フィットネス
2021年11月22日

プロアスリートから「緊張をほぐす方法」を学ぶ。今すぐできるイメージトレーニングのやり方 (1/2)

 プロアスリートは最高の状態で試合に臨むために、日々トレーニングを積んでいます。しかし取り組んでいるのは、競技練習や筋トレなどカラダを鍛えるトレーニングでだけではありません。試合本番で自分の実力を発揮できるようにするための、メンタル面についてもしっかりトレーニングを行っています。

 そんなメンタルトレーニングのひとつに「イメージトレーニング」があります。人間、大事な試合やプレゼン、大会などでは緊張するもの。数をこなすことで場慣れはしますが、まったく緊張しない人はごく稀でしょう。そのため、緊張しない方法を探すより、緊張をほぐす方法を探ったほうが現実的です。

 今回は、いわゆる“緊張慣れ”のために行っておくと役立つ「イメージトレーニング」について解説します。イメージトレーニングとはどのようなものか、またどのように訓練するものなのでしょうか。

イメージトレーニングとは

 イメージトレーニングとは、実際には動かず“頭の中で”カラダを動かすイメージを行うこと。これにより、パフォーマンスを高め、戦術の理解を深めるトレーニング方法です。

 プロアスリートにとっては一般的なトレーニングですが、大会などに参加するアマチュアアスリートや部活動に励んでいる学生アスリートにとっても効果的です。

イメージトレーニングの効果

 ここでは、イメージトレーニングによって得られる効果をご紹介していきます。

理想のパフォーマンスに近づく

 自分のカラダをイメージの中で何度も自由に動かすことによって、理想とするパフォーマンスに近づくことができます。イメージであれば、苦手な動作でもうまく行うことができるでしょう。

 また、カラダを動かさないので疲労やケガの心配もありません。できない動きを何度もイメージ内で練習しておくことで、実際の動きと繋がっていき、パフォーマンスの向上に役立ちます。

本番の緊張を和らげるとき

 練習ではうまくいくけれど、本番で実力を発揮できない。そういった選手は少なくありません。過度の緊張によって、カラダがうまく動かなくなってしまうのです。そんな人にとって、イメージトレーニングは効果的です。

 脳は、その出来事が実際に起こっていることなのか、それともイメージなのかを判別できません。試合中のイメージを繰り返し行うことによって、脳は実際に起こっていることだと錯覚し、場慣れしていきます。そうすることによって、試合本番でも緊張しにくくなるのです。

イメージするだけで筋肉も刺激される

 筋肉を動かすイメージをするだけで、実際にその筋肉の筋力が向上したという研究結果もあります。そのため筋トレは、今日行うトレーニングの一連の流れをイメージしてから始めるとよいかもしれません。

 実際に使用する重さをイメージし、正しいフォームをイメージし、筋肉を動かすイメージをする。それによって、筋肉や神経の動きが活性化されて力の発揮が大きくなるだけでなく、トレーニングに対するモチベーションも向上することでしょう。

イメージトレーニングのやり方とポイント

 では、実際にどのようにしてイメージトレーニングを行えばよいのか。実践する際のポイントとともにご紹介しますので、参考にしてみてください。

自分の目線で行う

 イメージトレーニングにはさまざまな方法がありますが、皆さんがイメージする場合、「客観的な目線=自分を外部から見た状態」で行うことが多いのではないでしょうか。しかし、実際に技術習得のためのイメージトレーニングの場合は、「自分の目線」でのイメージが重要です。

 自分から見える景色で、試合の流れをイメージすることを頭に入れておきましょう。

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