インタビュー
2018年4月26日

1つに絞らなくても、いろいろなスポーツや経験を重ねることで“強み探し”ができる。元パラアイスホッケー日本代表・上原大祐(後編)│子どもの頃こんな習い事してました #11 (2/3)

あります。こういう体なので、将来は頭を使う仕事でないとだめだろうなと思っていたようです。「できるだけ勉強はするように」と言われました。

――習い事については何かアドバイスや注意はありましたか。

そこは意志尊重型です。練習をサボったときは「練習しなさい」とは言っていましたが、中2でピアノを辞めるときに無理やりやらせることはなかったですね。私の性格は、次にやりたいことができたらすぐ始めたい、興味のないことは無理やりやっていたくないというタイプなので。大学を途中で変えると決めたときも、少し「うーん」とは言っていたけれど、最終的には認めてくれました。

父は静かなタイプで、何か言われたことはないですね。母の影響が強いと思います。5歳年下の弟は、私と真逆でインドアでおとなしく、父に似ています。

――一般に、1つのことを長く続けたほうがいい、あれこれやるのはよくないといわれます。

確かに、1つのことにじっくり取り組むことはいいことだと思います。ただ、自分に合うものは「これだ」とみつける“強み探し”は、いろんなことをやってみるからこそできること。障がい者は強み探しが得意なんですよ。

中学のころ、車いすのバスケットチームに少しだけ行ってみたんです。「人数が足りないから試合に出てほしい」と言われて出てみた。でも向いていなかった。ふつうの人はそこで「自分は運動神経がない」とスポーツそのものを諦めるんですが、1つのことでものごとを決める必要はないんですよね。

私は、バドミントンは意外とできる。卓球もできる。ホッケーもできる。ということは、自分は道具を使うスポーツが得意なんだとわかりました。おそらく直接ボールに触るバレーは苦手でしょう。いろいろなことをどんどんやれば、いろいろな動きも学べてスキルもついてくる。どんどんチャレンジしてみればいいと思います。

子どもを伸ばすために、まずは大人が挑戦を

――音楽の経験は競技生活には役立ちましたか?

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