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マラソンをきっかけに憧れの地へ。海外レースに挑む注意点と楽しむためのポイントとは

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 「いつか海外のマラソン大会を走ってみたい」。そんな夢をお持ちのランナーは少なくないでしょう。実際、例えばホノルルマラソンなどには、毎年大勢の日本人が参加しています。しかし海外レースには、国内とは少し勝手の違う部分があるはず。また、語学面など不安をお持ちで、一歩踏み出せないという方は多いようです。

 そこで4Deserts砂漠レースの日本事務局を務め、サポートのみならずランナーとしても海外レース経験が豊富な近藤さなえ(Sandy)さんに、海外レースを楽しむポイントを伺いました。

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できるだけ余裕を持って現地入りしよう

 出場レースが決まれば、まずは当日までの動きについてスケジュールを検討することでしょう。受付時間から逆算して間に合う飛行機を選び、空港までの移動時間を考えて自宅の出発時間を決定。海外レースの場合、仕事があれば有給休暇を取得する必要があるかもしれません。しかし近藤さんによれば、あまりタイトなスケジューリングはオススメしないとのこと。海外レースでは、思わぬトラブルも起こりやすいようです。

「できれば1〜2日前に、余裕を持って現地入りできるようなスケジュールを組んでください。きっと思い入れの強いレースほど、しっかり準備・練習して望むはず。しかしスケジュールが狂っただけで、時間に間に合わず走れないなんていうことが起こり得ます。飛行機が遅れたり、天候の関係から運行中止となったり。自分にはどうしようもない部分で努力が崩れてしまいます。そうした“万が一”の際でも対応できるよう、ギリギリのスケジュールは避けるべきでしょう」

 そのほか時差調整やロストバゲッジへの対応など、余裕のあるスケジューリングはさまざまなリスク回避の効果があるとのこと。レースに先立って現地を見て回れるだけでも、大きなメリットになるのではないでしょうか。いざ荷物を開けて忘れ物があっても、早めに到着していればレース前に現地で調達できます。

「EXPOなど事前イベントが開催されているレースなら、参加するのも楽しみの1つ。日本人同士だけでなく、ぜひ周囲のランナーやスタッフたちに声を掛けてみてください」

服装・アイテムの工夫でコミュニケーションを生み出す

 見知らぬ場所を走る。それだけで特別感があり、素晴らしい時間を過ごせることでしょう。しかしレース中にも、より楽しむためにオススメの方法があるそうです。

「自分が日本人だと分かるようなアイテムを身に着けて走ってみてください。すると応援の際、『JAPAN!』など自分に対する応援が増えるかもしれません。海外ランナーの中には敢えて過去の大会Tシャツを着て走る方がいるのですが、これも目的は同じ。その人が誰で、どんな人なのか分かれば、自然とコミュニケーションが生まれます。もちろんレース中、ランナーや沿道の応援、スタッフにこちらから『Hello』なんて声を掛けるのも良いですね」

 ちなみに日本では、よくマラソン大会でボランティアスタッフが不足しているという声が聞かれます。またボランティアとはいえ、交通費や昼食が支給されるなどといったことが多いでしょう。しかし海外では“ボランティア”の解釈が異なり、そのほとんどが手弁当。それでも多くの応募が集まるそうです。そこには“手伝う”という意識ではなく、ボランティアという立場でレースに“参加したい”という気持ちがあるのでしょう。

「主催者を見てみても、海外は女性が多いんです。これも日本の大会と大きく違いますよね。女性は同時にいろんなことを進行できるスキルが高く、そのため大会運営に向いているのではないでしょうか」

 そうした日本との違いを、会場や給水所などで探してみる。それもまた、海外レースならではと言えるおもしろさかもしれません。

語学力を磨けば楽しみが増える!

 海外といえば、やはり“語学力”を不安に感じる方は多いはず。現地に降り立ってホテルへ向かい、受付などを済ませてレースを走る……、その行程では、各所で現地の方々とコミュニケーションがあるでしょう。

「まず初めての海外レースなら、ツアーの利用をオススメします。ツアーなら添乗員がいるほか、日本からの参加者と一緒に行動できますから。細かな手配の心配も不要で、レースに集中できるでしょう。以降はご自身の旅のスタイルに合わせ、アレンジしていけば良いんです。大会によっては海外からの参加者向けに、観光のオプショナルツアーを用意していることもありますよ」

 国内の空港などに集合し、添乗員の指示に従って動く。これなら、確かにどんな方でも安心して参加することができそうです。ツアー参加者同士、同じランナーということで仲間の輪が広がるかもしれません。

「しかしできれば、やっぱり語学力は磨いておいてほしいですね。せっかく海外レースに参加するのですから、国を飛び越えて仲間を作れれば素晴らしいじゃないですか。英語でコミュニケーションを取りながら動ければ自由度が増して、いろんなことができるようになります。もちろん大会概要を把握するなど、走るうえでもメリットは少なくありません。私が事務局を務める4Desertsでは、一度参加して帰国後、語学力の不足を後悔して勉強を始めたという人もいるくらい。それだけ楽しみの幅が広がるということですよね」

 語学力がなくても、大会そのものは参加できる。しかし、より楽しみたいと望むのであれば、語学力は磨いておくに越したことはないようです。特に多くの大会で共通語となる英語は、ある程度勉強しておくと良いかもしれません。なお、いくら語学力があっても、例えば盗難など自分だけでは対処できないトラブルに遭うことがあります。そうした際には、各国の日本大使館へすぐに連絡を取ること。できれば事前に、連絡先など控えておくと安心のようです。

「万全の準備を行って、海外レースを楽しんでください。大会を選ぶだけでもワクワクしますよ。私のオススメは、南アフリカ共和国で開催されている『コムラッズマラソン』。世界で、もっとも古いウルトラマラソン大会で、世界各地から約2万人ものランナーが集まります。元オリンピック女子マラソン選手の有森裕子さんや、100km世界記録保持者の砂田貴裕さんも走ったことがあるんですよ。自分の中で、お気に入りの大会を見つけてみてください」

例えば、いつか行ってみたいと思っていた憧れの地へ、マラソンをキッカケに訪れてみるのも良いでしょう。私の知人には、新婚旅行で海外レースに出場された方が何名かいらっしゃいます。たった一度の海外レースでも、ランナー人生の中では貴重な経験と思い出になるはずです。

[筆者プロフィール]
三河賢文(みかわ・まさふみ)
“走る”フリーライターとして、スポーツ分野を中心とした取材・執筆・編集を実施。自身もマラソンやトライアスロン競技に取り組むほか、学生時代の競技経験を活かし、中学校の陸上部で技術指導も担う。またトレーニングサービス『WILD MOVE』を主宰し、子ども向けの運動教室、ランナー向けのパーソナルトレーニングなども行っている。3児の子持ち。ナレッジ・リンクス(株)代表。
【HP】http://www.run-writer.com

<Text & Photo:三河賢文>

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