
毎日筋トレする効果は?逆効果を防ぐ筋トレ法&一週間メニュー (1/2)
筋トレは毎日やった方がいいのか、それとも休養日を設けた方がいいのか――初心者から経験者まで悩むテーマです。一般的には、超回復を考えると週2〜3回が良いとされていますが、「では毎日ではダメなのか?」と疑問に思う方もいるでしょう。
自身も高い美意識を持ち身体を鍛えている、医学博士・美容外科専門医、SOグレイスクリニック院長・近藤 惣一郎先生は、次のように話します。
「筋トレを毎日やるメリットは、短期間で変化を実感しやすいこと、日常のルーティンとして組み込みやすいこと、そしてメンタル面への好影響です」
一方で、毎日筋トレをするには守るべき注意点もあります。近藤先生監修のもと、筋トレを毎日行う効果とリスク、効かせる方法を解説します。
毎日筋トレする効果とは
筋トレを毎日の習慣にすることで、身体の変化や生活リズムに良い影響を与えます。初心者でも工夫をすれば、短期間で成果を感じやすいのが特徴です。
短期間で体の変化を実感しやすい
例えば「1か月後に身体を引き締めたい」といった場合は、毎日筋トレを取り入れた方が変化を実感しやすいでしょう。姿勢の改善や代謝の向上が早く現れやすく、初心者ほど効果が出やすい段階にあります。
実際、Frontiers in Physiology による研究では、トレーニングボリュームを同じにした上で高頻度(週5~6日)トレーニングを行ったグループは、週2~3回のグループより筋肉量の増加が早く見られたという結果が報告されています。
習慣化しやすい
筋トレを毎日のルーティンにすれば「やるかどうか」を迷う時間がなくなります。例えば「朝8時に必ず行う」と決めれば、歯磨きや出勤前の支度のように生活に組み込めます。タイミングを固定することが、継続率を高める大きなカギです。
メンタル面への良い作用
筋トレをすると「エンドルフィン」「セロトニン」「ドーパミン」といったホルモンが分泌されます。幸福感や爽快感、気分の安定、やる気や集中力の向上につながり、ストレスの軽減や睡眠の質改善にも役立ちます。
また、カナダ・ブリティッシュコロンビア大学の研究では、運動習慣がある人ほどストレス耐性が高く、睡眠の質も良好であることが確認されており、筋トレによる精神的な恩恵も裏付けられています。
参考:BioMed Central、hfjc.library.ubc.ca
「筋トレ毎日は逆効果」と言われる理由
一方で、毎日同じ部位を鍛えると効果が薄れたり、逆効果になることもあります。その理由を理解しておきましょう。
超回復が追いつかない
筋肉はトレーニングで傷つき、回復する過程で強くなります。これを「超回復」と呼びます。大きな筋肉は48〜72時間の休養が必要で、回復を待たずに鍛え続けると筋力が伸びにくく、疲労や怪我のリスクも高まります。
フォームが崩れて効果が落ちる
回復不足の状態ではフォームが安定せず、狙った筋肉に効きません。腰や肩などに余計な負担がかかり、慢性的な痛みにつながることもあります。
中枢疲労が蓄積する
筋肉だけでなく神経や脳も疲労します。これを「中枢疲労」と呼び、集中力やモチベーションの低下を招きます。毎日高強度で続けると、精神的にも継続が難しくなります。
次:筋肉ごとに異なる回復時間とおすすめ頻度