インタビュー
2024年11月1日

箱根王座奪還へ。新生・駒澤大学陸上部の“駅伝戦略”「チームはいい状況にある」 (1/3)

「今、チームは非常にいい状況にある」。2024年10 月16 日、ボディケアカンパニーのファイテン株式会社が開催した駒澤大学陸上競技部の取材会にて、藤田監督はチームの状況についてそう語った。

2022シーズン大学駅伝三冠を達成し、2023シーズンの出雲全日本大学選抜駅伝競走、全日本大学駅伝対校選手権大会優勝と、史上初の2年連続大学駅伝三冠に王手をかけたものの、東京箱根間往復学駅伝競走では総合2位という結果になった駒澤大学陸上競技部。

全日本、そして2025年の箱根駅伝に向けたチームの状況について、藤田監督、大八木総監督が語った内容をお届けする。

出雲駅伝は「優勝争いに参加できた」ものの選手層の薄さに課題

藤田監督:
出雲はですね、現地でもお伝えさせていただいたんですが、戦前の下馬評はそこまで高くない中で、しっかり優勝争いに参加できた部分と、やっぱり最後のところで負けてしまった悔しさと二つ感情が入り混じるようなレースだったと思います。

藤田監督:
結果的に、篠原が最後負ける形にはなりましたが、そこまでにリードを奪えなかったチームの弱さを痛感したので、全日本や箱根駅伝を迎えるにあたって、より選手層が必要となってくるかなと思います。

その中で、出雲市の記録会でも谷中が13分49秒の自己記録を取ったり、金谷が同じ記録会で13分台を走ったりと光明は見えてきていますので、選手一人一人を大事にして、全日本をしっかり頑張りたいと思います。

現状の選手、チームは「非常にいい状況にある」

藤田監督:
春からのトラックシーズンがあまりいい流れではなくて、なかなか結果が出せない苦しい状況ではあったんですが、篠原君が夏合宿でしっかりチームを引っ張ってくれたことで、今、チームは非常にいい状況にあると思います。この状況をキープしながら全日本、箱根と戦っていきたいと思います。

続いて、選手に意識してほしいボディケアやケガ対策について。

いかにケガをせず練習を継続できるかが、結果を出す唯一の道

藤田監督:
反発力の強いシューズの進化によって記録の更新も出てきたかと思いますが、大事なのは体のケアですね。ただ練習するだけ、試合を走るだけではなく、いかにケガをせずに練習を継続できるかっていうところが、試合で結果を出すための唯一の道だと私は思います。

夏の長距離は内臓疲労であったり、固く反発の強いシューズを履くと、足の甲や足の裏がどうしても張ってきたり、痛みが出やすくなります。なのでソラーチ(※1)の活用は、夏合宿などでも必ず選手たちに行っています。

選手が自分自身のケガしやすい場所を把握し、それに対するケアを自分自身で行うのが一番大事です。ファイテンさんのサポートを受けながらそういったことができているのは、非常に強みだなと思います。
(※1)ソラーチ・・・ファイテンのフットマッサージャー

ファイテン社のボディケア機器を使用する藤田監督

篠原選手について、メディアからの質問が上がる。キャプテンとしてチームを支えている現状とは。

結果が出ない中で、誰か柱になる選手が必要だった

藤田監督:
篠原君の夏の合宿チーム参加は、彼と大八木総監督が話をして決まったことなのですが、本当に感謝しかありません。春からなかなか結果が出ない中で、誰か柱になる選手が必要でした。

篠原君が来てくれたことでその柱ができて、夏の合宿でも彼がいろいろな声掛けでチームが締まった状態で練習できました。

ただ彼のキャリアを考えると、高いレベルに携わってチャレンジするような合宿にしたほうがいいだろうなという思いが私にもありましたので、チームと一緒に帯同してくれると聞いたときには、本当にいいのか、って尋ねました。

そのとき彼は『僕は駒澤に強くしてもらったので、最後は駒澤の力になれるようにこの夏はここで頑張りたいです』って言ってくれて。非常にうれしかったですね。

ここからは、大八木総監督のコメントが続く。

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