
スミスマシン スクワットは「甘え」じゃない。固定軌道で筋肉を追い込む究極トレ (3/3)
スミスマシン スクワットで効果を高めるコツ
基本的なフォームに慣れてきたら、次は効かせ方を工夫してトレーニングの質を高めましょう。刺激を深めるためのテクニックを紹介します。
テンポを調整する
動作のスピードを変えるだけでも、筋肉への刺激は大きく変わります。下ろす動作をゆっくりにしたり、立ち上がりを素早くしたりすることで、緊張が持続しやすくなります。「3秒で下ろし、1秒で上げる」などテンポを意識すると効果的です。
静止を入れて負荷を高める
しゃがんだ位置で1〜2秒止めることで、筋肉にかかるテンションが持続します。特に可動域の一番深い位置で静止することで、効かせたい部位に強い刺激を与えることができます。
あえて可動域を制限する
フルでしゃがむのではなく、トップ〜中間のみ、あるいは中間〜ボトムのみで動作を繰り返す方法もあります。動作範囲を絞ることで、特定の部位を集中的に刺激しやすくなります。筋肉を焼き切るような追い込みをしたいときに有効です。
スミスマシン スクワットのバリエーション
スミスマシンを使ったスクワットは、立ち位置や動作の工夫によって刺激を変えることができます。目的に応じて使い分けることで、鍛えたい部位をより明確に狙うことができます。
バリエーション名 | 主に鍛えられる筋肉 | 特徴・効果 |
ワイドスタンススクワット | 大臀筋、内転筋 | 足幅を広くして、内ももとお尻に刺激を入れる |
ヒールアップスクワット | 大腿四頭筋 | かかとにプレートを置いて前ももを集中的に刺激する |
ボトムハーフスクワット | 大腿四頭筋 | 下半分だけを反復し、大腿四頭筋に追い込む |
スクワット静止保持 | 大腿四頭筋、大臀筋 | ボトムポジションで静止して筋肉の緊張を持続させる |
スロースクワット | 大腿四頭筋、ハムストリングス、大臀筋 | 動作全体をゆっくり行い、筋肉の緊張時間を延ばす |
スミスマシン スクワットに関するよくある質問
スミスマシンは初心者向け?上級者向け?
軌道が決まっているため、バランスを取る必要がなく、動作が安定しやすいのは初心者にとって大きなメリットです。一方で、動作のテンポや可動域、停止位置などを細かく操作しやすいため、中上級者にとっても活用の幅が広がります。扱いやすさは初心者向け、使いこなしは上級者向けとも言えます。
腰が痛くなるのはやり方が間違っている?
スミスマシンは軌道が固定されているため、足の位置や姿勢が適切でないと、腰に負担が集中することがあります。特に、かかとの位置がバーより前すぎたり、股関節の動きが浅くなったりすると、腰が丸まってしまいやすくなります。
骨盤の角度や足の配置を見直すことで、腰へのストレスを軽減できます。違和感がある場合は、鏡や動画でフォームをチェックしながら調整してみましょう。
スミスマシン スクワットは意味がないというのは本当?
「意味がない」と言われているのは、軌道が固定されていることへの誤解が原因だと考えられます。たしかに体幹への刺激はフリーウェイトより少ないかもしれませんが、そのぶん狙った筋肉に集中しやすくなります。
動作の再現性が高く、効かせる技術を磨ける点はスミスマシンならではの強みです。正しい使い方を知って工夫すれば、筋トレの質を一段上げられる種目になります。
監修者プロフィール
なか整形外科京都西院リハビリテーションクリニック
樋口 直彦 先生
帝京大学医学部卒業後、いくつかの病院で勤務し、院長を経験後、2021年1月に医療法人藍整会 なか整形外科の理事長に就任。バレーボールVリーグ「サントリーサンバーズ」のチームドクターも務める。骨折治療をはじめ
<Edit:MELOS編集部>