インタビュー
2017年11月7日

ピアノ、英会話、習字。実はバレーボール以外はあまり続かなかったんです。元バレーボール日本代表・木村沙織(前編)│子どもの頃こんな習い事してました #4 (1/3)

 スポーツ界の第一線で活躍するアスリートに、幼少期の習い事について訊く連載。自身の経験を振り返っていただき、当時の習い事がどのように現在のプレーに活かされているか、今の自分にどう影響しているかを伺います。

 第4回は、バレーボール全日本代表のエースとして活躍し、2017年3月に惜しまれつつ引退した木村沙織さん。2004年から2016年まで女子バレーボール史上初のオリンピック4大会連続出場を果たし、2013年からはキャプテンを務めてチームをまとめ上げ、輝かしい数々の成績をおさめてきました。そんな木村さん、実は子どもの頃の習い事はあまり続かなかったようです。木村さんの意外な一面に迫ります。

▼後編はこちら

「バレーボールを選ばなくてもいいよ」。母が言った言葉が私の将来を決めた。元バレーボール日本代表木村沙織(後編)【子どもの頃こんな習い事してました #4】 | 子育て×スポーツ『MELOS』

音符を読むのがめんどくさくなっちゃって

――小さいころの習い事を教えてください。

最初に習ったのはエレクトーンです。保育園のころですね。「ピアノを習いたい」と言ったんですが、近くの教室では最初はエレクトーンで、それが合格したらピアノに進むというふうになっていたんです。それでエレクトーン。グループレッスンで友だちと一緒に習えて楽しかったんですけど、小学1年生になってピアノに移ったら個人レッスンになってしまって。先生と一対一で緊張するし、弾けなかったら何も音が鳴らないから怖いし、譜面も難しくなって音符を読むのがめんどくさくなっちゃって(笑)。それで「もうやめたい」とすぐやめちゃったんです。だからピアノは数回くらいかしか通っていません。

小学2年生くらいだったかな、低学年のころ英会話教室にも行かされていて、小学4年生から6年生くらいまでは習字にも行ってました。それと「チャレンジ」(通信教育)も。それは小学校の間、けっこう長く続けていたと思います。

――英会話に「行かされて」というのは?

親の友人が英会話の先生をしていて、そのつながりで習いに行かされていたんです。習字は当時好きな男の子がその教室に通っていて、めっちゃ字が上手だったんですよ。それで「私も行きたい」と。だから、そんなに大きな理由はないです(笑)。楽しんで通っていたんですが、遠い私立中学に通うことになったのでやめざるをえなくなってしまいました。

――ピアノも英会話も習字も割とあっさり辞めてしまったように見えますが、親御さんから「もっと続けなさい」と言われたことは?

なかったですね。むしろ「やめたいなら早くやめて」って感じでした。自分がやりたいことならいいけど、やりたくないのに続けるのはお金も時間ももったいないって。

――「根気がない子になったらどうしよう」と心配されることもなく?

そういう心配はしてなかったと思います。やりたいことはなんでも挑戦してみなさい、やってみて合わなかったら早めに言って、という感じでした。

友だちの誘いを断りきれずバレーボールをやめた

――バレーボールを始めたきっかけは?

母がママさんバレーのチームに入っていて、いつもその練習について行っていたところ、そこで「小学校のクラブもあるよ」と誘ってもらって始めました。小学2年生からです。父もバレーをやってたらしいんですけど見たことないです。母は熱心に高校バレーをしていたと言っていました。5歳年下の妹(東レ・アローズの木村美里選手)も小学1年生からバレーを始めました。

――バレーボールだけは他の習い事とは違ってずっと続いたのはなぜでしょうか。

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