(アート・サプライ)>