インタビュー
2017年10月25日

走る楽しさを知るきっかけ作りは、子どもや自分への最高のプレゼント。谷川真理に聞いたランニングの魅力

 数々の国際大会で輝かしい記録を残した「市民ランナーの星」谷川真理さんは、現在もプロランナーとして全国各地のランニングイベントで活躍しています。11月3日に多摩川緑地公園グランドで行われるスペシャルランニングクリニック(キッズ部門、大人部門をそれぞれ開催)の前に、ランニングの魅力や楽しみ方についてお話を伺ってきました。

\お知らせ!!/
今回インタビューに登場してくれた谷川真理さんがプロデュースするスペシャルイベント「第1回 谷川真理クリスマスマラソン大会」が2017年12月24日(日)に開催されます。EPARKスポーツからの申し込み者限定で、全員にEPARKグルメで使える2,000円キャッシュバッククーポン券をプレゼント、さらに抽選で5名様に「Fitbit Alta HR」が当たるキャンペーンを実施中です。

【イベント概要】
[大会アンバサダー]谷川真理
[会場]稲毛海浜公園内特設コース(千葉県千葉市美浜区高浜7-2-1)
[開催日]2017年12月24日(日)
[スケジュール]
08:00~ 選手登録受付
09:00~ 開会式&競技説明
09:20~ 選手招集
09:30~ フルマラソン、フルリレー駅伝 スタート
09:50~ 選手招集
10:00~ ハーフマラソン スタート
12:20~ 選手招集
12:30~ 5km 、10kmマラソン スタート
12:50~ 選手招集
13:00~ ファミリー2.5km スタート
13:10~ (予定)ハーフマラソン 総合表彰
13:30~ (予定)5km、10km、ファミリー2.5km 総合表彰
14:00~ (予定)フルマラソン、フルリレー駅伝 総合表彰
16:00~ 閉会宣言
15:30~ アフターパーティの開催(約2時間)
※スタート10分前に選手召集を行い、スタート場所に向かいます。時間に余裕を持ってお集まりください。
※当日の天候の状況などにより『種目の変更』『距離の短縮』『時間の変更』等があることをあらかじめご承知おきください。
[実施種目]
フルマラソン:5km×8周
フルリレー駅伝:5km×8周
ハーフマラソン:5km×4周
10km:5km×2周
5km:5km×1周
ファミリー2.5km:2.5km×1周
[参加資格]
フルマラソン:男女 中学以上
フルリレー駅伝:2人チーム (男女 小学以上)
フルリレー駅伝:3人チーム (男女 小学以上)
フルリレー駅伝:4人チーム (男女 小学以上)
フルリレー駅伝:5人チーム (男女 小学以上)
フルリレー駅伝:6人チーム (男女 小学以上)
フルリレー駅伝:7人チーム (男女 小学以上)
フルリレー駅伝:8人チーム (男女 小学以上)
ハーフマラソン:男女 中学以上
10km(個人):男女 中学以上
10km(ペア):男女 中学以上
5km(個人):男女 中学以上
5km(ペア):男女 中学以上
ファミリー2.5km:親子(お子様は小学生以上中学生以下)
[参加費]
フルマラソン:6,000円
フルリレー駅伝(2人チーム):10,000円
フルリレー駅伝(3人チーム):13,000円
フルリレー駅伝(4人チーム):16,000円
フルリレー駅伝(5人チーム):19,000円
フルリレー駅伝(6人チーム):21,000円
フルリレー駅伝(7人チーム):23,000円
フルリレー駅伝(8人チーム):25,000円
ハーフマラソン:5,000円
10km(個人):4,000円
10km(ペア):5,000円
5km(個人):3,000円
5km(ペア):4,000円
ファミリー2.5km:3,500円
[定員]
フルマラソン(個人):400名
フルリレー駅伝(団体):100組(最大)
ハーフマラソン(個人):400名
10km(個人):300名
10km(ペア):100組(最大)
5km(個人):200人
5km(ペア):100組(最大)
[エントリー期限]2017年12月11日(月)
>>申し込みはこちら https://sports.epark.jp/events/32

小さいうちから親子で楽しむことが、ランニング好きな子どもに育てる近道

――谷川さんは、子どもたちにランニング指導をされることも多いそうですね。

はい。“走る”という体の使い方は、昔は鬼ごっこや缶蹴りなど遊びの中で身につくものでした。私が子どもの頃は、学校が終わると4~5人ずつのチームになって、住んでいた社宅を1周して遊んでいたから、リレーの練習になっていました。でも、最近の子どもたちは思いっきり走れる環境も少ないし、友達と公園に行ってもそれぞれがゲーム機で遊んでいたりしますよね。

