インタビュー
2019年4月15日

習い事は自分から「やりたい」と言ったものばかり。母は私の意見をいつも尊重してくれました。新体操・畠山愛理(前編)│子どもの頃こんな習い事してました #21 (2/3)

学校でも休日でも、頭は新体操のことばかり

――数ある習い事のなかでも、当時から新体操が一番好きだった?

新体操はダントツでしたね。もうマニアみたいな感じになっちゃって、新体操をしていない時間も新体操のことばかり考えている子だったんです。図工や家庭科で何か作るときもテーマは新体操。卒業文集も新体操のこと。休日も演技の練習をしていましたし、うまい子のビデオもしょっちゅう見て完コピできるくらい。それくらい大好きでハマってました。

始めたきっかけは、やはり体験に行ってみておもしろそうだと思ったから。同じ時期に何人かのお友だちも始めたんですが、最終的に続けたのは私だけでした。

新体操をやめるきっかけで多いのは体型の変化。思春期の女の子は体重管理が難しい。ホルモンバランスなどの影響で脂肪がつきやすくなり、なかなか体型維持ができず、コーチに「痩せろ」と言われるストレスで余計に太ってしまう子もいました。私はありがたいことに太りにくいタイプでしたが、小さいころからたくさん食べてたくさん遊んでいたので、動く量も多かったんです。

――たくさん食べたから元気に続けられた。

ただ、別の面で成長期には悩みがありました。せっかくお母さんがつくってくれた食事を、疲れて帰ってきて食べずに寝てしまったときがたびたびあり、中学1年生のときに重度の貧血で車いすに乗るレベルですと医師に言われるほどになってしまったんです。

その前からまわりの選手よりバテやすかったんですが、エネルギーをたくさん使ったあとにエネルギーを補給してあげなかったのだから身体が悲鳴を上げていたんですね。子どものころに栄養の知識を少しでも持っていたら、怪我の数だって少なかったかもしれません。

中学2年生のときに腰椎分離症・すべり症(腰椎にずれが生じ下半身に痛みやしびれが起きる)に悩まされたのですが、それも慢性的なものでした。自分が指導者になったときには、この経験もふまえて練習後にどういう食事をすればいいか、成長期の子はどういう栄養素が不足しがちか、食事面のアドバイスもできるようになりたい。

スポーツ選手は技術だけでなく、けが防止のためにも身体のメンテナンスや栄養のとり方も大切。「炭水化物は太るから御飯食べない」という子も多いので、「しっかり食べてその分動いたほうがいい、バランスよく食べなさい」と伝えたいですね。

――小学6年生のときには、すでに夢はオリンピック出場だったそうですね。

全日本で6位に入賞できたから次は世界、世界ならオリンピックだと考えて卒業文集に「絶対にオリンピックに出る」と書きました。今考えると恥ずかしいですよね。優勝できていたならまだわかるんですが……。自信があったというよりも本当に純粋に「オリンピックに行きたい」という気持ちが強かったんです。

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