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2018年7月17日

元大学駅伝強豪校ランナーが設楽悠太のモノマネ芸人に。たった1年で「サブスリー」を達成できたワケ(後編) (2/3)

月間走行距離は「300㎞~400㎞」

――現在の練習環境を教えてください。

「TOKYO BAY RC」というランニングクラブと、同じ事務所の西谷綾子さんが中心の「Body & Soul Running Club」でランニングコーチを務めています。そこではインターバル走も行っているのですが、ペースは上がってもキロ3分50秒なんです。これだと自分の練習にはならないですし、先ほど話に出た3分30秒のインターバルには挑戦すらしていないです。

▲2017年の4月1日から毎日欠かさず記入しているという練習ノート

――具体的に、スピード練習を入れ始めた2017年9月から2018年4月のかすみがうらマラソンまでは、どのような練習をしていたのでしょうか。

基本的に練習内容は変わっていないのですが、ランニングコーチの仕事で距離走を入れる回数が増えました。バイトの行き帰りの15㎞ジョグの他に、土日は朝9時に集まって30㎞走や40㎞走とか。ただし、ペースはキロ5分30秒から上がっても4分30秒程度。これを多い時は月に4回行っていました。

――月間走行距離はどのくらいなのでしょうか?

おそらく300㎞~400㎞だと思います。多い人はもっと走り込んでいると思いますし、僕は走らない時は走らないので、そこまで距離を踏んでいるわけではないですね。

<2017年4月から2018年4月までの月間走行距離>
4月 331㎞
5月 329m
6月 220㎞ ※『YOKOHAMAシーサイドマラソン』(ハーフマラソン)で1時間22分48秒
7月 300㎞
8月 277㎞
9月 234㎞ ※スピード練習開始
10月 316㎞ ※松本マラソンで3時間16分30秒
11月 176㎞ ※体調不良により10日間連続で走らない日あり
12月 230㎞
1月 147㎞
2月 224㎞ ※設楽選手のモノマネ開始
3月 195㎞
4月 250㎞ ※かすみがうらでサブスリー達成(2時間59分21秒)

かすみがうらでサブスリー達成も「無理だと思っていました」

――2018年4月には「かすみがうらマラソン」で2時間59分21秒と見事サブスリーを達成されるわけですが、他の大会に出ていないとなると、手応えを感じる機会が少なかったのではないでしょうか?

大会当日も自信はなかったですし、むしろ無理だと思っていました(笑)。サブスリーを達成するには1㎞4分15秒で押していかなければいけないですけど、そのペースで距離走もやっていなかったですから。2月の東京マラソンで設楽悠太選手が2時間6分11秒(日本新記録)だったので、3時間6分11秒でもいいかな、なんて思っていました(笑)。

――実際に走り始めてみて、いかがでしたか?

スタート直後は、モノマネの格好だったのもあり「設楽がんばれよ!」なんて声を掛けてもらったり、おしゃべりしたりしていましたが、その後はほぼイーブンペースで行けて、中間地点は1時間29分10秒で通過しました。かなり余裕を持って走っていたんですけど、ふと時計を見ると1㎞あたり4分05秒ペースで走れていたんです。

――後半もずっと楽だったのでしょうか?

これは設楽選手に感謝したいのですが、設楽選手は「30㎞までがんばって、残りは何とかなる」という精神で走るそうなんです。おそらく多くのランナーの方は残りの距離を考えてメンタルがやられちゃう人が多いと思うのですが、僕は30㎞までがんばろうという気持ちで走っていたので、メンタルがやられることはありませんでした。

でも、30㎞以降はさすがに足が重くなりはじめ、35㎞以降は正直けっこうキツかったです(笑)。それまで安定していたペースも、38~39㎞では4分27秒くらいまで落ちましたね。幸いゴールが近かったので、最後は沿道からの「悠太コール」に応えながら、無事にフィニッシュすることができました。

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