2018年3月16日

メンバーは30代中心、ファンランナーから国際マラソンランナーまで。千葉県「GAZELLE」│全国のランニングクラブ訪問記 #6 (1/2)

 一緒に走れる仲間がいれば、ランニングがもっと楽しくなるはず。あるいは仲間と切磋琢磨することで、走力アップにもプラスの効果が期待できるでしょう。

 MELOSでは、全国各地のランニングチームを取材に基づいてご紹介しています。今回は、千葉県を拠点とする「GAZELLE」(ガゼル)。代表の吉田和章さんに、設立背景や日々の取り組みなどを伺いました。

ファンランナーから競技的ランナーまで幅広いメンバー

  千葉県柏市を中心として活動する、ランニングチーム「GAZELLE」。設立は2001年。ランニングブームが巻き起こる以前に誕生しました。

「設立当初は、高校の仲間とともに3人で立ち上げました。千葉県立柏中央高校の陸上部出身で、その際の長距離メンバーです。主に柏ふるさと公園(手賀沼)と、柏の葉公園を拠点として活動しています」

 陸上競技経験者によって立ち上げ・運営されてきたチームということで、シリアスランナーばかりが集まっているようにイメージされるかもしれません。しかし実際には、ファンランナーを含めた幅広い層が、メンバーとして参加しています。

「メンバー数は現時点で50名強。そのうち、積極的に参加するメンバーは30名ほどでしょうか。男女比は7:3程度と、男性が多くなっています。年齢は20代前半~50歳代までさまざまですが、主なメンバーは30代が中心。ファンランから国際マラソンランナーまで走力は多様ですね。ただ、競技的に取り組んでいるメンバーは多く、地元のリレーマラソンでは11連覇中です」

 仲間作りを目的として参加されるメンバーが多いそうですが、各種レースで入賞する方も多いとのこと。なかでも学生時代に陸上競技経験を持つ方は、競技的に取り組むことが少なくないそうです。ただしファンランナーも多数在籍しており、各メンバーがそれぞれの目的に応じて、うまくチームという組織を活用していることが伺えます。

過去の競技経験から生まれたランニングチーム

  学生時代の仲間と立ち上げた「GAZELLE」。皆さん個人で競技されていたにもかかわらず、なぜチーム活動を始めるに至ったのでしょうか。

「チーム発足のキッカケは、私が高校の後輩である木村と卒業後にレースで再会したことです。それから一緒に走るようになり、どこかの地元チームに入ろうか迷いながら走っていました。そのとき、木村から『自分たちでチームを作ってしまいませんか?』と持ちかけられたんです。それを私の同期である岩堀にも話し、手作りのホームページを立ち上げてスタートしました」

 3人で立ち上げたチームは、当初身内を中心としてメンバーが増えていったそうです。しかし活動を継続していくうちに、少しずつ身内以外からも参加希望者が増えていきました。当時は年齢層の高いランニングチームが多く、同年代と走りたいと思っていたランナーが、ホームページを見て参加してくれるケースが多かったそうです。

 そんな「GAZELLE」ですが、チーム名にもちょっとした由来があります。

「チーム名は“カモシカの足を目指す”ということで、『GAZELLE』と命名。当時人気だった漫画の必殺技で、カモシカの脚力からインスピレーションを受けたものがあったので、こう名づけました。しかしよく調べると、ガゼルはカモシカに似ているものの、実は『レイヨウ』という動物の名前なのだそうです。今はチーム名に誇りを持っているので、あまりこだわっていませんけどね」

 高校時代の競技がキッカケとはいえ、単純に走ることが好きだという吉田さん。まさにカモシカのような健脚をお持ちで、大会などにも数多く参加されています。

レース後の打ち上げやイベントなども積極的に開催

 「GAZELLE」では、不定期ですが、月に1回の練習会を実施しています。主な練習場所は柏の葉公園と、柏のふるさと公園中心の手賀沼。現在は隔月で土日交互に行っており、参加人数は少ないときで数名、多いときは10名以上です。主に競技派とファンラン派に別れて、競技派はインターバルや距離走、ペース走を。ファンラン派は時間を決めたジョギングを中心に行っているそうです。

「各大会で優勝、入賞常連のランナーや、競技的に取り組んでいるランナーも多数在籍しています。しかし完走目標のファンラン派、あるいはラン以外のイベントを中心に参加するメンバーも少なくありません。さまざまなランナーが混在しているのは、GAZELLEの特徴ですね。年会費などはいただいていないので入会も自由。気軽に参加できます」

 普段あまり顔を合わせられないため、コミュニケーションはメーリングリストを活用した連絡が中心。それぞれの目標に向かい、GAZELLEという場所をうまく活用して、一生ランニングに取り組んでいけるようなチームを目指しているそうです。

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