ロシア発祥格闘技「サンボ」のキッズ向けスクールとは?【取材レポ】 (2/3)
幼稚園児から中学生が一緒に練習
▲子どもたちを指導する田中コーチは、かつて全日本選手権5連覇などの実績を誇る
では、そんな未来のサンビストは普段どのようなトレーニングを積んでいるのでしょうか。筆者がSKキッズへ訪れた土曜日の担当は田中コーチ。国際武道大柔道部の出身で、サンボでは全日本選手権5連覇、世界選手権5位などの実績がある日本屈指の実力者です。吉澤さんも「彼がいたからこそ、子どもたちをここまで育成してこれた」と、その指導力を絶賛します。
▲取材当日は小学6年生の女の子(左)と小学1年生の男の子による2名のみの参加となった
この日は朝8時半からのスタートでしたが、あいにく学校の土曜日授業や大会と重なってしまい、参加者は2名のみ。
「せっかく来てもらったのに(人数が少なくて)申し訳ないですが、多ければ10人くらいは集まりますよ」(田中コーチ)
▲多い時は10人程度の子どもたちが参加し、技の習得や基礎体力の向上に汗を流す 【写真提供:田中泰秀さん】
子どもたちは道着へ着替えると、まず天井からぶら下がったロープをよじ登って基礎体力を鍛えます。道場へ通って8年目になるという女の子(小学6年生)は簡単に登ってみせますが、まだ筋力が発達していない男の子(小学1年生)はロープにつかまってキープする練習です。
▲体力的に登れない子は、田中コーチが支える
その後も基礎練習が続き、地面に置かれたバトルロープ(綱引きなどに使用される重いロープ)を使用してのトレーニングや、ラダートレーニングで汗を流します。
その後はチューブを使って投げ技の確認をし、実際に田中コーチが相手になってのスパーリングへと続きます。通常は子ども同士でも行いますが、この日の参加者は2人だけのため、特別に長い時間を割いてのマンツーマン指導が実施されました。
最後は両手を地面ついて足を交互に前へ出すトレーニング(マウンテンクライマー)などの補強運動で全身を追い込み、体操とストレッチをして終了です。
▲練習の締めには「マウンテンクライマー」で疲れた身体を追い込む
練習時間は約2時間。トレーニングを見学した感想としては、子ども1人ひとりに合わせたアドバイスや指導がされているということ。6年生の女の子に対しては細かく技のポイントを説明し、より実践的な指導がされる一方で、まだ幼さの残る1年生の男の子には「遊び感覚でサンボの楽しさを覚えさせている」という印象を受けました。