SKE48・鎌田菜月「センターに選ばれるだけがすべてじゃない」(後編)│アイドルと、スポーツと、青春と。#13 (1/3)
スポーツにガチで打ち込んだ経験を持つアイドルに、その思い出や競技の魅力について語ってもらうインタビュー連載「アイドルと、スポーツと、青春と。」。
今回お話を伺ったのは、7月4日に23枚目のシングル『いきなりパンチライン』をリリース、発売日のオリコンランキングで1位を獲得したSKE48に所属する鎌田菜月さんです。
“将棋アイドル”として知られ、「ひふみん」こと元プロ棋士の加藤一二三さんとの対戦経験もあり、読書好きでマンガ好きと、文系タイプな鎌田さん。
じつは水泳を6年、バレエを7年、弓道を3年、剣道を2年、ラグビーを3年(体育の授業)と、スポーツ経験豊富な一面を持ち、今年の名古屋ウィメンズマラソンでは完走を果たした“スポーツアイドル”でもあります。
後編では、中学・高校で経験した弓道と剣道、ラグビーに加えて、今年完走したマラソンについてお聞きしました。
前編: SKE48・鎌田菜月「文系女子と思いきや、じつはスポーツ経験も豊富」(前編)│アイドルと、スポーツと、青春と。#13
中学で始めた弓道で県大会に出場
——中学からは弓道を始めたそうですね。きっかけは何だったんですか?
そのときはまだバレエをやっていたので、夜帰るのが遅い生活をしていたんですね。だから、まず朝練がない部活がいいなって(笑)。それで文化系の部活を考えたんです。料理部とか。でも、やっぱり体を動かす方がいいなと思って、いろいろ考えた末に弓道部に決めました。
——実際に入部してみていかがでしたか?
人気がないって聞いてたのに、入部してみたら私の学年だけで20人くらい女子がいて驚きました。でも、的に向かって打つ練習をする「的場(まとば)」は4箇所で、藁に向かって矢を打つ「巻藁(まきわら)」も2箇所だけ。だから、前半と後半で入れ替わりで練習することになって、矢を射るとき以外は学校の外周や階段を走ってました。
——どのくらいの距離を走っていたんですか?
外周は1周1キロくらいあったんですけど、それを5〜6周、多いときは10周とか走ってました。弓道部には運動が苦手なおとなしい子もいて「弓道部なのにどうして…」って恨んでましたね(笑)。
——矢を射るときはどんな練習をするのでしょうか?
弓道は、足を開いてから構えて、打ち終わるまでの順序が決まっていて。「射法八節」っていうんですけど、最初は矢を通さずに「かけ」という鹿の革を手につけて、鏡で見ながら型をひたすら練習します。それができるようになったら、次は巻藁の近くから打つんですけど、なかなかまっすぐ刺さらないんです。
——矢を射つこと自体がすごく難しいんですね。
しかも、実は弓矢って鉄板に穴が空くくらい威力が強くて。打つときに少しでも腕がブレると弓の弦が手に当たってミミズ腫れになります。だから、本当に危ないんです。そのあたりはしっかり指導をしていただきましたね。
——大会に出ることもあったんですか?
はい。1年生のときに県大会に出れたんですよ。
——それはすごい!
弓道部がある中学校は少なかったので、市の大会で2回くらい勝つと、すぐ県大会に出られたんです。
——どうやってメンバーに選ばれたんですか?
まず校内で人選があったんですけど、たまたま成績が良くて選ばれてしまって。当時はバレエをやっていて、そんなに熱心に練習してたわけじゃなかったので、周りの視線がちょっと怖かったです(笑)。
——弓道の大会はどんなルールで行われるのでしょうか?
いろいろルールはあると思うんですけど、私のときは3人1組で団体を組み、ひとり6回ずつ射って的に当てた数で成績を競ってました。
——的に当てるだけでいいんですね。
同じ弓技でも、アーチェリーは的に当てるのはけっこう簡単なんです。だから、どれだけ中心に当てられるかの勝負になります。でも、弓道はそもそも的に当たるのが難しくて。私のときは、6本中3本当てれば県大会に進める感じでしたね。
——1年で県大会に出たということは、その後はもっと活躍できたんですか?
実はそれからはまったく(笑)。県大会に出場できたのは本当に偶然だったと思います。どちらかと言うとバレエに気持ちが傾いていたので、弓道は楽しく練習をしていた感じでした。
——バレエとの両立はどうだったんですか?
一応、部活は月曜から金曜まで每日あって、大会前は土曜日に隣の市の弓道場で練習してました。バレエは弓道部の練習が終わった後に行ってましたね。
——さらっと語っていますがハードスケジュールですよね。
当時はそんなきつかった記憶はなくて。ただ、めちゃくちゃ蚊に刺されました! 的場が屋外にあったんですけど、弓道は静止する動作が多いので、刺され放題でした。いちばん思い出に残ってるのは、ただ痒かったことです(笑)。