「起業は絶対にするな、大企業に行け」。望まぬ状態、どう抜け出す?|連載:VALX 只⽯昌幸社長に聞く“ピンチの切り抜け方” (1/3)
プロテインやサプリメント、アパレル、フィットネスジムなどを展開する『VALX(バルクス)』は、フィットネス業界において急成長を続けている。ボディビル界レジェンド山本義徳氏とタッグを組み、3期連続の増収、約4年で1360%成長するなど、もっとも勢いのあるフィットネスブランドとなっている。
今回は、この会社を作り上げ、牽引している只⽯昌幸(ただいしまさゆき)社長にインタビューを実施。幼少期から波乱万丈な人生を歩んできた只⽯社長から、 “ピンチな状況”を切り抜ける考え方を学んでいきたいと思う。
はじめに伝えておきたいことがある。
この社長、“超破天荒”である。荒波を乗り越えてきた“猛者”でもある。悩み苦しむ小羊たちは「タフすぎて真似できない考え方だ」と思うかもしれないが、ぜひ読み進めてみてほしい。
新たな視点に気付くきっかけになると思うし、それがピンチを乗り越える鍵になるんじゃないかと、筆者は考えているからだ。全8回でお届けする。
只⽯社長の人生ヒストリー
幼少期
超資産家の家に生まれたが、会社倒産により借金生活へ。只石家の家訓は『起業だけはするな』、安定した大企業へ就職するよう徹底的に教育される
学生時代
やさぐれていたが担任の言葉で覚醒し、猛勉強を始める。やさぐれ仲間から壮絶ないじめを受けながらも志望校合格
就活生時代
大学入学で燃え尽き、就職氷河期で軒並み落ちまくるが、一通の手紙をきっかけに猛勉強、超大手キーエンスへ入社
キーエンス時代
入社で燃え尽き、虚無リーマンに。3年で退職し、無職生活となる
アメブロはじめました
元同僚のアドバイスでアメブロを始める。ここでも覚醒し、人気ブロガーに。サイバーエージェントの藤田晋社長に偶然出会い、声を掛けたことをきっかけにトップブロガーへと成長
ブログコンサル会社設立
ブログコンサル会社を立ち上げたが、全社員から一斉に退職届を出され、紆余曲折あって持ち直す。空手も習い、イイ感じに
ビジネスが当たり始める
ダイエットコンシェルジュ、トレーナー養成スクールが波に乗り、山本義徳氏とタッグを組んでフィットネスブランド「VALX(バルクス)」を作る
現在
業績がアップし続けており、今に至る
──荒れていた中学時代、変わることができた“きっかけ”は?
編集部:両親から『起業は絶対にするな、大企業に行け』と強く教えられ、勉強漬けの日々が続いていたと聞きます。
その反動か、中学時代は荒れていたそうですが、担任の先生から言われた“ある言葉”が人生のターニングポイントになり、一変して猛勉強を開始したと聞きました。
担任の先生や親からいろいろと言われてもまったく響かない、届かない子どももいると思うのですが、只石社長の場合、なぜ担任の先生の言葉が“響いた”のでしょうか。
只石社長:親から「成績悪いままだとひどい人生になるぞ」と否定されてきた中で、担任の先生だけが自分を褒めてくれたんです。しかも褒め方が、僕が本を読んでいるとか、脳の使い方や会話の仕方とか、僕のことをちゃんと見ていてくれたっていうのが、響いた理由だと思います。
もし担任の先生が、何の根拠もなく「お前はやればできるんだからもったいないぞ」って言っていたなら、響いてなかったかもしれない。普段努力しているところを見つけて、その人自身を褒めてあげたほうが響くんじゃないかなと思いますね。
編集部:そういった、きちんと自分の中を見てくれる先生や親がいない環境で、学校がつまらない、行く意味が見つからないなとか思ってる子どもは、どうやったらその状態を抜け出せると思いますか?