2020年8月26日

“筋トレはあらゆる悩みを解決する”。読むと筋トレしたくなる「筋トレが最強のソリューションである」│スポーツがしたくなる今月の1冊

 年齢とともに筋力の衰えを感じたり、夏に向けて腹筋のシックスパックを目指したり。さまざまな理由で、筋トレに励む方がいらっしゃいます。スポーツジムのように器具を用いるものはもちろん、自重によるものなら自宅でも取り組めるのが魅力的でしょう。しかし筋トレには、筋肉を鍛える以上にさまざまな効果が期待できるといいます。

 今回ご紹介する1冊『筋トレが最強のソリューションである マッチョ社長が教える究極の悩み解決法』(著者:Testosterone(テストステロン)/ 出版:U-CAN)では、メンタルや仕事、あるいは男女関係に至るまで、あらゆる悩みを筋トレが解決してくれると断言しています。最後まで読み終えるころには、自然と「そうだ、筋トレしよう」なんて気持ちが湧き上がっているかもしれません。

特集:スポーツがしたくなる今月の1冊

1ページ完結の読みやすさ

 本著では1ページごとに、筋トレを取り巻くさまざまなメッセージが書かれています。ストーリー調で続いたり、全体を読み込まなければ理解できなかったりするものではありません。1ページ完結型となっているため、スキマ時間でも読みやすい構成です。

 ページ内には“格言”とも呼べる端的な言葉と、それを補足するメッセージが。これは、いわば著者自身の言葉なのでしょう。まるで語りかけるような文調であるため、筋トレを始める前のカウンセリングを受けているかのようです。

 また、ところどころアイスブレイクとして、コラムやマンガが添えられているのもポイント。つい一気読みしてしまいそうになりますが、区切りを持つことでクールダウン。頭の中を整理することができます。

ほどよい啓蒙がやる気をみなぎらせてくれる

 筋力アップやカラダ作りが目的となりやすい筋トレ。本著でもダイエットについて触れられる部分がありますが、あくまでそれは一部のみとなっています。自身の経験や海外事情などさまざまな情報をもとに、メンタルや仕事、あるいは恋愛などの多岐にわたるシーンで、いかに筋トレが役立つのかが綴られています。

 つねに問題提起し、「それなら筋トレすればいい」と繰り返すだけではありません。ときに心の持ち方や思考法など、筋トレ外からのアプローチも盛り込まれています。いわば、本著は筋トレを主軸としながら、日々の生活で抱いている問題解決に向けたコーチと言えるような存在。

 自分と向き合いながら筋トレを生活に取り込んでいこうという、ほどよい啓蒙がやる気を引き出してくれることでしょう。

少ないながらも的確なトレーニングハウツー

 本著では、いわゆるトレーニング方法などについて多くは語られません。あくまで筋トレの必要性や効果について、文章から感じ取るための本といえるでしょう。

 しかしコラムを通じ、筋トレを始めるにあたって必要なハウツーは多少盛り込まれています。たとえばスポーツジムの選び方や注意点、初心者にオススメのトレーニングなど。それらは“第1歩”を踏み出すうえで、おそらく誰もが頭を悩ませるポイントなのではないでしょうか。

 具体的なトレーニングであれば、数多くの書籍があるほか、スポーツジムでトレーナーに聞くこともできます。本著はその前段階として、多くを語らず、筋トレを始めるまでの道筋をやさしく示してくれる存在になりそうです。

 筋トレを始めてみたものの、なかなか続けられない。あるいは「やってみようかな」と言いつつ始めるキッカケがない方は、ぜひ本著を読んでみてください。読み終えた後には自然と身体が動き、腹筋や腕立て伏せに取り組む自分がいるかもしれません。

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[筆者プロフィール]
三河賢文(みかわ・まさふみ)
“走る”フリーライターとして、スポーツ分野を中心とした取材・執筆・編集を実施。自身もマラソンやトライアスロン競技に取り組むほか、学生時代の競技経験を活かし、中学校の陸上部で技術指導も担う。また、ランニングクラブ&レッスンサービス『WILD MOVE』を主宰し、子ども向けの運動教室やランナー向けのパーソナルトレーニングなども行っている。4児の子持ち。ナレッジ・リンクス(株)代表
【HP】https://www.run-writer.com

<Text:三河賢文/Photo:Getty Images>