ホットミルクのリラックス効果とは?森永乳業が調査
寝る前にホットミルクとはよく言ったもので、そのリラックス効果を体感する機会は多いと思います。今回は、森永乳業がホットミルクのリラックス効果について調査しているので、ご紹介します。
ホットミルク休憩はココロの安定度が高い
調査対象となったのは、首都圏に住む35歳〜54歳の女性。「ホットミルクがもたらす気分の変化」について検証を行っています。名づけて「ホットミルク休憩」。
比較対象となったのは、スマートフォンを見ながら過ごす休憩ということで「スマホ休憩」。休憩中はスマホを触ってリラックスしたいという人も多そうですが、「ホットミルク休憩」と比べてどちらのリラックス効果が勝ったのでしょうか?
今回の調査では、対象者を2グループに分け、ホットミルク飲用グループ(32人)と非飲用グループ(スマホを見ながら休憩する33人)の、休憩前後での「二次元気分尺度アンケート」を活用。
結果として、心理的「安定度」「活性度」「覚醒度」の項目で統計的に有意な差が現れました。まず、「安定度」は「ホットミルク休憩」をした方が「スマホ休憩」をした場合より、約4倍も気分の変化量があり、「ホットミルク休憩」後は、より落ち着いた状態になることが分かっています。
一方、「スマホ休憩」後は「活性度」「覚醒度」の項目が優位に上昇。これらの項目は「ホットミルク休憩」後には下がっているため、ホットミルクの飲用により気分が沈静化され、ゆったりと落ち着いた状態に変化しているということになります。
「ホットミルク休憩」後は、9割が気分「ホッ」
次に、それぞれのグループの休憩前後の心の状態を聞いた主観アンケートでは、「ホットミルク休憩」後は9割が「ホッとしている状態」になったと回答。変化した割合は「スマホ休憩」の1.5倍にのぼります。
さらに、「気分が良い」かどうかを尋ねた質問では、「ホットミルク休憩」後の人は 78.1%(「あてはまる」「ややあてはまる」の合計)が「気分が良い」と回答。「スマホ休憩」後の人は63.6%だったので、こちらも「ホットミルク休憩」の効果が出ているのが分かります。
ほか、サーモグラフィーで見ると、「ホットミルク休憩」後は顔全体・首元の体表温度が1.1度上昇するというデータも。
脳科学者が語る「ホットミルク休憩」のメリット
脳科学者・篠原菊紀先生は、「ホットミルク休憩」の効果について「あたたかい牛乳を飲む行為が授乳時の記憶をよみがえらせることで『幸せホルモン』『絆ホルモン』とも言われるオキシトシンが分泌されている状態になっているとも推測されます」と解説。
おすすめの飲用場面については「興奮している状態の時。たとえば『焦っている、慌てているとき』はもちろんですし、調査結果から見て交感神経優位から副交感神経優位の状態へ変化するということから『仕事や受験勉強など頑張った後の区切り』にも活用できますね」としています。
また、脳科学的なオススメの飲み方については「気持ちを落ち着かせるには、『あたたかさ』『おいしさ』のほかに『やわらかさ』もあります。硬い椅子よりもやわらかなソファーで飲んでいただくとより一層ホッとするかもしれません。また、それらは他者に対して肯定的な気持ちにもしてく れるので、家族の団らんを深めるのにもいいと思います」とアドバイスしています。
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<Text:辻村>