ウェルネスフード
2024年12月11日

市販の豆乳36種類を飲み比べ!栄養と飲むメリット、牛乳との違い、ダイエットや筋トレ時の効果的な飲み方も[栄養士監修] (1/5)

健康飲料として根強い人気を誇る「豆乳」。最近では、スーパーやドラッグストア、コンビニで買える豆乳の種類も豊富になってきました。

「美肌になる」、「イソフラボンが摂れる」「バストアップにつながる」など耳寄りな情報もある反面、「飲みすぎると体に悪い」、「減量効果はない」「男性が飲むとホルモンバランスが崩れる」といったネガティブな情報もあるなか、ホントはどうなの?

そこで今回は、豆乳の持つ栄養素や体にもたらす働きを徹底解説! 無調整豆乳、調整豆乳、豆乳飲料の違い、牛乳との違い、筋トレやダイエットへの効果など、豆乳の気になるアレコレについて栄養士の先生に聞いてみました。

また、市販されている人気の豆乳36種類の飲み比べも実施。なんとなく飲んでいた豆乳についての知識を身につけて、健康的なカラダとライフスタイルを手に入れるきっかけにしてみましょう。

豆乳とは。種類と選び方

豆乳は、水に浸した大豆をすりつぶしてできた液体をこし取ったもの。固めれば豆腐になる状態です。

高たんぱく質で植物性脂肪のためカロリーが低く、大豆サポニンやイソフラボンなどの成分ががんを予防するという研究成果も出ています。また、腸内環境を整えるオリゴ糖、ビタミンB群やEが含まれており、健康飲料として注目されています。

豆乳は、以下の3種類に分けられています。

  • 調整豆乳
  • 無調整豆乳
  • 豆乳飲料

大豆固形分が味と栄養を左右する

商品を選ぶ際は、パッケージに記載されている「大豆固形分」に注目しましょう。

「無調整豆乳」は大豆固形分8%以上、「調整豆乳」は大豆固形分6%以上、「豆乳飲料」は大豆固形分2%以上と定められています。

大豆固形分が多ければ多いほど、豆乳本来の味を強く感じられます。

栄養士に聞いた! 豆乳の効果や正しい飲み方、牛乳との違いとは?

豆乳には健康に良い栄養素がたっぷり入っていて、コンビニやスーパーで扱われている商品も多種多様ある、ということはわかりました。

でも結局、豆乳にどのような効果があるのかは今ひとつ謎なまま。料理家でスポーツ栄養士でもある玉利紗綾香先生に、豆乳について気になるアレコレを聞いてみました。

[監修者プロフィール]
玉利紗綾香(たまり・さやか)
大妻女子短期大学部 家政学科食物栄養卒業。食品会社に5年半勤務し、プライベートブランド商品の開発過程に携わる。料理研究家のもとで修行後、栄養士、料理家として独立。現在は、自身のスポーツ経験、栄養士の知識を活かし、 スポーツ専門学校でスポーツ栄養学の講師や、CM、書籍、雑誌、料理教室等を開き、多方面で活動中。

—— 牛乳と豆乳の飲み分けのポイントはありますか?

牛乳も豆乳もたんぱく質を多く含む飲み物です。牛乳からは動物性たんぱく質、豆乳からは植物性たんぱく質が摂取できます。牛乳にも豆乳にもアレルゲンがあるので、まずはアレルギーがないか確認してから飲むようにしましょう。

カルシウムが豊富なのは豆乳よりも牛乳です。筋トレやトレーニングするうえで大切な栄養素なので、筋トレやトレーニングに力を入れたい人は豆乳よりも牛乳の方がおすすめかもしれませんね。

豆乳は、牛乳より低エネルギー、低糖質でコレステロールを含まず、不足しがちな鉄分が豊富です。ダイエット中の方には強い味方になるのではないでしょうか。目的によって使い分けることがポイントですね。

—— 筋トレをしている人も豆乳を飲んでいいのでしょうか?

豆乳に含まれる「ペプチド」が脂質代謝を向上させ、脂質から変換されたエネルギーが筋肉の疲労回復を早くするという効果があります。

また、運動直後に大豆ペプチドを摂取することで、血液中の成長ホルモン濃度が上昇し、筋肉を作る効果がより高まります。

豆乳を飲むことで植物性たんぱく質を摂ることができますが、骨や筋肉、血液を作るカルシウムの量は牛乳にかないません。牛乳も飲みながら、適度に豆乳を飲むことをおすすめします。

—— 豆乳を飲むと本当に痩せる?

豆乳が持つイソフラボンや大豆タンパク質、レシチンの効果により「痩せやすい体質になる」と言われています。しかし、だからといって飲み過ぎると太る原因になってしまいます。

大豆たんぱく質は体内での消化・吸収に時間がかかるため満腹感を得やすく、食欲を抑えることに繋がります。食事の前に飲むと良いでしょう。

また、豆乳に含まれるレシチンは、体脂肪燃焼を高めてくれる成分が含まれています。その他に便秘解消のお役に立つオリゴ糖も含まれているため、腸内環境がよくなり、肌の調子も整いやすくなる効果が期待できます。

もちろん個人差はあるので、様子を見ながら飲むようにしてくださいね。

—— 豆乳の1日の適性摂取量はどのくらい? 飲みすぎるとどうなりますか?

1日の摂取目安は、200mlパックを1〜2本です。

別途、サプリメント(プロテイン)を飲んでいる場合は、過剰にたんぱく質を摂取してしまう可能性があるので、サプリメントまたは豆乳の量を調整しましょう。

たんぱく質の過剰摂取で病気になるという研究はありませんが、内臓疲労、体重増加などは考えられます。摂取量には気をつけましょう。

—— 本当にバストアップにつながるの?

実は、つながるとは言い切れません。

ではなぜ「バストアップ効果が期待できる」と言われることが多いのかというと、女性ホルモンと同じ効果をもつイソフラボンという成分が、女性ホルモンであるエストロゲンと似た働きをするからです。

豆乳を摂りすぎると、太るほか、逆にホルモンバランスを崩してしまう恐れがあるので注意しましょう。

—— 男性が飲むとホルモンバランスが崩れるというのは本当ですか?

主な原因は抜け毛に作用するとも言われているイソフラボンです。

レシチンという成分が血流を良くすることで頭皮に栄養を届きやすくし抜け毛の予防になる効果がある反面、イソフラボンの大量摂取により、カラダが女性化してしまったケースや、精子数が減少してしまうケースも報告されています。

何事にも、適量が大切です。大量に摂取すると何かしら問題が出てしまうので注意しましょう。

—— 豆乳の種類(無調整豆乳、調整豆乳、豆乳飲料)はどのように飲み分けるのが良いのしょうか?

豆乳本来の味を楽しみたい方は大豆固形分が多い商品を、豆乳特有の豆臭さが苦手な方、初心者の方はできるだけ大豆固形分がより少ない商品を選んでみてください。

「無調整豆乳」は大豆の風味が残っており、さまざまな料理と相性がよく幅広く使えるので便利です。

「調製豆乳」は飲みやすく調製されたもので、無調整豆乳に比べて甘さがあります。お菓子作りにもおすすめです。「豆乳飲料」は、調製豆乳や豆乳(無調整豆乳)よりも大豆の成分が少ないことが特徴です。

比較的豆乳感が少なく飲みやすいので、豆乳が苦手な方にもおすすめですよ。

次:市販されている豆乳36種類を飲み比べ!

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