――子どもの遊びの中で、走ったり体を動かしたりすることが減っているのですね。どうすれば子どもの暮らしの中に取り入れることができるでしょうか。

たとえば運動会や校内マラソン大会をきっかけに、今年は去年よりも速くなりたい、順位を上げたいなど、目標を持つことです。最初は遅くても、練習して速くなることがわかれば、励みにもなります。親子で参加できるランニングイベントも多いので、家族が一緒になって楽しむのもおすすめですね。親として、子どもの成長を見るのはうれしいものだし、自分もがんばらなくてはと思う場面もでてきます。親子が手をつないでゴールするはずが、子どもがお父さんを待っていることもありますから。

――そういえば、子どもだけでなくお父さん、お母さんも運動不足ですね。

子どもは親の背中を見て育ちますから(笑)。お父さんやお母さんが走ることを楽しんでいれば、子どもも自然に好きになります。3歳ぐらいまではエネルギーの固まりなので、昼間はたっぷり体を動かして夜はコトンと寝る。そうすれば、心も体も健やかに育ちます。小さいうちは、ランニングだけにこだわらず、いろいろな遊びやスポーツをしてさまざまな筋肉を強くして、体の動かし方を覚えるとよいですね。

ときどき50メートルダッシュとか、公園1周と距離を決めて、お父さんやお母さんが記録を計ってあげてください。スマホなどで、簡単に計測できますから。タイムがよくなっているのが数値でわかると、子どものやる気もぐんぐん伸びます。

正しい走り方がわかれば、マラソンは誰でも速くなる。それをぜひ身につけてほしい

――走ることや運動が苦手という場合は、どうしたらよいでしょうか。

実は、マラソン選手の宗兄弟(宗茂氏、猛氏)は、短距離走はあまり速くなかった。けれども、長い距離は得意でした。もし自分は足が遅いと思うなら、早歩きぐらいのゆっくりペースでよいから5分ぐらい続けてみましょう。最初は抑えぎみにすると後半スピードアップできる、これがペース配分ですが、特に子どもはペース配分を考えずに行けるところまで全力疾走して後半失速するケースが多いのです。そうすると苦しい記憶や挫折感だけが残ってしまう。親子で練習するときも、おしゃべりできるペースがおすすめです。そのペースで週に2~3回走れば、確実に力がつきます。

――あまり苦手と思いこまずに、ゆっくりペースから始める。やみくもに頑張るよりも、効果的な練習をすればよいのですね。

11月3日のランニングクリニックでは、目線や呼吸、腕振り、下肢の使い方など、意外に知らないランニングのポイントを身につけることができますよ。たとえば、理想的なマラソンの目線の高さはどのぐらいだと思います?

――そうですね、まっすぐ前を向いて走るから、自分の目の高さぐらいでしょうか。

そう思っている人が多いのですが、目の高さだと走るリズムに乗りにくくて脚も前に出しにくい。スピードも出ないし、周りが見えすぎて意識が散漫に。苦しくなるとあごも上がりやすく、そんなときに遠くの坂が目に入ると気持ちもめげてしまいがちです。一番よいのは、身長の1.5倍の路面を見ながら走ること。たまに周りを見るのは構いませんが、正しい目線の高さで走ると体がスムーズに動いて、確実にゴールに近づいているという安心感があります。

――すぐに改善できる目線ひとつで、体の動きからメンタルまで変わるのですね。

ほかにも、基本的な呼吸法や苦しいときの対処法、最も効率鵜的な腕の振り方、そして一番大切な下肢の使い方まで、ランニング理論も交えながら実践で学べます。さらに、歩くときの姿勢まできれいになるし、日常生活にも役立つことがたくさんありますよ。

――走ることは日常生活とつながっているのですね。

もちろんです。ケニアの選手は、自宅から7~8キロ先の学校まで靴を履かずに毎日往復しています。裸足だとかかとではなく足先で接地するようになるのですが、足が地面についた瞬間に蹴るから走っても速いのです。住んでいるところも標高2000メートル級なので、心肺機能も鍛えられます。

――谷川さんは、国際レースでそういう選手たちと競い合ってきたのですね。

日本でも、私が子どもだった頃には、遊びや道草のなかで学校では教わらないことを吸収していました。今は、子どもも大人も便利な世の中で暮らしていて、体の機能を発達させる機会が少ないのが残念です。自然に恵まれた地方でも、学校の前までスクールバスで往復していて、都会の子どもよりも歩いていないことが多いです。

無理に努力しても続かない。走ることは楽しいということを親子でたくさん経験してほしい

――こういう時代だからこそ、子ども時代の過ごし方を見直したいですね。

とはいっても、無理に努力しても続かないので、走ることは楽しいということを親子でたくさん経験する。そういうきっかけづくりが大切ですね。今の時期、全国各地にさまざまなランニングイベントがあるので、気軽に参加してみるのもよいですね。12月24日に行われる第1回谷川真理クリスマスマラソンは、親子やチームで参加できて、クリスマスらしい企画も用意しています。

