2017年9月19日

初心者必見! ボルダリングの始め方

 スポーツクライミング「ボルダリング」は、東京オリンピックの正式種目として採用されたこともあって、近年競技者が増えています。本格的なクライマーを目指したい人から、エクササイズとして始めたい人まで、どんな人でも楽しめるのがボルダリングの魅力。

 では、ボルダリングに興味を持ち、始めてみようと思ったとき、どうすればいいのでしょうか? ボルダリングは登る壁が必要なので、用意しているジムなどに行く必要があります。ジムと聞くと高い&面倒と考えてしまう人もいますが、実は競技の性格上、使い勝手がいいんです。そのポイントをまとめていきましょう。


ボルダリングを始めるにはジム選びから

 ボルダリングを継続的に楽しんでいる人の多くは、ジムに会員登録してトレーニングを積んでいます。でも、これから始めてみようかと考えている人は、続けられるかわからない競技に会員登録するデメリットを感じてしまうことでしょう。

 また通うための時間、トレーニングをする時間帯、何日くらい通えるのか自分の時間を決めておくことが大切。場所は、職場の近くか自宅近くか。仕事帰りの平日に通うならば、夜遅くまで営業しているジムがいいでしょう。都心部にあるボルダリングのジムの多くは、平均となりますが22〜23時まで営業しています。

 ジムの条件を設定したら次は無料もしくは有料の体験講座を行っているジムを探してみましょう。ほかのスポーツ教室よりも体験講座を開催しているジムが多いのも特徴のひとつで、これを利用しない手はありません。近くに体験講座を行っているジムがないときは、会員登録する前に雰囲気などを見学させてもらうと通いやすくなるかもしれません。


ボルダリングジムの料金体型

 ボルダリングジムの料金体系は、大きく2タイプあります。1つは月謝タイプ、もう1つは1回ごとに利用料を払うタイプです。どちらも入会金が必要なケースが多いですが、入会金(会員登録料)の平均は、1000円〜2000円となっています。

 月謝タイプは、一般のスポーツジム同様、入会金と月謝を支払えば基本的に追加料金なしでトレーニングできるタイプ。ある程度経験を積み、本格的にボルダリングを楽しみたいという人は、このタイプを利用すると通う回数や時間を気にせずトレーニングに集中できます。月謝はジムの規模や設備によって幅もありますが、平均すると1万円〜1万2000円前後となります。

 また毎月行く回数も時間帯も不安定な人は、1回利用するごとに料金を支払うタイプがおすすめです。このとき初回のみ入会金が必要になりますが、その後、1回の利用料の平均は、平日ならば1000〜1500円、土休日では1500〜2000円程度となります。このタイプは、平日昼間か夜かによって金額も変わるので、事前に調べておくといいでしょう。なかには会員登録なしのビジター利用を用意しているジムもあります。

 1回の利用料金は、あくまでも施設利用費となるので、夕方18時に行って22時までトレーニングを続けることもできます。体力の問題もありますが、自分のペースで利用できるのもボルダリングジムの魅力といえます。

 料金的な魅力がもうひとつあります。それは初期投資が少なくすむこと。服装もTシャツやズボンがあればOKで、必須となるボルダリング専用シューズと滑り止め用のチョークはレンタルできます。こちらは数百円でレンタルできるので、続けるかわからなくても道具を揃える費用を抑えられるのがうれしいですね。


ジムの体験講座は本当にお得なの?

 料金体系も気になりますが、さらに体験講座でいくらかかり、どんな体験ができるのかも気になります。そこで体験講座で、東京・池袋にある「クライミングスクール・ジムJ&S池袋」の代表・沢治奈津子さんに料金とレッスン内容のポイントを聞いてみました。初心者から上級者まで対応する人工壁を6種類設置しているジムです。

「当スクールは、初めての人、始めて間もない人に向けたマンツーマンのスターターセットを用意しています。受講料は任意の60分×4回で10,500円。入会金や施設利用料はかかりません。シューズのレンタルもでき、チョークは無料です」

「レッスンは予約制で、予約時間に行くとインストラクターが迎えます。主なレッスン内容は、<(1)疲れにくくするための、腕や足の使い方を学ぶ、(2)横や斜めに効率よく移動するための、手足の使い方を学ぶ、(3)遠いホールドを取りに行くための、体の動きを学ぶ>の3要素から構成されています」

▲「クライミングスクール・ジムJ&S池袋」のウォール

 もちろん挑戦する前には、ボルダリングを楽しむために最低限必要になる安全性への注意喚起、ルールやマナーなどを教えてくれます。ほかにもシューズの適切なサイズの選び方、クライミングの基礎など、ひと通りの説明&準備運動がすんだ後、インストラクターのアドバイスに従って壁に登ります。初めてでも難易度の低い壁からスタートすること、経験豊富なインストラクターが個々の運動能力に適した「課題」を与えてくれるので安心して受講できます。


知っておくべきジムのルールとマナー

 ジムでは、同じような趣味を持つ人と知り合いになれる点がメリットです。ジム仲間ができれば、ボルダリングもいっそう楽しくなるでしょう。そうなるためには、みんな気持ちよく登れることが大切になってきます。

 そのためボルダリングに最低限必要なルールやマナーがあります。登る壁が低くても落下の危険性もあり、100%安全とは言い切れません。そのためケガ防止を目的にしたルールやマナーが定められているのです。以下にまとめるので覚えておきましょう。

【1】壁に上る前には他の人と交錯することのないよう確認する
壁での接触は落下の危険を伴うのでNGです。登る前に周囲の人がどのようなルートで登っているのか見回して、交錯の危険がないことを確認してから登り始めます。


【2】登っている人の真下には入らない
登っている人の真下に入ることは、その人が着地または落下してきた際に衝突を招きかねません。移動する際も壁から離れるようにします。


【3】壁から下りるときは足から着地
壁から降りるときには、安全な高さまで下ったうえ、床には足から着地するようにします。またやむなく落下してしまったときは、なるべく足から着地し衝撃を和らげたうえで転ぶようにします。こうした転び方も、けが防止の観点から学んでおく必要があります。

【4】各ジムのローカルルールも確認
壁の設置条件などによって、それぞれのジムでローカルルールが定められていることがあります。クライミングする前に、そうした注意事項をしっかり確認するようにしましょう。

[監修]クライミングスクール・ジムJ&S池袋
 https://sports.epark.jp/schools/6962
 http://js-climbing.com/ikebukuro/

 

<Text:瀬戸嶋 勝+アート・サプライ/Photo:Getty Images>