2017年11月20日

大人気レース「おかやまマラソン」大会レポ!どんなコースが多い?エイドの食べ物は?(前編)

 2017年11月12日(日)、岡山県岡山市にて「おかやまマラソン2017」が開催されました。今年で3回目を迎える本大会は、地域住民はもちろん他県からも多くのランナーが集まる人気レースです。

 人気の秘密はいったいどこにあるのか、実際にレースを走ってきました。2回に分けてその魅力をご紹介しますので、ご覧ください。まずはランナーにとって気になる、コース状況や補給体制などについてお伝えしていきます。

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アップダウンの少ないフラットコース

 おかやまマラソンは、岡山県総合グラウンドをスタート&ゴールとして走ります。岡山市の中心部を抜けて南部へ向かい、再び戻ってくるコースです。

 コースは基本的にフラット。大きな車道を封鎖して開催されており、道もキレイです。スタート直後からコースが広く取られているので、「混雑して思うようなペースで進めない」ということはあまりありませんでした。もちろん序盤は人が多いものの、1kmもしないうちにバラけていた印象です。なお、スタートブロックは申告タイム順に分けられていました。

 何ヶ所か橋があり、そのたびにアップダウンが訪れます。とはいえ急坂ではなく、昇り降りする距離も短めです。中盤頃までの元気なうちは、さほど苦にならないでしょう。道路はまっすぐな場所が多く、遠目から「そろそろ登り坂だ」というのが目視で確認できました。

 ただし、約30km地点で訪れる「岡南大橋」はちょっとした難関。他の橋と比べて傾斜が急なため、走りきれず歩いている方もいました。ちょうど“30kmの壁”に直面するタイミングということもあり、苦しめられたランナーは多かったことでしょう。岡南大橋までの段階で無理してしまうと、一気に失速してしまうかもしれません。

 約31km以降は旭川沿いを走るコースとなり、やや道幅が狭くなります。後半のため団子状態で走るケースは少ないものの、例えばペーサー回りなど大勢がまとまって走っている際には、ちょっと走りにくかったかもしれません。

 40km手前からは、周囲にマンションなどが増えてきます。これを見ると、「いよいよ戻ってきた」という感じ。スタート直後に走ったコースを逆走してゴールに向かうため、なんとなく見慣れた風景だと記憶が蘇りました。ここまで来れば、あとはゴールゲートを潜る自分をイメージしながら、最後の力を振り絞るのみです。

 ゴールは陸上競技場内となっており、タータンの敷かれたトラックを約300m走ります。競技場へ入った瞬間にゴールが見えるため、いっきにテンションの上がるポイントです。弾力性のあるタータンチップは身体を推し進めてくれるかのように走りやすく、自然とペースが上がったという方も多かったことでしょう。

 そしてゴール! 両側に大きく「FINISH」と書かれた、ゴールゲートが待っていました。疲労困憊でたどり着く方、ラストスパートで駆け抜ける方、あるいはガッツポーズする方など……皆さん、さまざまな思いを胸にゴールゲートを潜っていたようです。42.195km、皆さんお疲れさまでした!

走っていて安心できる万全のエイドステーション

 気候に恵まれ、涼しくて非常に走りやすかった本大会。とはいえ、走れば汗をかきますし、エネルギーも消費します。そのため、チェックしたいのがエイドステーションの充実ぶりです。

 給水の行えるエイドステーションは、コース上に全13箇所。だいたい3〜4kmごとに配置されている計算です。中にはドリンクのみのエイドステーションもありますが、水に加えてスポーツドリンクが提供されていました。

 あらかじめ大量の紙コップにドリンクが用意されており、「提供が追いつかない」といった事態はありません。また、各エイドステーションはかなり長い距離に渡っているため、ランナーが集中して大混雑するようなこともありませんでした。量が十分なだけでなく、ペースを落としたり足を止めたりしなくても、落ち着いて給水が行えます。そのため、安心して走ることに集中できました。

 また、バナナやチョコ、塩など、定番の補給食もしっかり用意されています。エナジージェル等を持たなくても、エネルギー切れに陥る可能性は低いでしょう。こちらも給水と同様、数カ所に渡って提供エリアが設けられています。

 しかし“食べ物”については、これだけに留まりません。本大会では「おもてなし給食」と題して、地元の名物などがたくさん振る舞われているのです。いくらレースでも、食べないと後悔しそう……ということで、私はすべて食べさせていただきました。その一部を、写真メインでご覧ください。

◎温州みかん

 とっても甘くて、水分も補給できます。

◎スポーツきびだんご

 ふわふわ&もちもち! 何とも言えない食感と、レモンや桃の爽やかな味わいでリピートしたくなります。

◎瀬戸大橋まんじゅう

 食べごたえ十分、ほどよい甘さのおまんじゅうです。

◎モンキーバナナ

 小さなバナナ……ではなく、バナナ型のカステラ。食べると口の中が乾くので、お水と一緒に。

◎ラーメン

 5店舗の中から1つ選び、ラーメンが食べられます。いずれも地元の人気店で、私は倉敷に店舗を構えるという「デニムラーメン」を選びました。通常のエイドとは別でラーメンブースが設けられており、食べない人はスルーして走っていきます。

◎黄ニラ水餃子

 ラーメンブースで提供されている、黄ニラが生地に練り込まれた餃子(2個)。爪楊枝が刺さった状態で提供されていました。一口サイズで食べやすく、酸味のあるタレも疲れた身体を癒やしてくれます。

 このほかにも、煎餅やナスの浅漬け、プチトマトなど美味しい食べ物がたくさん。さらにゴール後は岡山土産で人気の大手まんじゅう、地元で愛されるパン屋・岡山木村屋のバナナクリームロールが手渡されました。フラットコースのため記録を狙うのも良いですが、岡山の味を堪能しながら走るのもオススメの大会です。

 しかし“おもてなし”は食べ物だけでなく、地元の方々からもたくさん受け取りました。後編ではそうした人々の温かさについて、レース中に見られる岡山の景色と共にお伝えします。

後編はこちら

途切れない応援、美しい風景。「おかやまマラソン」大会レポ(後編) | 趣味×スポーツ『MELOS』

[筆者プロフィール]
三河 賢文(みかわ・まさふみ)
“走る”フリーライターとして、スポーツ分野を中心とした取材・執筆・編集を実施。自身もマラソンやトライアスロン競技に取り組むほか、学生時代の競技経験を活かし、中学校の陸上部で技術指導も担う。またトレーニングサービス『WILD MOVE』を主宰し、子ども向けの運動教室、ランナー向けのパーソナルトレーニングなども行っている。3児の子持ち。ナレッジ・リンクス(株)代表。【HP】http://www.run-writer.com

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<Text&Photo:三河賢文>