ライフスタイル
2023年3月28日

「それって、指導ですか?暴力ですか?」日本バレーボール協会、“暴力撤廃アクション”を開始

日本バレーボール協会(JVA)は、バレーボール指導の現場における暴力・暴言・ハラスメントなどを完全に撤廃することを目的に、「暴力撤廃アクション」を開始しました。

いき過ぎた指導状況に強い危機感

「暴力撤廃アクション」の具体的アクションとして、2023年3月24日に「暴力撤廃アクション」のウェブサイトを開設し、翌日には日本経済新聞に啓発メッセージを掲載しました。

“それって、指導ですか?暴力ですか?”という問いかけのもと、明らかな暴力はもちろんのこと、将来的に暴力に発展する可能性を秘めた状態である「未暴力」にも注視。暴力的指導になる前の段階で防ぐことはできないかという視点も重視しています。

サイト内には「未暴力」を含む暴力の実態、捉え方について学ぶコンテンツや、指導方法を学ぶ「グッドコーチングセミナー」の動画、悩んでいる方に向けた「相談窓口」などがあります。

指導する側、指導を受ける側、そしてすべての関係者にとって有益となる情報を提供することで、バレーボール界全体の暴力撤廃に対する意識および理解力の向上を狙うとし、今後も継続的な取り組みを実施し、指導現場の改善に努めるとしています。

暴力撤廃を宣言する指導者宣誓の実施、ロゴマークの掲出

暴力撤廃のためには、指導者自身の意志を変えていく必要もあります。

今後、JVAが主催する各種大会では、指導者が暴力撤廃を宣誓する「指導者宣誓」を実施。指導者宣誓は選手宣誓の対となり、指導者が指導のあり方を見つめ直し、議論のきっかけとなることを目的として行います。

また、暴力撤廃アクションのロゴマークを大会会場に掲出し、暴力撤廃に対する意識と理解の向上を目指すとしています。

日本バレーボール協会の会長・川合俊一氏のコメント

日本バレーボール協会は、指導現場における暴力の撤廃に向けて、断固たる決意で臨むと表明し、昨今のスポーツ指導の在り方を見つめ直すとしています。

日本バレーボール協会の会長・川合俊一氏のコメントを抜粋します。

川合俊一氏:スポーツの指導現場における暴力的行為は絶対に許されるものではありません。暴力的指導の撤廃については、今までも各世代の指導現場で様々な形で取り組み、弊会も指導者の教育や相談窓口の開設などを通じて対策を講じてまいりました。これからも私たちは暴力的指導に対しては厳しく対処していきますが、同時に、暴力的指導となる前の段階で防げたこともあるのではないか?という視点に注目したのが今回のアクションです。

指導する側、指導を受ける側、そしてその周辺にいる全ての関係者も、ともにバレーボールを愛し、ともに目標に向かって前進しようとするその過程で、指導中の行動や発言の誤りに互いに早い段階で気が付けば、よりよいバレーボール生活を送ることができるのではないでしょうか。

一度立ち止まって自分や相手の気持ちを考えてみること、そして少しでも疑問に思ったら誰かに話してみること、シンプルなことではありますが、それが暴力的指導の撤廃においてとても大切なことなのではないかと考えています。

関連記事:ピアノ、英会話、習字。実はバレーボール以外はあまり続かなかったんです。元バレーボール日本代表・木村沙織(前編)│子どもの頃こんな習い事してました

<Text:編集部/Photo:日本バレーボール協会>