――親子で楽しみながら、思い出に残るクリスマスが過ごせそうですね。クリスマスマラソンは、大人だけでも参加できるのですか。

もちろんです。中学生以上は1人から8人までのチームでエントリーできます。距離もファミリーは2.5キロ、駅伝は5キロごと、ひとり参加の場合は5キロからフルマラソンまで、走力に合わせて選べます。

――普段走っていないと、5キロでも自信がないのですが、これから練習を初めても間に合いますか。

練習で3キロまで走れていれば、本番は5キロを完走できます。これから始めるならば、まずは30分歩くところから始めてみてください。慣れたら、途中の10分ぐらいをゆっくり走ってみる。その10分を少しずつ伸ばしていけば、無理なく走れるようになります。5キロ走れれば自信になり、走る習慣がつけば体も引き締まってきます。食事もおいしくなりますし(笑)。

大会に参加すると、知らない人が応援してくれるという日常では体験できない喜びを感じたり、素晴らしいランナーを目の当たりにしてさらに上を目指したくなったり、自分の中で何かが変わりますよ。

――確かに、走っている人はみなさんお元気で素敵です。

今回は、中野陽子さんという81歳のランナーをお迎えします。70歳から走り始めて、なんと2017年東京マラソンの記録が4時間7分31秒(ネット)。800メートル、1500メートル、3000メートル、5000メートル、10000メートル、フルで、年代別世界記録を持っているという素晴らしい方です。

――そういうお話を聞くと、何歳になっても走り始めるのに遅すぎるというということはないと思えます。

これから始めるなら、シューズ選びには気をつけてください。買いに行くベストな時間は夕方です。サイズはぴったりではなく、かかとに指が1本入るぐらいのすこし大きめ。走るときは体重の3倍の衝撃がかかるので、脚やひざを痛めないように、1足目はソールが厚いものを選ぶようにしましょう。

走り始めたら欲が出て、地方のランニング大会にチャレンジするという楽しみも増えます。ランニング仲間が増え、忘れられないような絶景に出会えることもあるので、1度の体験で終わらせるのではなく、継続してその魅力をたっぷり味わってもらえるとうれしいです。

本イベントは終了しました!
《お知らせ!!》

谷川真理さんが講師を務める「谷川真理スペシャルランニングクリニック&タイムトライアル」が11月3日に多摩川緑地公園グランド特設会場で開催されます。ランニング理論の講義や年齢や体力に合ったランニング技術(短距離/中距離)を谷川さんがレクチャー。キッズ部門、大人部門とそれぞれあり、子どもから大人までランニングを楽しむことができるイベントです。クリニック後はキッズ部門は1km、大人部門は5kmのタイムトライアルを実施。記録証もプレゼントします。

[開催]11月3日(金)
[キッズ部門]
9:00〜10:30 (8:30集合、対象:幼児(4歳)〜小学6年生、定員:50名)
①速く楽しく走るための講義(10分)②ストレッチ&ウォーミングアップ(5分)③キッズ向けランニング練習(30分)④1kmタイムトライアル(15分)⑤クールダウン(5分)
[大人部門]
10:30〜12:30 (10:00集合、対象:中学生以上の男女、定員:70名)
①ランニング理論講義(10分)②ストレッチ&ウォーミングアップ(5分)③大人向けランニング練習(45分)④5kmタイムトライアル(45分)⑤クールダウン(5分)
[会場]多摩川緑地公園グランド特設会場
[住所]東京都狛江市緒方4丁目 多摩川緑地公園グランド特設会場 地図を表示
[対象]キッズ部門:幼児(4歳)〜小学6年生 大人部門:中学生以上の男女
[参加費]3,000円/各部門
[持ち物]運動着、着替え、運動靴、タオル、ドリンクなど
[申し込み]https://sports.epark.jp/events/17

[プロフィール]
谷川真理(たにがわ・まり)
ランナー、スポーツキャスター、タレント。株式会社MariCompany 代表取締役。流通経済大学客員教授。1962年福岡県出身。1991年東京国際女子マラソン優勝、1992年名古屋国際女子マラソン2位、1992年ゴールドコーストマラソン優勝、 1993年東京国際女子マラソン2位 、1994年パリマラソン優勝(タイム2:27:55は大会新記録) 、2007年東京マラソン2位。2014年、株式会社MariCompany設立。現在も多くのマラソン大会に出場し「市民ランナーの星」として多くのランナーから慕われている

<Text:松本美和/Photo:小島マサヒロ>